分かりにくいDTM用語を一挙解説!
あ行
- アカデミック版
- 学生や教育機関の教職員に向けて優待価格で販売しているソフトウェアなどのこと。エデュケーション版とも。
- アッテネーター
- 信号の大きさを下げる装置。オーディオの場合は過大入力を避けてひずみを避けるために使うことが多い。減衰器。
- アルペジエイター
- 和音の構成音を1音ずつパターンで鳴らす機能のこと。

- アルペジオ
- 分散和音。ド→ミ→ソのように和音の構成音を同時ではなく順番に演奏すること。
- アンプ
- 電気信号を増幅する回路。アンプリファイア(amplifier)の略。
- イコライザー
- 周波数帯域ごとに音量を増減をするエフェクト。Equalizerの略としてEQとも呼ぶ。

- インスタンス
- DAWではプラグインの起動数のこと。同じ種類のプラグインでも10個立ち上げた場合は「10インスタンス」。
- インストゥルメント・トラック
- ソフト音源を立ち上げるトラックのこと。トラック上でMIDIデータの打ち込みが行える。
- インピーダンス
- 交流抵抗。オーディオ機器は入力と出力のインピーダンスがマッチしている前提で設計されているため、極端に異なるインピーダンスの機器を接続すると、意図しない音色変化が得られることがある。
- ウーファー
- 低域再生用のスピーカー、またはそのスピーカー・ユニット。高域用はツィーター。
- ウェイ(2ウェイ)
- スピーカーにおいて、ユニットが受け持つ再生帯域が幾つあるかを示す言葉。2ウェイはウーファー+ツィーターで構成される。

- 打ち込み
- 電子楽器を再生するためのデータを記録すること。実際の鍵盤などでの演奏をリアルタイムで記録する以外に、マウスや数値で画面入力していくことができる。
- エデュケーション版
- →アカデミック版
- エンハンサー
- 倍音を付加することで、音の存在感を増すエフェクト。
- オーディオI/O
- →オーディオ・インターフェース
- オーディオ・インターフェース
- パソコンやタブレットなどに接続して、音の入力/出力を可能にする機材。オーディオI/Oとも。
-
オーディオ・インターフェース「STEINBERG UR22C」
- オートメーション
- 音量の大小やエフェクトの変化などを時間軸上で自動的に動かす機能のこと。
か行
- カーディオイド
- 単一指向性。マイクの正面の音以外を拾いにくい指向性のこと。グラフ化するとハート=心臓(Cardioid)の形に似ていることから。
- 書き出し
- 楽曲やその一部を、さまざまな機器で再生できるようにファイル化すること。バウンスとも呼ぶ。
- クオンタイズ
- 指定した単位でオーディオやMIDIをそろえる機能。演奏のばらつきを減らすことができる。
- 矩形波
- 基音に対して、n=奇数のときに1/nの大きさでn次倍音が加わっている波形。アナログシンセでは木管系のサウンド作りに使われることが多い。スクエア波、方形波。
-
矩形波の波形
- グリル
- マイクのカプセルを包む網のこと。衝撃からの保護や息がかかるのを低減する役割がある。
- ゲイン
- 信号の増幅量のこと
- コーラス(エフェクト)
- わずかに高さが異なる音を重ねることで、厚みを出すエフェクト
- コンデンサー・マイク
- マイクの一種。ダイアフラム(振動板)とバックプレートの間に電圧をかける必要がある。
→ファンタム電源
- コンプレッサー
- 音量の大きな部分を抑え、音量の大小(ダイナミクス)を小さくするエフェクト。音の立ち上がり(アタック)と余韻(リリース)の調整にも使われる。

- コンボ端子
- XLRとフォーンのどちらにも対応する入力端子のこと。
-
コンボ端子
さ行
- サイン波
- 倍音成分を持たない音。正弦波。
-
サイン波の波形
- サチュレーション
- ひずみのこと。明らかにひずんでいると分かるものよりも軽めのひずみを指すことが多い。
- サブミックス
- 楽曲全体をまとめる前に、ドラムだけ、シンセだけといった具合に任意のトラックだけをまとめること。
- サンプラー
- 実際の音を楽器のように演奏できる機材。現在はソフト化されているものが多い。
- サンプリング周波数
- 音をデジタル化する際の、時間軸上の細かさ。CDでは44.1kHz だが、これは1秒間に44,100回デジタル化しているという意味。
- シーケンス
- 打ち込んだ演奏情報やその連なりのこと。
→打ち込み
- 周波数特性
- 低い音から高い音まで、どこからどこまでを入力/再生できるかを示すスペック。
- スーパー・カーディオイド
