原雅明

ベス・ギボンズ(ポーティスヘッド)のソロ作からたどるリスナーに寄り添うオーガニックなサウンドの系譜 〜THE CHOICE IS YOURS - VOL.172

ringsレーベルのプロデューサー、dublab.jpディレクター、早稲田大学非常勤講師などを務める、原 雅明氏の連載コラム『THE CHOICE IS YOURS』。Vol.172は「ベス・ギボンズ(ポーティスヘッド)のソロ作からたどるリスナーに寄り添うオーガニックなサウンドの…

現代のレコーディング・アプローチと逆行するアンドリュー・バードが奏でるにじみのような響き 〜THE CHOICE IS YOURS - VOL.171

ringsレーベルのプロデューサー、dublab.jpディレクター、早稲田大学非常勤講師などを務める、原 雅明氏の連載コラム『THE CHOICE IS YOURS』。Vol.171は「現代のレコーディング・アプローチと逆行するアンドリュー・バードが奏でるにじみのような響き」。

自身のルーツを捉え直したガナヴィヤの最新作〜バックグラウンドと向き合う音楽家たち〜 〜THE CHOICE IS YOURS - VOL.170

ringsレーベルのプロデューサー、dublab.jpディレクター、早稲田大学非常勤講師などを務める、原 雅明氏の連載コラム『THE CHOICE IS YOURS』。Vol.170は「自身のルーツを捉え直したガナヴィヤの最新作〜バックグラウンドと向き合う音楽家たち〜」。

ジム・オルークやジョン・フルシアンテからも愛されるラファエル・トラルのこれまでとこれから 〜THE CHOICE IS YOURS - VOL.169

ringsレーベルのプロデューサー、dublab.jpディレクター、早稲田大学非常勤講師などを務める、原 雅明氏の連載コラム『THE CHOICE IS YOURS』。Vol.169は「ジム・オルークやジョン・フルシアンテからも愛されるラファエル・トラルのこれまでとこれから」。

異なる文脈を探求し自分の表現にいかに結実させるか 〜エラード・ネグロの対等でオープンなアプローチ〜 〜THE CHOICE IS YOURS - VOL.168

ringsレーベルのプロデューサー、dublab.jpディレクター、早稲田大学非常勤講師などを務める、原 雅明氏の連載コラム『THE CHOICE IS YOURS』。Vol.168は「異なる文脈を探求し自分の表現にいかに結実させるか〜エラード・ネグロの対等でオープンなアプローチ…

トーマス・ストレーネンから連なるジャズ表現の多様性とナチュラルなサウンド探求 〜THE CHOICE IS YOURS - VOL.167

ringsレーベルのプロデューサー、dublab.jpディレクター、早稲田大学非常勤講師などを務める、原 雅明氏の連載コラム『THE CHOICE IS YOURS』。Vol.167は「トーマス・ストレーネンから連なるジャズ表現の多様性とナチュラルなサウンド探求」。

アメリカンプリミティブのイメージを刷新するヘイデン・ペディーゴのユーモアとアイロニー 〜THE CHOICE IS YOURS - VOL.166

ringsレーベルのプロデューサー、dublab.jpディレクター、早稲田大学非常勤講師などを務める、原 雅明氏の連載コラム『THE CHOICE IS YOURS』。Vol.166は「アメリカンプリミティブのイメージを刷新するヘイデン・ペディーゴのユーモアとアイロニー」。

“ジャンルの挟間を漂っているような音楽” ドイツ・グラモフォンから掲示するバルモレイの新境地 〜THE CHOICE IS YOURS - VOL.165

ringsレーベルのプロデューサー、dublab.jpディレクター、早稲田大学非常勤講師などを務める、原 雅明氏の連載コラム『THE CHOICE IS YOURS』。Vol.165は「“ジャンルの挟間を漂っているような音楽” ドイツ・グラモフォンから掲示するバルモレイの新境地」。

