知っておくと便利! 音楽制作への理解が深まる基本的な用語を集めました。
あ行
- アカデミック版
- 学生や教育機関の教職員に向けて優待価格で販売しているソフトウェアなどのこと。エデュケーション版とも
- アタック
- 音の立ち上がりのこと。シンセにおいてはノートオン(鍵盤を押す)から音量が最大になるまで、コンプレッサーにおいては入力音量がスレッショルドを超えてからコンプレッション動作が設定値になるまでの時間をアタックタイムと呼ぶ
- アッテネーター
- 信号の大きさを下げる装置。オーディオの場合は過大入力を避けてひずみを避けるために使うことが多い。減衰器
- アルペジエイター
- 和音の構成音を1音ずつパターンで鳴らす機能のこと
- アルペジオ
- 分散和音。ド→ミ→ソのように和音の構成音を同時ではなく順番に演奏すること
- アンプ
- 電気信号を増幅する回路。アンプリファイア(amplifier)の略
- イコライザー
- 周波数帯域ごとに音量を増減をするエフェクト。Equalizerの略としてEQとも呼ぶ
- 位相
- 波形のように周期を繰り返す際に、その周期のどのタイミングかを円運動の度数(0〜360°)で示す値。0°が正相(左下図)、180°が逆相(右下図)。位相ずれや逆相による打ち消し合いは音色変化の原因となる
- インサート
- もとは「差し込む」「挿入する」という意味。指定のポイントから信号を出力し、外部機器などで処理した後、元のポイントに処理済みの信号を戻すこと。ハードウェアのミキサーなどでは、チャンネルのプリアンプの後段にインサートが設けられることが多く、ここにコンプレッサーなどの外部エフェクトを接続する。DAWソフトでは、チャンネルにプラグインをインサートして使うのが基本
- インスタンス
- DAWではプラグインの起動数のこと。同じ種類のプラグインでも10個立ち上げた場合は「10インスタンス」
- インストゥルメント・トラック
- ソフト音源を立ち上げるトラックのこと。トラック上でMIDIデータの打ち込みが行える
- インパルス・レスポンス
- 全周波数帯域の成分を含む一瞬の音(インパルス)を入力した際の挙動を見ること。機材やパーツに通すことでモデリングの元にしたり、空間でインパルスを鳴らして響きを録ることでリバーブの演算に利用したりする。スピーカーの開発時に特性を測定するのにも使用する。実際にはインパルスの代わりに、低い周波数から高い周波数へ移行するスウィープ音を使うことも多い
→モデリング
- インピーダンス
- 交流抵抗。オーディオ機器は入力と出力のインピーダンスがマッチしている前提で設計されているため、極端に異なるインピーダンスの機器を接続すると、意図しない音色変化が得られることがある
- ウーファー
- 低域再生用のスピーカー、またはそのスピーカー・ユニット。高域用はツィーター
- ウェイ(2ウェイ)
- スピーカーにおいて、ユニットが受け持つ再生帯域が幾つあるかを示す言葉。2ウェイはウーファー+ツィーターで構成される
- ウェット成分
- エフェクトを完全に通した音のこと。DRY/WETバランスで原音(ドライ成分)をブレンドできるエフェクトもある。→ドライ成分
- 打ち込み
- 電子楽器を再生するためのデータを記録すること。実際の鍵盤などでの演奏をリアルタイムで記録する以外に、マウスや数値で画面入力していくことができる
- エクスパンション
- “拡張”という意味。ハードウェアやソフトウェアに機能や音色を加える追加ハードウェア/ソフトウェアを示すことが多い
- エデュケーション版
- →アカデミック版
- エントリー・クラス
- 入門用
- エンハンサー
- 倍音を付加することで、音の存在感を増すエフェクト
- Blu-rayやDVDで、動画のほかメニュー画面などを組み合わせ、マスター(元となるディスクやデータ)を作成する作業
- オーディオI/O
- →オーディオ・インターフェース
- オーディオ・インターフェース
- パソコンやタブレットなどに接続して、音の入力/出力を可能にする機材。オーディオI/Oとも
- オーディオ・エンジン
- デジタルオーディオにおいて、音量調整やミキシングなどを司る演算回路やプログラム。ここの精度や設計によって音質や動作の安定性に影響がある