- 超指向性。マイク正面の音を拾うが、カーディオイド(単一指向性)より収音範囲が狭い。
- ステレオ・イメージャー
- 音の広がりをコントロールするエフェクトのこと。
- ソフト・シンセ
- シンセサイザーをソフトウェア化したもの。プラグインであるものが多い。
- →プラグイン
-
ソフトシンセ「SPECTRASONICS Omnisphere」
た行
- ダイナミック・マイク
- マイクの一種。振動板にコイルを巻き、電磁誘導で空気の振動を電気信号に変換する(ムービング・コイル型)。エレキギターのピックアップと似た構造。
- タイム・ストレッチ
- オーディオの時間を伸ばしたり縮めたりする機能。現在はストレッチしても音の高さが変わらないものが多い。
- ダイレクト・モニタリング
- 多くのオーディオ・インターフェースに実装されている機能。パソコンに入力した音が出力されるまでには処理の時間分の遅れが生じるので、オーディオ・インターフェースに入力した音をパソコンを介さずそのまま出力して、遅れなく聴かせる。ボーカルや楽器の録音時に使用する。
- チャンネル(ch)
- 信号経路を数える際の単位。「10chミキサー」には10個の信号が個別に入力できる。
- チャンネル・ストリップ
- ミキサーの1ch分の機能(マイクプリ、EQ、コンプレッサーなど)をまとめたエフェクト。
- →プリアンプ
- →イコライザー
- →コンプレッサー
- →ミキサー
-
1Uのチャンネル・ストリップ「RUPERT NEVE DESIGNS Shelford Channel」
- ツィーター
- 高域の再生を担当するスピーカー・ユニット、またはそのスピーカー。
- ディストーション
- 音のひずみ、または音をひずませるエフェクト。
- ディレイ(エフェクト)
- 入力した音を遅らせることで、エコー効果を得るエフェクト。
- トラック(tr)
- 楽器ごとなど、録音データ上の単位。陸上競技場のトラックのように分割されており、8trであれば8つの楽器が個別に録音できる。
な行
- ノコギリ波
- 基音に対して、n=整数のときに1/nの大きさでn次倍音が加わっている波形。倍音が多く、シンセでは金管楽器の再現やリードなどに使われることが多い。
-
ノコギリ波の波形
は行
- 倍音
- 元の音(基音)の持つ周波数の整数倍の成分のこと。倍音が増すことで音として認知しやすくなる。
- バイアンプ
- 2ウェイのモニター・スピーカーで、ツィーターとウーファーそれぞれに個別のパワー・アンプが用意されていること。ユニットごとに最適化したアンプで駆動できるのがメリット。
- →パワー・アンプ
- →ウェイ
- バウンス
- →書き出し
- 波形
- 音の波を可視化したグラフ。空気の振動として伝わる音(もしくはそれを電気信号に変換したもの)を時間と振幅で表す。DAW上ではオーディオ・データが波形で表され、編集が可能となる。
-
キック(バスドラム)を一発鳴らした波形
- パラメーター
- シンセサイザーやエフェクト、DAWなどの操作子(スライダーやつまみ)で操作する値のこと。
- バランス伝送
- ケーブルでの音声伝送方法の一種。+と−、グラウンド(アース)の3つを使い、+と−で外来ノイズを打ち消し合うことで、低ノイズ化を図ったもの。端子はXLRやTRSフォーンなどが使われる。
- パワー・アンプ
- スピーカー・ユニットを駆動させる=スピーカーから音を出すために、信号を増幅する機材。
- パワード・モニター
- パワー・アンプを搭載したモニター・スピーカー。そのスピーカーに最適化したアンプが用意されているのがメリット。
- ハンドリング・ノイズ
- マイクのボディを握ったときに、その振動がボディから伝わって鳴るノイズのこと。
- ピアノロール
- DAWで打ち込みをする際に基本となる画面。横方向に時間軸、縦方向に音の高さが示される。
- →打ち込み
-
BITWIG Bitwig Studioのピアノロール
- ピッチ
- 音の高さのこと。
- ビット
- →量子化ビット
- ファンタム電源
- コンデンサー・マイクなどの駆動のために、マイク・ケーブルを通じて電源を供給する方法やその装置、機能のこと。48Vのものが多い。
- フィルター(エフェクト)
- 高い音や低い音など、特定の周波数やそれ以上/以下を減衰するエフェクトや回路。シンセサイザーなどの場合、指定した周波数部分を強調するレゾナンスという機能がある。
- フェイザー
- 音の波を少しずつずらすことで、シュワシュワした効果を得るエフェクト。
- フェーダー
