原雅明

フレッド・アーミセンの盟友デイモン・ロックス、シカゴ黒人社会に根ざしたアートと音楽活動 〜THE CHOICE IS YOURS - VOL.137

原 雅明 フレッド・アーミセンというアメリカのコメディアン/俳優が居る。NBCの人気テレビ番組『サタデー・ナイト・ライブ』で一躍有名となり、11シーズンの長きにわたってレギュラー出演した。日本で生活している僕には、アメリカのお茶の間レベルでの人気…

ピノ・パラディーノが追求してきた“遅らせた演奏”のグルーブ 〜THE CHOICE IS YOURS - VOL.136

原 雅明 ブレイク・ミルズやサム・ゲンデルを本連載で取り上げてきて、彼らと共演したピノ・パラディーノの音楽もあらためて振り返ってみるべきだと感じていた。というのも、ミルズと作った『Notes With Attachments』のリリースに伴って読むことができたパ…

3枚組アーカイブ作『Fresh Bread』から見るサム・ゲンデルとサックスとの関係 〜THE CHOICE IS YOURS - VOL.135

原 雅明 サックス奏者、ギタリストで、シンガーでもあるサム・ゲンデルは、昨年Nonesuchと契約を交わし、『Satin Doll』と『DRM』の2枚のアルバムをリリースした。エフェクトのかかったサックスを軸とする茫漠としたサウンドは、さまざまなリスナー層を引き…

ポストクラシカル時代に高まるジュリアス・イーストマン再評価の機運 〜THE CHOICE IS YOURS - VOL.134

原 雅明 コロナ禍ではさまざまな配信が行われてきたが、“リンカーン・センター・アット・ホーム”は日常の中でのクリエイティビティの向上を働きかけるユニークなプロジェクトとして注目された(Lincoln Center at Home)。これは、ニューヨークを代表する総…

新旧の黄道十二宮の音楽で再考する旋律と幾何学&星座との関係 〜THE CHOICE IS YOURS - VOL.133

原 雅明 ミュージシャンにしてビート・メイカーという若いアーティストは珍しくないが、昨年Stones Throwからデビューした23歳のジャズ・ピアニスト、ビート・メイカー、そしてラッパーでもあるジャメル・ディーンは、その出自と音楽性において特別な存在と…

コロナ禍によって拍車がかかるオーバー・ダビングを用いたジャズの広がり 〜THE CHOICE IS YOURS - VOL.132

原 雅明 1人で複数の楽器を演奏して録音された最初期のオーバー・ダビングのレコードに、シドニー・ベシェの『Blues Of Bechet / Sheik Of Araby』(1941年)がある。ニューオーリンズ・ジャズを代表するクラリネット/ソプラノ・サックス奏者のベシェはワ…

リアルタイムで演奏をレコードに刻むダイレクト・トゥ・ディスクの可能性とは 〜THE CHOICE IS YOURS - VOL.131

原 雅明 ダイレクト・トゥ・ディスクは、アナログ・テープやデジタル・ファイルといった録音メディアを介さずに、音源を直接ラッカー盤にカッティングする手法だ。レコードをプレスするためのラッカー盤にいきなり音を刻むのだから、やり直しの利く録音とは…

美しいサウンドスケープで聴く者を魅了するギタリスト/プロデューサーのブレイク・ミルズ 〜THE CHOICE IS YOURS - VOL.130

原 雅明 エリック・クラプトンに“驚異的だと思った最後のギタリスト”と言わしめたブレイク・ミルズが、ギタリストとしてよりもプロデューサーとして大成したのは、2010年代後半の音楽シーンにおける象徴的な出来事だったと思う。フィオナ・アップル、ノラ・…

エンジニアのラッセル・エレバド氏らが設立した、アナログの粋を伝えるAnalogue Foundation 〜THE CHOICE IS YOURS - VOL.129

原 雅明 以前、日本のジャズ喫茶などから影響を受けた海外のハイファイ・バーについて触れたが、ロンドンにあるブリリアント・コーナーズもその一つだ。日本食を中心に提供するレストランでもあるが、持ち運びのできる上質なアナログのサウンド・システムを…

佐藤聡明の名作がWRWTFWWからリリース ライナーノーツで伝え切れなかったストーリー 〜THE CHOICE IS YOURS - VOL.128

原 雅明 NHK電子音楽スタジオは、西ドイツ放送(WDR)のケルン電子音楽スタジオと、イタリア国営放送(IRA)の電子音楽スタジオに次いで、1954年に日本放送協会(NHK)内に設立された。現代音楽の作曲家の黛敏郎や諸井誠らの働きかけがあって実現したこのス…

ジョン・キャロル・カービーと鈴木良雄に通ずる 一人で音楽と向き合い制作する音楽家のあり方 〜THE CHOICE IS YOURS - VOL.127

原 雅明 前号で取り上げたニューエイジ・ミュージック。その新しい流れを作り出す代表的なアーティストが、ピアニスト/プロデューサーのジョン・キャロル・カービーだ。LA出身のカービーはStones Throwからのデビュー作『マイ・ガーデン』を発表したばかり…

恍惚とした感情の表現を更新する ニューエイジ・リバイバルとそれ以降の音楽 〜THE CHOICE IS YOURS - VOL.126

原 雅明 それまで特に意識していなかったニューエイジ・ミュージックを気に掛けるようになったのは、LAのプロデューサー/DJのカルロス・ニーニョがきっかけだった。2000年代後半から2010年代前半にかけて、僕がやっていたレーベルから、カルロスがかかわっ…

ライブ・マジックを作品に宿すべく誕生した レコーディング・ラウンジHighBreedMusic 〜THE CHOICE IS YOURS - VOL.125

原 雅明 ニューヨークのブルックリンから、興味深いレコーディング音源のリリースがスタートした。“ 世界初のレコーディング・ラウンジ”と銘打ったHighBreedMusicは、ライブ・パフォーマンスとレコーディングとの間にある溝を埋める、理想的な録音環境の実現…

現実とバーチャルの関係性がリセットされた今 オンライン・コミニュティや配信の可能性を探る 〜THE CHOICE IS YOURS - VOL.124

原 雅明 COVID-19(新型コロナ・ウィルス感染症)のパンデミックは、この原稿を書いている6月上旬現在も音楽業界に打撃を与えている。何よりも、ライブ演奏を複数の人々と楽しむ現場はほぼ失われたままだ。自分自身にかかわる仕事でもライブを見てレポート…

聴きやすさという独自の調性を獲得した フィリップ・ソルマン『Monophonie』 〜THE CHOICE IS YOURS - VOL.123

原 雅明 ドイツのプロデューサー、フィリップ・ソルマンの新アルバム『Monophonie』が、ベルリンのクラブ、ベルグハインが運営するレーベルA-TONからリリースされた。 『Monophonie』 フィリップ・ソルマン (A-TON/OCTAVE-LAB) クラブ・ミュージックと実験…

収集でコミュニケーションの欲求を満たしたレコード・ディガーの先駆者ハリー・スミス 〜THE CHOICE IS YOURS - VOL.122

原 雅明 ハリー・スミスは語る 音楽/映画/人類学/魔術 作者:ハリー・スミス,ラニ・シン,湯田賢司 発売日: 2020/03/26 メディア: 単行本(ソフトカバー) 『ハリー・スミスは語る 音楽/映画/人類学/魔術』 ラニ・シン 編 湯田賢司 訳(カンパニー社) …