- オートメーション
- 音量の大小やエフェクトの変化などを時間軸上で自動的に動かす機能のこと
- オーバーイア型
- イアパッドが耳全体を覆うようなタイプのヘッドフォン
- オシレーター
- 発振器。シンセサイザーにおいては、発音の元となる波形を生成する。テスト信号を出力する機械としても使用されている
- オンイア型
- 耳の左右から押し付けるようなイアパッドを採用したヘッドフォンのこと
か行
- カーディオイド
- 単一指向性。マイクの正面の音以外を拾いにくい指向性のこと。グラフ化するとハート=心臓(Cardioid)の形に似ていることから
- 書き出し
- 楽曲やその一部を、さまざまな機器で再生できるようにファイル化すること。バウンスとも呼ぶ
- キースイッチ
- 特定の鍵盤を押すことで、奏法や音色などが変わる音源の仕組み。例えばベース音源で、C0を押すと指弾き、D0を押すとピック弾きのように切り替わる
- キャビネット
- スピーカーの箱のこと
- クオンタイズ
- 指定した単位でオーディオやMIDIをそろえる機能。演奏のばらつきを減らすことができる
- 矩形波
- 基音に対して、n=奇数のときに1/nの大きさでn次倍音が加わっている波形。アナログシンセでは木管系のサウンド作りに使われることが多い。スクエア波、方形波
- グライド
- 一つの音から次の音に移るときに、連続的に音の高さが変わること。ポルタメント。譜面上ではスラー
- グリッチ
- 元の意味は「問題、故障」。エラーや故障で生まれるノイズのような音を利用する音楽制作手法やジャンル
- グリル
- マイクのカプセルを包む網のこと。衝撃からの保護や息がかかるのを低減する役割がある
- クロック信号
- デジタル機器の場合、サンプリング周波数(またはその整数倍)のタイミングで、機器内や機器間で信号を受け渡す。その信号の受け渡しのタイミングを司る信号のこと。クロックの精度が低いと、音のにごりやノイズの原因となる
- ゲイン
- 信号の増幅量のこと
- コーラス(エフェクト)
- わずかに高さが異なる音を重ねることで、厚みを出すエフェクト
- コンデンサー・マイク
- マイクの一種。ダイアフラム(振動板)とバックプレートの間に電圧をかける必要がある
→ファンタム電源
- コライト
- 1曲を複数人で制作すること。共同作曲。ビート担当、メロディ担当など、それぞれの得意とするパートを担うことが多い。
- コリレーション・メーター
- 左右の相関を示すメーター。左右が全く同一なら+1側、左右が逆相なら−1側に振れる。+側に大きく振れた場合はモノラルに近いミックス、−側に大きく振れた場合はモノラル再生した際に左右が打ち消し合ってしまう可能性がある
→位相
- コンプレッサー
- 音量の大きな部分を抑え、音量の大小(ダイナミクス)を小さくするエフェクト。音の立ち上がり(アタック)と余韻(リリース)の調整にも使われる
- コンポーネント
- 使用部品
- コンボ端子
- XLRとフォーンのどちらにも対応する入力端子のこと
さ行
- サーカム・オーラル
- →オーバーイア型
- サイド・チェイン入力
- コンプレッサーなどのダイナミクス系エフェクトで、処理する信号とは別に、処理の動作を制御するための信号を別に扱うための入力。例えば上モノ全体のミックスにかけたコンプレッサーに対して、キックの信号をそのコンプレッサーのサイド・チェインへ入力すると、キックのタイミングで上モノの音量が下がることで、キックが強調される。また、サイド・チェインにフィルターでローカットを入れると、コンプがエネルギーの大きな低域へ反応しないため、過剰なコンプレッションを回避しやすくなる
- サイン波
- 倍音成分を持たない音。正弦波
- サチュレーション
- ひずみのこと。明らかにひずんでいると分かるものよりも軽めのひずみを指すことが多い
- サブミックス
- 楽曲全体をまとめる前に、ドラムだけ、シンセだけといった具合に任意のトラックだけをまとめること
- サンプラー
- 実際の音を楽器のように演奏できる機材。現在はソフト化されているものが多い
- サンプル
- オーディオ素材データのこと。DAWで録音したデータはサンプルとして扱え、サンプラーなどで演奏することができる。またサンプルをオーディオトラックに並べてリズムパターンを作ることも可能