- 主に音量をコントロールする操作子。上下方向に動く直線型のものが多いが、横方向やツマミ型のものもある。
- フォーン
- 入出力端子の一つ。ギターに使われているTS型(アンバランス)に対して、バランス伝送できるTRSフォーンと、同じ端子を使ったステレオ・フォーンがある。
-
NEUTRIKの標準フォーン・プラグ。左はTS型のNP2X、右はTRS型のNP3X
- 浮動小数点
- 仮数部と指数部で数値を表す方法。デジタル・オーディオ処理の場合、過度に大きな音量や小さな音量であっても、音の解像度(細かさ)が保たれるというメリットがある。
- プラグイン
- ソフトに新たな機能を付加するソフト。DAWではエフェクトやシンセなどの音源をプラグインとして扱うことができる。
- フランジャー
- 少しずつ遅れた音を加えることで、ジェット音のようにうなる音へと加工するエフェクト。
- プリアンプ
- 増幅回路の一種。マイクの信号をライン・レベルまで増幅するのがマイク・プリアンプ(マイクプリ)。
- フロート
- →浮動小数点
- ポップ・ノイズ
- マイクに息を吹きかけることで生じるノイズ。ポン、ボッという低音になる。吹かれとも呼ぶ。
- ポリフォニック
- シンセサイザーなどで、同時に鳴らすことが可能な音数。1音の場合はモノフォニックと呼ぶ。
ま行
- マイクプリ
- →プリアンプ
- マスタリング
- ミックス済みの音を他の曲と音質や音量をそろえる処理のこと。
- マルチバンド
- エフェクトを低域/中域/高域などの周波数に分割して、それぞれ個別の設定でかけられるもの。
- ミキサー
- 複数の信号をまとめる機材。まとめるだけでなく、分岐したり、任意の出力端子から取り出すことも可能。
-
ミキサー「YAMAHA MG10」(左)と「MACKIE. 802VLZ4」(右)
- ミックス
- 複数のトラックから成る音をミキサーでまとめること。音量や(ステレオの場合左右の)定位、エフェクトでの音質調整が含まれる。ミックス・ダウン、あるいはトラック・ダウン(その略語のTD)と呼ぶことがある。
- モニター/モニタリング
- 演奏や制作中のサウンド、音を聴くこと。音楽制作の場合、色付けの少ないサウンドが求められる。そこから転じて、モニター用スピーカーやヘッドフォンを示す場合もある。
- モデリング
- 実際の機材やパーツ、回路のふるまいを解析して、再現する方法。アナログ回路(電気回路)をデジタル(演算)で再現する場合、アナログ・モデリングと呼ぶことがある。物体の振動や共鳴などを演算で再現する物理モデリング(フィジカル・モデリング)という手法もある。
ら行
- リバーブ
- 実際の空間のような響きを加えるエフェクト。
-
リバーブ プラグイン「IZOTOPE R4」
- リミッター
- 一定の音量を超えないように制限するエフェクト。
- 量子化ビット
- 音をデジタル化する際に、音量で見た細かさ(解像度)を示す単位。CDは16ビット。
- ルーティング
- 接続のこと。特にソフトウェアでは実際のケーブルを使わずに、出力と入力を指定してルーティングを行う。
- ループ
- 繰り返しのこと。リズム・パターンやフレーズなどがループを前提とした素材として販売されている。
- ループバック
- コンピューターからの出力音をオーディオ・インターフェースの入力に戻すこと。これを使うことで、DAWの再生音などを配信に乗せることが可能になる。
わ行
- ワークステーション
- 1台で楽曲制作が行えるように、シンセサイザーやシーケンサー、エフェクターなどの機材をまとめたもの。
-
KORG nautilus
A〜Z
- AAX
- AVID Pro Toolsに対応するプラグイン規格
→プラグイン
- ADコンバーター
- 音の電気信号を、コンピューターなどで扱えるデータにするための回路や装置。
- A/D
- →ADコンバーター
- ADAT
- オプティカル(光)ケーブル1本で最大8chの送信ができる規格。読み方はエーダット。もともとはALESISが開発した8trレコーダーの名称で、その送受信端子として使われたが、単体レコーダーが生産終了した現在も入出力端子として残っている。
-
ANTELOPE AUDIO Discrete 4 Pro Synergy Coreのリア・パネル左側。写真中央上部にADAT入出力がある
- AU
- APPLEが提唱するプラグイン規格。Audio Unitsの略。Mac対応。iOS用のAUもある。
→プラグイン
- DAコンバーター
- コンピューターなどのデータを音に変換する回路や装置のこと。
- D/A
