コラム
高橋健太郎 1962年6月6日のセッションとデビュー直前のピート・ベストの解雇 アビイ・ロードのスタジオ2は、レコーディング・ブースのワンフロア上にコントロール・ルームが設置されていた。レコーディング・ブースからコントロール・ルームへ入るには木…
ウクライナの電子音楽シーンが支援を求める声明を公開 もう約2カ月間、世界を震撼させているウクライナの惨劇。ベルリンに居ると地理的な近さのみならず、特にクラブ・カルチャーにかかわっている者は相互交流が盛んなため、非常に身近な問題に感じる。事実…
原 雅明 オランダのプロデューサー、ジェイムスズーの『Blind』が、フライング・ロータスのレーベルBrainfeederからリリースされた。デビュー作『Fool』(2016年)、オランダのメトロポール・オーケストラとのコラボ作『Melkweg』(2019年)に続くアルバムで…
連載ももうすぐ2年になろうとしています。スタジオは相変わらずブラッシュアップを続け、止まっていたサウンド・スクリーンの設置も動き出しました。完成しないと連載が終われないので、近況報告をしようと思います。 古賀健一 M1 Mac+Logic ProでApple Mu…
細井美裕 開放型ヘッドフォンで外音を取り込み上下&センターの定位はスピーカーで補完 『ON PAROLE』@御茶ノ水RITTOR BASE、終了しましたが波乱の幕開けでした。詳しくはまだお伝えできないのですが、通常の作り方とは全く違う手法で制作しているため、1日…
今月は千葉県にお住まいの、MARIN.さんのお部屋をオンライン訪問。黒色の機材が並ぶ中、カラフルなモコモコパジャマが映えていますね! 祐天寺浩美 どもども、今回もサクッと本題へ行きます。今月の出場者はMARIN.(24)さん……む、何か今の編集担当になって…
高橋健太郎 EMIスタジオで行われた初録音はオーディションだったのか? ジョージ・マーティンの招きで、ザ・ビートルズが最初にアビイ・ロードのEMIスタジオに足を踏み入れたのは、1962年6月6日だったとされる。デッカ・スタジオでのセッションと同じよう…
第一線で活躍するエンジニアに毎月お薦めの新作を語ってもらう本コーナー。Nagie氏の今月のセレクトは、ブラケンス『cbd』、ジェイムスズー『Blind』です。 Nagie 若い才能による歌を軸にしたビート ブラケンス『cbd』 ブラケンスは現在21歳で、3年前にデビ…
ケーブルを意識せずに済み、音に深く没頭できる ベルリンの電子音楽界でも常に最新のテクノロジーに敏感なアーティスト、リッチー・ホウティン。彼が開発に携わった音楽制作者向けのロスレスなワイアレス・ヘッドフォンTMA-2 Studio Wireless+が発売され、一…
第一線で活躍するエンジニアに毎月お薦めの新作を語ってもらう本コーナー。今本 修氏の今月のセレクトは、メトロノミー『SMALL WORLD』、ビッグ・シーフ『Dragon New Warm Mountain I Believe in You』です。 今本 修 メロディやアレンジに特化した作品 メト…
原 雅明 近年、ギターを軸にした音楽を聴く機会が増えたと感じている。ギタリストやギターに特別に関心を持って聴いていたからではなく、自分が引かれる音楽にギターが使われていることが多いと気が付いたのだ。笹久保伸の音楽も、その一つである。クラシッ…
第一線で活躍するエンジニアに毎月お薦めの新作を語ってもらう本コーナー。小泉由香氏の今月のセレクトは、レディ・ブラックバード『Black Acid Soul』、V.A.『シング:ネクストステージ - オリジナル・サウンドトラック』です。 小泉由香 シンプルながらメ…
最大128trのDolby Atmos音声は、どのような形になってリスナーの耳に届くのか? 音を作って“はい、終わり”ではなく、きちんと理解したいと思っていました。しかし、中間ファイルを扱うレコーディング・エンジニアという職業のため、正直、この辺りの最終コー…