- サンプリング周波数
- 音をデジタル化する際の、時間軸上の細かさ。CDでは44.1kHz だが、これは1秒間に44,100回デジタル化しているという意味
- シーケンス
- 打ち込んだ演奏情報やその連なりのこと
→打ち込み
- GUI(じーゆーあい)
- Graphical User Interfaceの略。画面のグラフィックデザインとマウスの動きや画面タッチでコンピューターの操作を行う方式のこと。近年のコンピューターの多くはOSがGUIを採用しているため、単にUIと呼ぶことも多い。音楽制作ソフトなどでは、ひと目で全体の構造や現在の設定が分かる視認性が重視される
- 周波数特性
- 低い音から高い音まで、どこからどこまでを入力/再生できるかを示すスペック
- ショック・マウント
- マイクに振動が伝わらないようにするための機構やホルダー・アクセサリー
- スーパー・カーディオイド
- 超指向性。マイク正面の音を拾うが、カーディオイド(単一指向性)より収音範囲が狭い
- スクラッチ
- DJが手でレコードをこすって鳴らすターンテーブル奏法
- スケール
- 音の並び方、音階。Cメジャー・スケールは「ドレミファソラシド」
- スタッター
- 音を切り刻み、リズミカルに鳴らしたり加工することで全く違った効果を生み出すエフェクト
- スタンドアローン
- パソコン上でアプリケーションとして単体で立ち上がるソフトウェアのこと
→プラグイン
- ステップ・シーケンサー
- 音の高さや長さなどのパラメーターを指定した「ステップ」を並べてフレーズやリズムパターンを作るシーケンサー。ステップ数に限りがあるため、フレーズの繰り返し(ループ)の再生に適する。モデルによっては逆再生なども可能。リアルタイムに値を操作して「演奏」するのにも適している
→シーケンサー
- ストリングス
- バイオリン、ビオラ、チェロなど、バイオリン属の楽器の総称
- ステレオ・イメージャー
- 音の広がりをコントロールするエフェクトのこと
- ステム・ミックス
- 楽曲全体ではなくパート単位などでまとめたものを曲の頭からファイルに書き出したもの。ステム・ミックスのファイルをすべて並べて再生すると、完成ミックスと同じものとなる。完成ミックスのファイルよりも、「ドラム全体を少し小さくする」といった処理がしやすくなる。ファイル化しないサブミックスのことを示す場合もある
→サブミックス
- ストンプボックス
- ペダル型エフェクターのこと
- スペクトラム
- 周波数スペクトラム。波形が音の波を時間軸で示したものに対して、音の周波数分布をグラフィカルに表示したもの。スペクトルとも
- スライス
- オーディオデータ(サンプル)を切り分けること。あるいは切り分けたサンプルのこと。任意の場所で手動でスライスするほか、ハードやソフトの機能で一定間隔で等分したり、音の立ち上がりで自動的に切り分けたりすることができる
- センド
- あるチャンネルから信号を分岐して他のチャンネルや外部機器へ信号を送ること。またはその仕組みやチャンネル、出力端子のこと。フェーダー前に分岐する「プリフェーダー」とフェーダー後に分岐する「ポストフェーダー」がある。プリフェーダーは、メインのフェーダーと別のバランスを作ることができるため、PAでモニターへ送るために使われることが多い。また、ポストフェーダーはフェーダーでの音量増減に連動するので、リバーブやディレイなどエフェクトへの信号送りに使われることが多い
- ソフト・シンセ
- シンセサイザーをソフトウェア化したもの。プラグインであるものが多い
- →プラグイン
た行
- ダイアフラム
- マイクやヘッドフォンの振動板
- ダイナミック・マイク
- マイクの一種。振動板にコイルを巻き、電磁誘導で空気の振動を電気信号に変換する(ムービング・コイル型)。エレキギターのピックアップと似た構造
- ダイナミック・レンジ
- 音の最大と最小の差やその再現能力のこと
- タイム・ストレッチ
- オーディオの時間を伸ばしたり縮めたりする機能。現在はストレッチしても音の高さが変わらないものが多い
- ダイレクト・モニタリング