ムーヴァ・オブ・アースやジョルジャ・スミスらが魅せる女性シンガーたちの不思議な声の引力 〜THE CHOICE IS YOURS - VOL.164

ringsレーベルのプロデューサー、dublab.jpディレクター、早稲田大学非常勤講師などを務める、原 雅明氏の連載コラム『THE CHOICE IS YOURS』。Vol.164は「ムーヴァ・オブ・アースやジョルジャ・スミスらが魅せる女性シンガーたちの不思議な声の引力」。

“演奏すること”は“深く聴くこと” アンドレ3000やシャバカ・ハッチングスらが向かう表現 〜THE CHOICE IS YOURS - VOL.163

ringsレーベルのプロデューサー、dublab.jpディレクター、早稲田大学非常勤講師などを務める、原 雅明氏の連載コラム『THE CHOICE IS YOURS』。Vol.163は「“演奏すること”は“深く聴くこと” アンドレ3000やシャバカ・ハッチングスらが向かう表現」。

ポール・ブライアンとジェフ・パーカーが開拓するLAジャズ・シーンの制作スタイル 〜THE CHOICE IS YOURS - VOL.162

ringsレーベルのプロデューサー、dublab.jpディレクター、早稲田大学非常勤講師などを務める、原 雅明氏の連載コラム『THE CHOICE IS YOURS』。Vol.162は「ポール・ブライアンとジェフ・パーカーが開拓するLAジャズ・シーンの制作スタイル」。

繰り返し持続する音がもたらす“ディスクリート(控えめで思慮深い)”な感覚 〜THE CHOICE IS YOURS - VOL.161

ringsレーベルのプロデューサー、dublab.jpディレクター、早稲田大学非常勤講師などを務める、原 雅明氏の連載コラム『THE CHOICE IS YOURS』。Vol.161は「繰り返し持続する音がもたらす“ディスクリート(控えめで思慮深い)”な感覚」。

アヴィシャイ・コーエンとキップ・ハンラハンをつなぐアフロ・カリビアン音楽 〜THE CHOICE IS YOURS - VOL.160

アヴィシャイ・コーエンはイスラエルのジャズをけん引してきた存在であり、現代ジャズを代表するベーシストの一人だ。ジャズを離れてルーツに根ざした音楽や歌にも取り組んできたが、新たにIrokoというアフロ・カリビアンのプロジェクトをスタートさせた。

約40年ぶりに復活する伝説的ジャズ系レーベル、フライング・ダッチマン・レコードとビリー・ヴァレンタイン 〜THE CHOICE IS YOURS - VOL.159

1984年に消滅したジャズ系レーベル、フライング・ダッチマンが、2023年にAcid Jazzの協力のもと、シンガーでピアニストでもあるビリー・ヴァレンタインのカムバック・アルバムをリリースした。

ハイブリッドな文化の中で生まれ育ったジャズ・ボーカリスト/セシル・マクロリン・サルヴァント 〜THE CHOICE IS YOURS - VOL.158

原 雅明 セシル・マクロリン・サルヴァントは、若くして3度のグラミーを受賞し、メインストリームで称賛を得てきたジャズ・ボーカリストだ。ウィントン・マルサリスをして“こんなシンガーは、一世代か二世代に一度しか現れない”とまで言わしめた。2020年には…

86歳の今も絶えずリリースを続けるスティーヴ・ライヒの録音と音楽レーベルの関係性 〜THE CHOICE IS YOURS - VOL.157

原 雅明 スティーヴ・ライヒの新譜はこの数年だけでも、立て続けにリリースされている。今年に入っても、ミヴォス・カルテットによる弦楽四重奏曲集『Steve Reich: The String Quartets』のリリースがあったばかりだ。現在86歳のライヒが自身のディスコグラ…