第一線で活躍するエンジニアに毎月お薦めの新作を語ってもらう本コーナー。D.O.I.氏の今月のセレクトは、ファイヴィオ・フォーリン『City of Gods』、ヤング・カヨ『DFTK』です。 D.O.I. ドリル・ミュージックの中で光る個性 ファイヴィオ・フォーリン『City…
塩塚モエカがハンドヘルド・マイクを試して語る連載、最終回! Text:Mizuki Sikano Photo:Chika Suzuki Illustration:Hiromi Mizoguchi Hair & Make:kika 塩塚モエカです。ついにこの連載も最終回を迎えました。うわ〜ん。半年間、たくさんの発見をあり…
細井美裕 空間を演奏する「Sound Mine」やソニーの立体音響体験から構想が開始 2019年に構想開始、以降制作を続けてきた新プロジェクト「ON PAROLE」がついに3月18~21日、御茶ノ水RITTOR BASEにて一般公開されます。ヘッドフォンとスピーカー両方を使った…
今月は大阪府大阪市東淀川区にお住まいの、アツムワンダフルさんのお部屋をオンライン訪問。STEINBERGER Synapseを筆頭に、多数のギターが並ぶ空間です! 祐天寺浩美 さて、今回は個人的に結構でかいエピソードがあったので、前置き無しです! 今月の出場者…
高橋健太郎 デッカに“落ちた”ザ・ビートルズがパーロフォンと契約に至るまで デッカ・レコードのオーディションのために、ザ・ビートルズはバンに楽器を積み込み、1961年の大晦日、吹雪の悪天候の中をリバプールからロンドンまで車移動した。しかし、翌日の…
ボイコットを呼びかける動きが相当な広がりを見せ始めた 前号の本コラムで、ドイツのレーベルとアーティストがSpotify CEOの軍事産業への投資に抗議し、同プラットフォームから楽曲を引き上げたことを紹介した。するとどうだろう、そのちょうど1カ月後に、…
第一線で活躍するエンジニアに毎月お薦めの新作を語ってもらう本コーナー。Nagie氏の今月のセレクトは、セガ・ボデガ『Romeo』、V.A.『Artificial Intelligence Vol. I ~ VVAA』です。 Nagie 創造性にあふれるボーカルのエフェクト処理 セガ・ボデガ『Romeo』…
原 雅明 イスラエル出身のトランペット奏者、アヴィシャイ・コーエンのニュー・アルバム『Naked Truth』がリリースとなる。長年ニューヨークのジャズ・シーンの最前線で活動を続け、近年はイスラエルに戻ってECMからリリースを重ねてきた。前作『Big Vicious…
第一線で活躍するエンジニアに毎月お薦めの新作を語ってもらう本コーナー。今本 修氏の今月のセレクトは、V.A.『Arcane League of Legends(Soundtrack from the Animated Series)』、アーケイン『Arcane League of Legends(Original Score From Act 1 of …
前回から、だいぶ360 Reality Audioの知識が付いてきました。そのワークフローと、Dolby Atmosから5.1chへのダウン・ミックスに挑戦した話を書いてみます。 古賀健一 360 Reality Audio用にボトム・スピーカーを5ch化 まず360 Reality Audioの話。スピーカー…
第一線で活躍するエンジニアに毎月お薦めの新作を語ってもらう本コーナー。小泉由香氏の今月のセレクトは、ウエストライフ『ワイルド・ドリームズ』、コモン『A BEAUTIFUL REVOLUTION PT 2』です。 小泉由香 バランスが良い王道のグループ・ポップス ウエス…
細井美裕 吸音のタイミングを指数関数的にコントロール。ハッとする瞬間を作ることを目指す ついに島入り! 設営はまさかの豪雨始まりでした。ただ、豪雨のおかげで観光の方はおらずフェリーは貸切、ゆっくり積み込みと荷下ろしができました(豪雨明けの日は…