- 多くのオーディオ・インターフェースに実装されている機能。パソコンに入力した音が出力されるまでには処理の時間分の遅れが生じるので、オーディオ・インターフェースに入力した音をパソコンを介さずそのまま出力して、遅れなく聴かせる。ボーカルや楽器の録音時に使用する
- タッチ・ノイズ
- マイクに触れたときにその振動がカプセルに伝わって発生するノイズ
- チャンネル(ch)
- 信号経路を数える際の単位。「10chミキサー」には10個の信号が個別に入力できる
- チョップ
- →スライス
- ツィーター
- 高域の再生を担当するスピーカー・ユニット、またはそのスピーカー
- ディストーション
- 音のひずみ、または音をひずませるエフェクト
- ディップ
- 凹みのこと。周波数特性において凹んでいる帯域のこと
- ディレイ(エフェクト)
- 入力した音を遅らせることで、エコー効果を得るエフェクト
- デュアルADコンバーター
- ゲイン設定の異なるADコンバーター回路を2基組み合わせることで、大音量でのひずみを回避したり、小音量でのノイズ抑制をする仕組みのこと
- →ADコンバーター
- →ゲイン
- →浮動小数点
- テンション
- コードに加える、4和音の構成音以外の音。9th(9♭、9、9♯)、11th(11、11♯)、13th(13♭、13)
- ドライ成分
- エフェクトがかかっていない原音のこと。
→ウェット成分
- ドライバー
- スピーカーやヘッドフォンで、電気信号を音(空気振動)に変換するユニットのこと
- トラック(tr)
- 楽器ごとなど、録音データ上の単位。陸上競技場のトラックのように分割されており、8trであれば8つの楽器が個別に録音できる
- トラップ
- ヒップホップのサブジャンルの一つ。ダブステップの要素を取り入れ、低域を強調したサウンドを特徴とする。カーディ・B、ミーゴス、ポスト・マローン、トラヴィス・スコットなどが代表的なアーティスト
- トランス
- コイルを用いた変圧器のこと。機器の電源回路やアンプ(増幅)回路に用いられる。トランスの特性がサウンドに影響を与えることが多い
- トランジェント・レスポンス
- 急峻な音の立ち上がりに対して、スピーカーなどがどれだけ正確にそれを再生できるかという反応特性。
- トランスポート
- DAWやレコーダーにおいて、再生/停止/早送り/早戻し/録音開始などを制御する部分のこと
- トランスペアレント
- 透明感のある、不要な色付けをしない、という意味
→トランス
な行
- ニアフィールド・モニター
- 比較的近い距離で再生することを想定したモニター・スピーカー。スタジオのミキシング・コンソールのメーター・ブリッジくらいの位置に設置するものを想定している
- ノコギリ波
- 基音に対して、n=整数のときに1/nの大きさでn次倍音が加わっている波形。倍音が多く、シンセでは金管楽器の再現やリードなどに使われることが多い
は行
- 倍音
- 元の音(基音)の持つ周波数の整数倍の成分のこと。倍音が増すことで音として認知しやすくなる
- バイアンプ
- 2ウェイのモニター・スピーカーで、ツィーターとウーファーそれぞれに個別のパワー・アンプが用意されていること。ユニットごとに最適化したアンプで駆動できるのがメリット。
- →パワー・アンプ
- →ウェイ
- ハイパス・フィルター
- 高域を通す=低域をカットするフィルター。ローカット・フィルターとも
- バウンス
- →書き出し
- ハウジング
- ヘッドフォンでドライバー(スピーカー)を収めたカップ部分のこと
- ハウリング
- スピーカーから出力した信号がマイクに入力されることで起こる共振。英語ではfeedbackと呼ぶことが多い
- 波形
- 音の波を可視化したグラフ。空気の振動として伝わる音(もしくはそれを電気信号に変換したもの)を時間と振幅で表す。DAW上ではオーディオ・データが波形で表され、編集が可能となる
- バスレフ(バスレフ方式)
- スピーカーのキャビネットにポートを設けることで、共鳴を利用して低域を増強する方式のこと
- パッシブ・ラジエーター
- 電気的に接続されていないスピーカー・ユニット。キャビネット内の空気振動によって駆動し、低域を増強する役割を果たす
- パッチング
- 結線のこと。機材同士を配線すること。ソフトウェア内で仮想的に行う場合も