ガビ・ハートマンとレイチェル&ヴィルレイによるサウンドとして楽曲に溶け込むボーカル表現 〜THE CHOICE IS YOURS - VOL.156

原 雅明 ガビ・ハートマンは、パリ生まれのシンガー・ソングライターだ。幼少期からクラシック・ピアノを習っていたが、エイミー・ワインハウスの音楽に出会い、ジャズ・シンガーの影響を強く受けていることに気がつき(ワインハウスはダイナ・ワシントンや…

イベント「TOKYO KANKYO」から振り返る環境音楽の“環境”とこれからのリスニングについて 〜THE CHOICE IS YOURS - VOL.155

原 雅明 東京の千代田区に九段ハウス(旧山口萬吉邸)という、1927(昭和2)年に建てられた地上3階地下1階の鉄筋コンクリート造りの洋館がある。財界人の私邸だったが、強固な耐震性の構造とスパニッシュ様式を採り入れた意匠が歴史的価値を持つと認められ、…

Tzadikの近年リリース作品から見る作曲家/プロデューサーとしてのジョン・ゾーンの手腕 〜THE CHOICE IS YOURS - VOL.154

原 雅明 ジョン・ゾーンが主宰するTzadik(※1)は、営利を追求しないこと(not-for-profit)を掲げたレーベルである。1995年の設立以来、膨大なタイトルをCDメインでリリースし続けて、サブスクの配信はごく一部を除いて行われていない。デジタル音源につい…

ファビアーノ・ド・ナシメントが体現するエルメート・パスコアールの“ユニバーサル・ミュージック” 〜THE CHOICE IS YOURS - VOL.153

原 雅明 「ファビアーノ・ド・ナシメントは友人で、長年一緒に演奏しているのも、彼と僕のテイストはとても似ていてやりやすいからだ。二人に共通する言語のようなものがあって、なぜか分からないけど、自分たちがお互いに何をするか予測できる。それくらい…

ビョークの最新作を手掛けたヘバ・カドリーによる共感性の高いエンジニアリング 〜THE CHOICE IS YOURS - VOL.152

原 雅明 ビョークのニュー・アルバム『フォソーラ』は、長年の活動拠点だったニューヨークを離れて故郷アイスランドのレイキャビクで制作された。アメリカの暴力性に嫌気がさしたという報道もあったが、本格的にアイスランドに戻ったようだ。アルバムは、バ…

1980年代の未発表音源があらわにするマイルス・デイヴィスのブルースの本質 〜THE CHOICE IS YOURS - VOL.151

原 雅明 マイルス・デイヴィスの未発表音源を収録したブートレグ・シリーズとして、『That’s What Happened 1982-1985:The Bootleg Series Vol.7』がリリースとなった。1970年代後半に音楽の表舞台から姿を消したマイルスは、1981年に『The Man with the Hor…

シャバカ・ハッチングスの新たな試みに呼応〜南アフリカのジャズ・シーンが放つエネルギー 〜THE CHOICE IS YOURS - VOL.150

原 雅明 UKのサックス/クラリネット奏者シャバカ・ハッチングスは、今年シャバカ名義でソロEP(ミニ・アルバム)『Afrikan Culture』をリリースした。その音楽には、サンズ・オブ・ケメットのダイナミックなグルーブはなく、ザ・コメット・イズ・カミングの…

サム・ゲンデルとメアリー・ハルヴォーソン〜演奏技術や理論から離れて見つけた独自のサウンド 〜THE CHOICE IS YOURS - VOL.149

原 雅明 FESTIVAL FRUEZINHO 2022でサム・ゲンデルとサム・ウィルクスのライブを見た。彼らのアルバム同様にサックスとベース・ギターだけのシンプルなステージだったが、デュオというミニマルな編成から繰り出されるバリエーション、ハーモニーや音色の多彩…

ケンドリック・ラマーの最新作に参加〜デュヴァル・ティモシーによる共感覚的な表現 〜THE CHOICE IS YOURS - VOL.148

原 雅明 ケンドリック・ラマーの新作『Mr. Morale & The Big Steppers』にフィーチャーされていたアーティストの中で、ポーティスヘッドのベス・ギボンズ以上に目を引いたのがデュヴァル・ティモシーだった。南ロンドン生まれで、西アフリカのシエラレオネを…