第一線で活躍するエンジニアに毎月お薦めの新作を語ってもらう本コーナー。D.O.I.氏の今月のセレクトは、FKAツイッグス『カプリソングス』、ザ・ウィークエンド『Dawn FM』です。 D.O.I. 流行を意識していない独自性 FKAツイッグス『カプリソングス』(ワー…
塩塚モエカがハンドヘルド・マイクを試して語る連載、第5回目! Text:Mizuki Sikano Photo:Chika Suzuki Illustration:Hiromi Mizoguchi Hair & Make:kika 塩塚モエカです。冬も大本番、暖かく過ごせてますか〜。 今回研究するのは、NEUMANN KMS105。赤…
今月は福島県西白河郡にお住まいのアングリーアイさんのお部屋をオンライン訪問。防音対策がされていて、トロンボーンの録音などにも対応したスタジオです! 祐天寺浩美 3月号なのにぃー、書いているの2022年の正月明けー、雑誌あるあるー!! てなわけで、明…
高橋健太郎 テープ・ループとブレイクビーツ テープ・ループという手法自体は、マイルス・デイビスの『ビッチェズ・ブリュー』がリリースされた1970年には、決して新しいものではなかった。 ヨーロッパの電子音楽やミュージック・コンクレートの中では、1950…
こんにちは、HATAKENです。モジュラー・シンセの魅力を掘り下げてきたPatch The World For Peaceは、今月で終了となります。2年間ご愛読、応援してくださりありがとうございました! アーカイブはWebサイト『サンレコ』に残りますので、今後もお役立てくださ…
インディペンデント・レーベルが起こしたアクション ドイツのミュンヘンを拠点にする兄弟ユニット、ゼンカー・ブラザーズが運営するレーベルIlian Tape。いわゆる4つ打ちのストレートなテクノでは物足りなくなったDJやクラブ・ミュージックのリスナーたちに…
第一線で活躍するエンジニアに毎月お薦めの新作を語ってもらう本コーナー。Nagie氏の今月のセレクトは、セイント・ヴィンセント『Pay Your Way In Pain(IDLES Remix)』、ジョックストラップ『50/50』です。 Nagie 曲構成も素晴らしいエレクトロ・ミュージ…
第一線で活躍するエンジニアに毎月お薦めの新作を語ってもらう本コーナー。今本 修氏の今月のセレクトは、オキェレマ・アサンテ『DRUM MESSAGE』、ナサニエル・レイトリフ・アンド・ザ・ナイト・スウェッツ『The Future』です。 今本 修 トライバルなパーカ…
第一線で活躍するエンジニアに毎月お薦めの新作を語ってもらう本コーナー。小泉由香氏の今月のセレクトは、シルク・ソニック『アン・イヴニング・ウィズ・シルク・ソニック』、ロバート・プラント&アリソン・クラウス『Raise The Roof』です。 小泉由香 録…
原 雅明 タイニー・デスク・コンサートで音楽ファンに広く知られるようになったアメリカ公共ラジオ局のナショナル・パブリック・ラジオ(NPR)のサイトが、“2021年のジャズの物語”という特集を組み、批評家たちによるこの1年を振り返る原稿を掲載した。そこ…
塩塚モエカがハンドヘルド・マイクを試して語る連載、第4回目! Text:Mizuki Sikano Photo:Chika Suzuki Illustration:Hiromi Mizoguchi Hair & Make:kika 2022年が始まりましたね。新年の目標は、筋肉を付けて、タフな女になることです。バンドではア…
第一線で活躍するエンジニアに毎月お薦めの新作を語ってもらう本コーナー。D.O.I.氏の今月のセレクトは、アンダースコアズ『boneyard aka fearmonger』、ランシー・フー『LIVE.EVIL』です。 D.O.I. アイディアがふんだんに詰まった面白さ アンダースコアズ『…