- パラアウト
- 分岐して出力すること。同じ信号を分岐して出力することを示す場合もあれば、例えばリズムマシンでキック、スネア、ハイハットなどを独立して取り出す場合を示すこともある
- パラメーター
- シンセサイザーやエフェクト、DAWなどの操作子(スライダーやつまみ)で操作する値のこと
- バランス伝送
- ケーブルでの音声伝送方法の一種。+と−、グラウンド(アース)の3つを使い、+と−で外来ノイズを打ち消し合うことで、低ノイズ化を図ったもの。端子はXLRやTRSフォーンなどが使われる
- バランス・ケーブル
- バランス接続用のケーブル
- パワー・アンプ
- スピーカー・ユニットを駆動させる=スピーカーから音を出すために、信号を増幅する機材
- パワード・モニター
- パワー・アンプを内蔵したモニター用スピーカーのこと。スピーカーに適したアンプを搭載しているため、スピーカーとアンプの相性を考慮しなくてよいのがメリット。電源の接続が必要となる点に注意
- パン
- ステレオの場合、その音が左右のどこに定位するかを決めるパラメーター(ノブ、スライダーなど)。サラウンドの場合は水平面、イマーシブ・オーディオの場合は上下方向にも加わる
- ハンドリング・ノイズ
- マイクのボディを握ったときに、その振動がボディから伝わって鳴るノイズのこと
- ハンマー・アクション鍵盤
- アコースティックピアノの鍵盤のタッチに近づけるために、ピアノのハンマーが打弦する機構を取り入れた電子ピアノ/キーボードの鍵盤のこと
- ピアノロール
- DAWで打ち込みをする際に基本となる画面。横方向に時間軸、縦方向に音の高さが示される
- →打ち込み
- ピーク
- 瞬間的または部分的に音量の大きな部分
- ビート・メイカー
- ビートを作る人。クラブミュージックでは、トラック(歌以外の音楽)の中でビートが占める割合が大きいので、ビートメーカー=曲を作る人、という意味で使われることが多い。一方、最近では分業化が進み、ビート(ドラムに相当するリズム)のみを作る場合もある。
- 歪み(ひずみ)
- 音声波形の入力と出力で波形の形状が変わること。倍音成分が増えるため音色が変わる
- ピッチ
- 音の高さのこと
- ビット
- →量子化ビット
- ファンタム電源
- コンデンサー・マイクなどの駆動のために、マイク・ケーブルを通じて電源を供給する方法やその装置、機能のこと。48Vのものが多い
- フィードフォワード
- 現代的なコンプレッサーに多く用いられている検出回路の方式。VCAなどのコンプレッサー動作回路の前段で信号を分岐し、音量検出を行う
- フィルター(エフェクト)
- 高い音や低い音など、特定の周波数やそれ以上/以下を減衰するエフェクトや回路。シンセサイザーなどの場合、指定した周波数部分を強調するレゾナンスという機能がある
- フィンガー・ドラマー
- パッドなどを使って電子音やサンプルのドラム音などを指で生演奏する人のこと
- ブースト
- 音量を持ち上げること。EQでは指定したバンドの音量を持ち上げること
- フェイザー
- 音の波を少しずつずらすことで、シュワシュワした効果を得るエフェクト
- フェーダー
- 主に音量をコントロールする操作子。上下方向に動く直線型のものが多いが、横方向やツマミ型のものもある
- フォーン
- 入出力端子の一つ。ギターに使われているTS型(アンバランス)に対して、バランス伝送できるTRSフォーンと、同じ端子を使ったステレオ・フォーンがある
- フォルマント
- 人間の声の周波数特性、周囲よりも大きな周波数帯域のこと。その特性をまねたフォルマント・フィルターを通過した音は、声(母音)のように聴かせることができる
- 浮動小数点
- 仮数部と指数部で数値を表す方法。デジタル・オーディオ処理の場合、過度に大きな音量や小さな音量であっても、音の解像度(細かさ)が保たれるというメリットがある
- ブラス
- トランペット、トロンボーン、ホルン、チューバ、ユーフォニアムのような金管楽器のこと。管体が主に真鍮(ブラス)で作られることに由来するが、発音原理はマウスピースでの奏者の唇の振動による。従って管体がブラス製であってもサックス(サクソフォーン)は金管楽器ではなく木管楽器に属する
- プラグイン