ダニエル・ビジャレアルやドス・サントスが掲げるアメリカ音楽シーンでの移民文化の新たな流れ 〜THE CHOICE IS YOURS - VOL.147

原 雅明 ドス・サントスは、シカゴを拠点に活動するラテン系バンドだ。僕がこのバンドに興味を持ったのは、International Anthemからリリースされた音源がきっかけだった。シカゴの新しいジャズの流れをフォローし、ポストロックのレガシーも受け継ぐような…

『Blind』を発表したジェイムスズーが語る能動的で客観的なリスニングとは 〜THE CHOICE IS YOURS - VOL.146

原 雅明 オランダのプロデューサー、ジェイムスズーの『Blind』が、フライング・ロータスのレーベルBrainfeederからリリースされた。デビュー作『Fool』(2016年)、オランダのメトロポール・オーケストラとのコラボ作『Melkweg』(2019年)に続くアルバムで…

笹久保伸『Venus Penguin』を起点に考察〜世代をまたぐギターという共通言語 〜THE CHOICE IS YOURS - VOL.145

原 雅明 近年、ギターを軸にした音楽を聴く機会が増えたと感じている。ギタリストやギターに特別に関心を持って聴いていたからではなく、自分が引かれる音楽にギターが使われていることが多いと気が付いたのだ。笹久保伸の音楽も、その一つである。クラシッ…

アヴィシャイ・コーエンのアプローチから見るインド音楽とジャズとの融合の形 〜THE CHOICE IS YOURS - VOL.144

原 雅明 イスラエル出身のトランペット奏者、アヴィシャイ・コーエンのニュー・アルバム『Naked Truth』がリリースとなる。長年ニューヨークのジャズ・シーンの最前線で活動を続け、近年はイスラエルに戻ってECMからリリースを重ねてきた。前作『Big Vicious…

ジャズの歴史を継承する新たな才能、ジャメル・ディーンとイマニュエル・ウィルキンス 〜THE CHOICE IS YOURS - VOL.143

原 雅明 タイニー・デスク・コンサートで音楽ファンに広く知られるようになったアメリカ公共ラジオ局のナショナル・パブリック・ラジオ(NPR)のサイトが、“2021年のジャズの物語”という特集を組み、批評家たちによるこの1年を振り返る原稿を掲載した。そこ…

アルージ・アフタブがグラミー賞ノミネート。New Amsterdamが内包する多様性 〜THE CHOICE IS YOURS - VOL.142

原 雅明 今年(2021年)のグラミー最優秀新人賞に、メインストリームのポップスの世界で注目される若いアーティストたちに混じって、パキスタンをルーツに持つシンガー/作曲家/プロデューサーのアルージ・アフタブがノミネートされた。彼女の最新アルバム…

ジャマイア・ウィリアムスの最新作とドラム/ドラマーをめぐる新たなビートの可能性 〜THE CHOICE IS YOURS - VOL.141

原 雅明 クリス・デイヴやマーク・ジュリアナといったドラマーは、ほかの楽器プレイヤーと対等か、時にはそれ以上に演奏をリードした。ヒップホップやテクノを通過してきた彼らのドラミングは、プログラミングされたビートを正確にトレースするように機械的…

アリス・コルトレーン再評価とニューエイジ・リバイバルの次のステップ 〜THE CHOICE IS YOURS - VOL.140

原 雅明 アリス・コルトレーンのソロ作『Kirtan: Turiya Sings』が、今年リリースとなった。1982年にカセット・テープで発表された『Turiya Sings』の元となる音源で、オルガンとボーカルのみによる録音だ。音源のアーカイブを管理している息子のサックス奏…