- →DAコンバーター
- DAW
- Digital Audio Workstationの略。1つのソフトや機材で打ち込みや録音、編集、ミックスが行えるもの。
-
PRESONUS Studio One 5
- dB
- デシベル(decibel)。音量を示すときに使われる単位。相対値を示しており、約6dB増えると音量が倍になる。
- DSP
- Digital Signal ProcessorまたはDigital Signal Processingの略。前者は音の処理専用に使われる集積回路(チップ)。後者は音のデジタル処理のこと。
- EQ
- →イコライザー
- Hi-Z端子
- ハイインピーダンス用入力端子。エレキギターやベースなどを直接入力できる。
→インピーダンス -
UNIVERSAL AUDIO Apollo Twin X。手前左にある、ギターのマークがあるのがHi-Z入力端子
- Hz
- ヘルツ。1秒間に何回波を繰り返すかを示す単位で、人間の耳に聴こえる音は20Hz〜20kHz(20,000Hz)と言われている。
- I/O
- 入出力(Input/Output)のこと。オーディオ・インターフェースのことを示す場合も。
→オーディオ・インターフェース
- kHz
- キロヘルツ。Hz(ヘルツ)の1,000倍。サンプリング周波数を示す単位としても使われる。
→Hz
- LFO
- Low Frequency Oscillatorの略。耳に聴こえないほど低い周波数での発振を利用して、一定周期でパラメーターの変化を繰り返すのに使う。
- M4A
- AACまたはApple Losslessの音声データを収納したファイル。APPLEが制定。
- MIDI
- 電子楽器や電子音響機器の演奏やコントロールを記録/伝送するための規格。
→打ち込み
- MIDIエフェクト
- 入力したMIDIデータを加工して、別のMIDIデータに置き換える機能。単音を和音に変換したりできる。
- MS(M/S)
- ステレオの録音/再生方式。中央の成分(Mid)と左右の成分(Side)を扱う。
- PA
- コンサートなどでの音響拡声やそれに関する機器/システム。Public Adress(公衆送信)の略。SR(Sound Reinforcement)とも。
- RCAピン
- 音声の入出力に使う端子の一種。白赤の場合は白がL(左)、赤がR(右)。S/P DIFコアキシャル端子として使われることも。
→S/P DIF
- S/P DIF
- デジタルで音声の入出力を行う規格の一つ。通常2chが扱える。RCAピン端子を用いた「コアキシャル」と、光ファイバー・ケーブルを使う「オプティカル」がある。リスニング用オーディオ機器でも「デジタル入出力端子」としてよく使われる。
- TRS
- →フォーン
- TRRS
- Tip-Ring-Ring-Sleeveの4極フォーン端子。スマートフォンのマイク付きイアフォン用として使われることが多い。
→フォーン
- UAD
- UNIVERSAL AUDIOが提唱する、専用ハードウェアでのDSP処理を用いたプラグインのこと。UAD-2アクセラレーターやオーディオ・インターフェースのApolloシリーズを必要とする。AAX/AU/VST対応。CPUで動作するUADxプラグインも2022年に登場。
→プラグイン
- USBクラス・コンプライアント
- 専用ソフトウェアをインストールしなくても、パソコンやタブレットなどとUSB接続するだけでオーディオやMIDIの伝送が行えること。
- VST
- STEINBERGが提唱するプラグイン規格。Mac/Windows対応。ソフト音源はVSTインストゥルメント(VSTi)と呼ばれる。
- WAV
- 音声データを記録したファイル形式の一つ。Windowsの標準形式。非圧縮。
- XLR
- マイクやミキサーに採用されているコネクターの一種。3ピンのものが多い。
-
NEUTRIKのXLR端子。左のNC3MXX-Bがオス、右のNC3FXX-Bがメス
- XYコントロール
- 横軸と縦軸に別々のパラメーターをアサインし、四角い平面やジョイスティックなどで両方を同時にコントロールする方式。
→パラメーター
- XY方式(ステレオ録音)
- ステレオ収音方法の一つ。2本の単一指向性マイクのカプセルを上から見て重なるように設置し、通常は90°になるよう設定する。
-
ZOOM H6に同梱されているXYマイク・カプセル(XYH-6) XY方式の図
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