- ソフトに新たな機能を付加するソフト。DAWではエフェクトやシンセなどの音源をプラグインとして扱うことができる
- フラグシップ
- そのブランドや製品シリーズの最上位の製品のこと。元の意味は「旗艦」
- フランジャー
- 少しずつ遅れた音を加えることで、ジェット音のようにうなる音へと加工するエフェクト
- プリアンプ
- 増幅回路の一種。マイクの信号をライン・レベルまで増幅するのがマイク・プリアンプ(マイクプリ)
- プリセット
- 前もって用意された設定、の意。シンセや音源では音色、エフェクトでは設定がプリセットとして用意される
- フロート
- →浮動小数点
- ベロシティ
- 鍵盤やパッドを押す速さ=強さ。MIDIでは0〜127の128段階で表現される
- ボイシング
- 和音(コード)の構成音の並び順。例えば、Amコードの構成音はラ、ド、ミであるが、ギターのローコードにおいては低音弦側から(ミ、)ラ、ミ、ラ、ド、ミというボイシングになっている。構成音の間隔が狭いものをクローズド・ボイシング、広いものをオープン・ボイシングと呼ぶ
- ポータビリティ
- 可搬性。持ち運びのしやすさ
- ボコーダー
- エフェクターやシンセサイザーの一種。ボコーダーのキャリアに楽器音、モジュレーターに声を入力すると、バンドパス・フィルターで声の周波数特性を再現し、キャリアへの入力音がそのフィルターを通過することで、楽器がしゃべったり歌っているような音になる、というのが一般的な使い方
- ポップ・ノイズ
- マイクに息を吹きかけることで生じるノイズ。ポン、ボッという低音になる。吹かれとも呼ぶ
- ポリフォニック
- シンセサイザーなどで、同時に鳴らすことが可能な音数。1音の場合はモノフォニックと呼ぶ
- ポン出し
- タイミングに合わせて、パッドやスイッチで効果音などを再生すること
ま行
- マイキング
- マイクを向ける方向や位置を調整すること。マイクアレンジ、マイクアレンジメントとも
- マイクプリ
- →プリアンプ
- マッチド・ペア・マイク
- 特性がそろっているため、2本でステレオで使用できるマイクのこと。同じ種類のマイクでも、特に特性のそろったものがペア販売されることがある
- マスタリング
- ミックス済みの音を他の曲と音質や音量をそろえる処理のこと
- マルチバンド
- エフェクトを低域/中域/高域などの周波数に分割して、それぞれ個別の設定でかけられるもの
- ミキサー
- 複数の信号をまとめる機材。まとめるだけでなく、分岐したり、任意の出力端子から取り出すことも可能
- ミックス
- 複数のトラックから成る音をミキサーでまとめること。音量や(ステレオの場合左右の)定位、エフェクトでの音質調整が含まれる。ミックス・ダウン、あるいはトラック・ダウン(その略語のTD)と呼ぶことがある
- ミュート
- 音の入力/出力を止めること
- ムービング・フェーダー
- →モーター・フェーダー
- モーター・フェーダー
- 設定を呼び出した際、モーターの力で指定の位置に動くフェーダーのこと。特にデジタルミキサーなどでは、フェーダーに任意のチャンネルを呼び出すことが多く、ミキサー内の設定と実際のフェーダー位置とを合わせるために使われる
→フェーダー
- モニター/モニタリング
- 演奏や制作中のサウンド、音を聴くこと。音楽制作の場合、色付けの少ないサウンドが求められる。そこから転じて、モニター用スピーカーやヘッドフォンを示す場合もある
- モデリング
- 実際の機材やパーツ、回路のふるまいを解析して、再現する方法。アナログ回路(電気回路)をデジタル(演算)で再現する場合、アナログ・モデリングと呼ぶことがある。物体の振動や共鳴などを演算で再現する物理モデリング(フィジカル・モデリング)という手法もある
ら行
- ラウドネス
- 音量の指標の一つ。人間の聴覚特性に合わせ、低域の感度は低いなどの帯域調整が行われている。放送やゲーム、動画/音楽配信などはそれぞれ規定のラウドネス値に基づく音量補正が行われており、それを超えるものは自動的に下げて、番組やソフト、曲によって再生音量にバラツキがないようにしている
- ラウンドロビン