クリス・シュラーブ&チャド・テイラーが目指したサンディ・ブルの先鋭性と無我の境地 〜THE CHOICE IS YOURS - VOL.139

原 雅明 今年になってリリースされたアルバムの中でも、特に引かれたタイトルの一つに、ギタリストのクリス・シュラーブとドラマーのチャド・テイラーによる『Time No Changes』がある。シュラーブは、カリフォルニア州ロングビーチで活動を続けるギタリスト…

荒内佑『Śisei』を皮切りに振り返るNYダウンタウン・ミニマルの多様性 〜THE CHOICE IS YOURS - VOL.138

原 雅明 以前、この連載で作曲家のジュリアス・イーストマンを取り上げたが(編注:Vol.134)、その音楽を生んだニューヨークのダウンタウンのシーンについて、最近振り返る機会があった。きっかけは、荒内佑の初のソロ・アルバム『Śisei』だった。これまで…

フレッド・アーミセンの盟友デイモン・ロックス、シカゴ黒人社会に根ざしたアートと音楽活動 〜THE CHOICE IS YOURS - VOL.137

原 雅明 フレッド・アーミセンというアメリカのコメディアン/俳優が居る。NBCの人気テレビ番組『サタデー・ナイト・ライブ』で一躍有名となり、11シーズンの長きにわたってレギュラー出演した。日本で生活している僕には、アメリカのお茶の間レベルでの人気…

ピノ・パラディーノが追求してきた“遅らせた演奏”のグルーブ 〜THE CHOICE IS YOURS - VOL.136

原 雅明 ブレイク・ミルズやサム・ゲンデルを本連載で取り上げてきて、彼らと共演したピノ・パラディーノの音楽もあらためて振り返ってみるべきだと感じていた。というのも、ミルズと作った『Notes With Attachments』のリリースに伴って読むことができたパ…

3枚組アーカイブ作『Fresh Bread』から見るサム・ゲンデルとサックスとの関係 〜THE CHOICE IS YOURS - VOL.135

原 雅明 サックス奏者、ギタリストで、シンガーでもあるサム・ゲンデルは、昨年Nonesuchと契約を交わし、『Satin Doll』と『DRM』の2枚のアルバムをリリースした。エフェクトのかかったサックスを軸とする茫漠としたサウンドは、さまざまなリスナー層を引き…

ポストクラシカル時代に高まるジュリアス・イーストマン再評価の機運 〜THE CHOICE IS YOURS - VOL.134

原 雅明 コロナ禍ではさまざまな配信が行われてきたが、“リンカーン・センター・アット・ホーム”は日常の中でのクリエイティビティの向上を働きかけるユニークなプロジェクトとして注目された(Lincoln Center at Home)。これは、ニューヨークを代表する総…

新旧の黄道十二宮の音楽で再考する旋律と幾何学&星座との関係 〜THE CHOICE IS YOURS - VOL.133

原 雅明 ミュージシャンにしてビート・メイカーという若いアーティストは珍しくないが、昨年Stones Throwからデビューした23歳のジャズ・ピアニスト、ビート・メイカー、そしてラッパーでもあるジャメル・ディーンは、その出自と音楽性において特別な存在と…

コロナ禍によって拍車がかかるオーバー・ダビングを用いたジャズの広がり 〜THE CHOICE IS YOURS - VOL.132

原 雅明 1人で複数の楽器を演奏して録音された最初期のオーバー・ダビングのレコードに、シドニー・ベシェの『Blues Of Bechet / Sheik Of Araby』(1941年)がある。ニューオーリンズ・ジャズを代表するクラリネット/ソプラノ・サックス奏者のベシェはワ…

リアルタイムで演奏をレコードに刻むダイレクト・トゥ・ディスクの可能性とは 〜THE CHOICE IS YOURS - VOL.131

原 雅明 ダイレクト・トゥ・ディスクは、アナログ・テープやデジタル・ファイルといった録音メディアを介さずに、音源を直接ラッカー盤にカッティングする手法だ。レコードをプレスするためのラッカー盤にいきなり音を刻むのだから、やり直しの利く録音とは…