2022年になりました。新年一発目はSONY 360 Reality Audioについて書く予定でしたが、まだ自分の知識が追いつかず、読者の方々に正しい情報を提供できないと判断し、その途中経過と最近のスタジオ・ブラッシュアップ模様を書いてみようと思います。 古賀健一…
今月は大阪府豊中市にお住まいのso muramoto(22)さんのお部屋をオンライン訪問。NORD Nord Electro 4など鍵盤楽器が存在感を放つ空間です! 祐天寺浩美 さあ、皆さんこんにちは! 例年、年の瀬や新年のあいさつは発売日の加減で避けているんですが、2022年…
細井美裕 砲台跡地での電源を使わない展示。弾薬庫跡は自分だけの映画館に居るような印象 2022年最初の現場は東京湾唯一の自然島、猿島にて開催される芸術祭です。横須賀中央駅近くの三笠港からフェリーで約10分ほどの距離の場所なので、関東圏の方は意外に…
HATAKENです。これまで“私がどうしてそのモジュールを選ぶのか”という理由を通して、モジュラー・シンセの魅力と数々のモジュールを紹介してきたこのコーナー。あと2回で連載終了となります。読んでくださった方々、ありがとうございました! 最後は今まで紹…
第一線で活躍するエンジニアに毎月お薦めの新作を語ってもらう本コーナー。Nagie氏の今月のセレクトは、アヤ『im hole』、インジュリー・リザーブ『By the Time I Get to Phoenix』です。 Nagie さまざまに変化する歌の処理が特徴的 アヤ『im hole』(ビート…
高橋健太郎 マセロが『イン・ア・サイレント・ウェイ』で行った音での挑戦的な問いかけ マイルス・デイビスの1969年のアルバム『イン・ア・サイレント・ウェイ』で、プロデューサーのテオ・マセロは、それまでにない大胆なテープ編集を聴衆に提示した。タイ…
署名と募金を呼びかけるキャンペーンがスタート 今もベルリンのテクノ・カルチャーの原点として語り継がれる“ラヴ・パレード”。この歴史的平和デモの主催者Dr.モッテなどがメンバーを務める市内のNPO、Rave The Planetが立ち上げたキャンペーンが注目を集め…
第一線で活躍するエンジニアに毎月お薦めの新作を語ってもらう本コーナー。今本 修氏の今月のセレクトは、キーズ・ン・クレイツ『Original Classic』、アレン・ストーン『APART』です。 今本 修 ミュートのアイディアの宝庫 キーズ・ン・クレイツ『Original …
原 雅明 今年(2021年)のグラミー最優秀新人賞に、メインストリームのポップスの世界で注目される若いアーティストたちに混じって、パキスタンをルーツに持つシンガー/作曲家/プロデューサーのアルージ・アフタブがノミネートされた。彼女の最新アルバム…
第一線で活躍するエンジニアに毎月お薦めの新作を語ってもらう本コーナー。小泉由香氏の今月のセレクトは、ダイアナ・ロス『サンキュー』、コールドプレイ『ミュージック・オブ・ザ・スフィアーズ』 です。 小泉由香 声をエフェクトのように使う攻めた仕上が…
11月30日、ハープ奏者の宮本あゆみさん(Twitter:@ayumi_harp_0408)による「リュートのための古風な舞曲とアリア 第3組曲 シチリアーナ」(作曲:レスピーギ)がDolby Atmosで配信されました。日本ではAmazon Music Unlimited、Apple Musicが対応していま…
第一線で活躍するエンジニアに毎月お薦めの新作を語ってもらう本コーナー。D.O.I.氏の今月のセレクトは、アデル『30』、アミーネ『TWOPOINTFIVE』です。 D.O.I. ラウドネス規制後の理にかなった聴こえ方 アデル『30』(ソニー) ラウドネス規制に伴う自動音…
細井美裕 新曲を含む全3曲をDolby Atmos化。念願のスピーカー環境でのミックスが実現 皆さん聞いてください! 連載第15回で私が“野良イマーシブ・ミュージシャンが、イマーシブ音源を作るまでの道のり、正直風当たりが強くないですか!?”と空にぼやいていた…