- サンプルを用いた音源において、同じ鍵盤の音を繰り返し押さえたときに、違うサンプルを再生する機能のこと。同じサンプル=全く同じ音が繰り返し鳴ることでの違和感を解消するための機能で、主に生楽器系の音源で採用されている
- リアンプ
- ライン録音したギターやベースの音をアンプから出力し、マイクで再録音する手法。録音後にアンプの選択や設定変更、マイクの選択などが行える。アンプのマイク録音だけでなく、ペダル・エフェクターなどへ出力して再録音することも「リアンプ」と呼ぶことがある。通常、オーディオ・インターフェースなどからの出力はライン・レベルであるため、ギターやベースの出力よりも大きく、インピーダンスも異なるので、アンプへの入力前に「リアンプ・ボックス」と呼ばれる機器を通すことが多いが、リアンプ用出力を備えたオーディオ・インターフェースも増えてきた
- リターン
- センドしたエフェクトからの信号を戻す専用入力チャンネルのこと。DAW内部の場合はAUX入力をリターンとして扱うことが多い。またハードウェアのミキサーの場合、リターンを追加の外部入力として使うこともできる
- リップ・ノイズ
- ボーカルやラップなどで、唇の開閉によって生じる「プチ」というノイズ
- リバース
- 「反転」のこと。音楽制作では、オーディオ波形を反転させて、逆順に再生することを示す場合が多い。例えばシンバルの波形をリバースすると、小さい音からだんだんおおきくなっていく
- リバーブ
- 実際の空間のような響きを加えるエフェクト
- リミッター
- 一定の音量を超えないように制限するエフェクト
- 量子化ビット
- 音をデジタル化する際に、音量で見た細かさ(解像度)を示す単位。CDは16ビット
- リリース
- 音の余韻部分のこと。シンセにおいてはノートオフ(鍵盤を離す)から音量が0になるまで、コンプレッサーにおいては入力音量がスレッショルド以下になってからコンプレッション動作が解除されるまでの時間をリリースタイムと呼ぶ
- ルーティング
- 接続のこと。特にソフトウェアでは実際のケーブルを使わずに、出力と入力を指定してルーティングを行う
- ループ
- 繰り返しのこと。リズム・パターンやフレーズなどがループを前提とした素材として販売されている
- ループバック
- コンピューターからの出力音をオーディオ・インターフェースの入力に戻すこと。これを使うことで、DAWの再生音などを配信に乗せることが可能になる
- レイテンシー
- 信号の遅れのこと
- ローファイ
- もともとはLow Fidelityを略して「Lo-Fi」。Fidelityとは「忠実度」「再現度」という意味で、元のサウンドに対して機器の性能限界などで劣化している音を示す。ロックやヒップホップではあえてローファイな音を狙うことも多い。対義語は「ハイファイ」
わ行
- ワークステーション
- 1台で楽曲制作が行えるように、シンセサイザーやシーケンサー、エフェクターなどの機材をまとめたもの
A〜Z
- AAX
- AVID Pro Toolsに対応するプラグイン規格
→プラグイン
- ADコンバーター
- 音の電気信号を、コンピューターなどで扱えるデータにするための回路や装置
- A/D
- →ADコンバーター
- ADAT
- オプティカル(光)ケーブル1本で最大8chの送信ができる規格。読み方はエーダット。もともとはALESISが開発した8trレコーダーの名称で、その送受信端子として使われたが、単体レコーダーが生産終了した現在も入出力端子として残っている
- ASIO
- STREINBERGが制定したオーディオドライバー。現在はWindowsで使われており、OS標準のオーディオドライバーよりもレイテンシーが少なく、マルチチャンネルで高ビット/高サンプリングレートの音声が扱えるため、DTMや音楽制作では標準的なオーディオドライバーとして使われ、多くのオーディオ・インターフェースが対応する
- AU
- APPLEが提唱するプラグイン規格。Audio Unitsの略。Mac対応。iOS用のAUもある
→プラグイン
- DAコンバーター
- コンピューターなどのデータを音に変換する回路や装置のこと
- D/A
- →DAコンバーター
- DAW
- Digital Audio Workstationの略。1つのソフトや機材で打ち込みや録音、編集、ミックスが行えるもの
- dB