美しいサウンドスケープで聴く者を魅了するギタリスト/プロデューサーのブレイク・ミルズ 〜THE CHOICE IS YOURS - VOL.130

原 雅明 エリック・クラプトンに“驚異的だと思った最後のギタリスト”と言わしめたブレイク・ミルズが、ギタリストとしてよりもプロデューサーとして大成したのは、2010年代後半の音楽シーンにおける象徴的な出来事だったと思う。フィオナ・アップル、ノラ・…

エンジニアのラッセル・エレバド氏らが設立した、アナログの粋を伝えるAnalogue Foundation 〜THE CHOICE IS YOURS - VOL.129

原 雅明 以前、日本のジャズ喫茶などから影響を受けた海外のハイファイ・バーについて触れたが、ロンドンにあるブリリアント・コーナーズもその一つだ。日本食を中心に提供するレストランでもあるが、持ち運びのできる上質なアナログのサウンド・システムを…

佐藤聡明の名作がWRWTFWWからリリース ライナーノーツで伝え切れなかったストーリー 〜THE CHOICE IS YOURS - VOL.128

原 雅明 NHK電子音楽スタジオは、西ドイツ放送(WDR)のケルン電子音楽スタジオと、イタリア国営放送(IRA)の電子音楽スタジオに次いで、1954年に日本放送協会(NHK)内に設立された。現代音楽の作曲家の黛敏郎や諸井誠らの働きかけがあって実現したこのス…

ジョン・キャロル・カービーと鈴木良雄に通ずる 一人で音楽と向き合い制作する音楽家のあり方 〜THE CHOICE IS YOURS - VOL.127

原 雅明 前号で取り上げたニューエイジ・ミュージック。その新しい流れを作り出す代表的なアーティストが、ピアニスト/プロデューサーのジョン・キャロル・カービーだ。LA出身のカービーはStones Throwからのデビュー作『マイ・ガーデン』を発表したばかり…

恍惚とした感情の表現を更新する ニューエイジ・リバイバルとそれ以降の音楽 〜THE CHOICE IS YOURS - VOL.126

原 雅明 それまで特に意識していなかったニューエイジ・ミュージックを気に掛けるようになったのは、LAのプロデューサー/DJのカルロス・ニーニョがきっかけだった。2000年代後半から2010年代前半にかけて、僕がやっていたレーベルから、カルロスがかかわっ…

ライブ・マジックを作品に宿すべく誕生した レコーディング・ラウンジHighBreedMusic 〜THE CHOICE IS YOURS - VOL.125

原 雅明 ニューヨークのブルックリンから、興味深いレコーディング音源のリリースがスタートした。“ 世界初のレコーディング・ラウンジ”と銘打ったHighBreedMusicは、ライブ・パフォーマンスとレコーディングとの間にある溝を埋める、理想的な録音環境の実現…

現実とバーチャルの関係性がリセットされた今 オンライン・コミニュティや配信の可能性を探る 〜THE CHOICE IS YOURS - VOL.124

原 雅明 COVID-19(新型コロナ・ウィルス感染症)のパンデミックは、この原稿を書いている6月上旬現在も音楽業界に打撃を与えている。何よりも、ライブ演奏を複数の人々と楽しむ現場はほぼ失われたままだ。自分自身にかかわる仕事でもライブを見てレポート…

聴きやすさという独自の調性を獲得した フィリップ・ソルマン『Monophonie』 〜THE CHOICE IS YOURS - VOL.123

原 雅明 ドイツのプロデューサー、フィリップ・ソルマンの新アルバム『Monophonie』が、ベルリンのクラブ、ベルグハインが運営するレーベルA-TONからリリースされた。 『Monophonie』 フィリップ・ソルマン (A-TON/OCTAVE-LAB) クラブ・ミュージックと実験…