- デシベル(decibel)。音量を示すときに使われる単位。相対値を示しており、約6dB増えると音量が倍になる
- DSP
- Digital Signal ProcessorまたはDigital Signal Processingの略。前者は音の処理専用に使われる集積回路(チップ)。後者は音のデジタル処理のこと
- DTM
- DeskTop Musicの略。コンピューターを使った音楽制作全般のことを示す場合が多い
- EQ
- →イコライザー
- Hi-Z端子
- ハイインピーダンス用入力端子。エレキギターやベースなどを直接入力できる
→インピーダンス
- Hz
- ヘルツ。1秒間に何回波を繰り返すかを示す単位で、人間の耳に聴こえる音は20Hz〜20kHz(20,000Hz)と言われている
- I/O
- 入出力(Input/Output)のこと。オーディオ・インターフェースのことを示す場合も
→オーディオ・インターフェース
- kHz
- キロヘルツ。Hz(ヘルツ)の1,000倍。サンプリング周波数を示す単位としても使われる
→Hz
- LFO
- Low Frequency Oscillatorの略。耳に聴こえないほど低い周波数での発振を利用して、一定周期でパラメーターの変化を繰り返すのに使う
- M4A
- AACまたはApple Losslessの音声データを収納したファイル。APPLEが制定
- MIDI
- 電子楽器や電子音響機器の演奏やコントロールを記録/伝送するための規格
→打ち込み
- MIDIエフェクト
- 入力したMIDIデータを加工して、別のMIDIデータに置き換える機能。単音を和音に変換したりできる
- MS(M/S)
- ステレオの録音/再生方式。L/Rの和(Mid)とL/Rの差(Side)を扱う。マイク録音の場合は、Midに単一指向性マイク、Sideにそれと直角に交わる双指向性マイクを立てM+S、M-Sの組み合わせからL/R信号を抽出する
- PA
- コンサートなどでの音響拡声やそれに関する機器/システム。Public Adress(公衆送信)の略。SR(Sound Reinforcement)とも
- RCAピン
- 音声の入出力に使う端子の一種。白赤の場合は白がL(左)、赤がR(右)。S/P DIFコアキシャル端子として使われることも
→S/P DIF
- S/P DIF
- デジタルで音声の入出力を行う規格の一つ。通常2chが扱える。RCAピン端子を用いた「コアキシャル」と、光ファイバー・ケーブルを使う「オプティカル」がある。リスニング用オーディオ機器でも「デジタル入出力端子」としてよく使われる
- TRS
- →フォーン
- TRRS
- Tip-Ring-Ring-Sleeveの4極フォーン端子。スマートフォンのマイク付きイアフォン用として使われることが多い
→フォーン
- UAD
- UNIVERSAL AUDIOが提唱する、専用ハードウェアでのDSP処理を用いたプラグインのこと。UAD-2アクセラレーターやオーディオ・インターフェースのApolloシリーズを必要とする。AAX/AU/VST対応。CPUで動作するUADxプラグインも2022年に登場
→プラグイン
- USBクラス・コンプライアント
- 専用ソフトウェアをインストールしなくても、パソコンやタブレットなどとUSB接続するだけでオーディオやMIDIの伝送が行えること
- VST
- STEINBERGが提唱するプラグイン規格。Mac/Windows対応。ソフト音源はVSTインストゥルメント(VSTi)と呼ばれる
- WAV
- 音声データを記録したファイル形式の一つ。Windowsの標準形式。非圧縮
- XLR
- マイクやミキサーに採用されているコネクターの一種。3ピンのものが多い
- XYコントロール
- 横軸と縦軸に別々のパラメーターをアサインし、四角い平面やジョイスティックなどで両方を同時にコントロールする方式
→パラメーター
- XY方式(ステレオ録音)
- ステレオ収音方法の一つ。2本の単一指向性マイクのカプセルを上から見て重なるように設置し、通常は90°になるよう設定する
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