コラム

ジョージ・マーティンのAIRスタジオとNEVEコンソール+16trレコーダー【Vol.110】音楽と録音の歴史ものがたり

高橋健太郎 ビンテージNEVEの評価を支えてきた奇跡的とも言える堅牢性 1969年にメルボルンの新しい工場に移転したNEVE ELECTRONICSは、大型コンソールの生産を本格化させた。NEVEがPENNY+GILESのフェーダーを採用したのも1969年からだった。 PENNY+GILESは…

Berlin Calling〜第93回 70年にわたるレコード美術史の企画展『Broken Music Vol.2』レポート

美術作品としてのレコード ベルリン市内の代表的な現代美術館の一つであるハンブルガー・バーンホフにて、『Broken Music Vol. 2』という展示が行われている。タイトルに引かれてふらりと見に行ってみたところ、とても面白かったので紹介したい。筆者の場合…

イベント「TOKYO KANKYO」から振り返る環境音楽の“環境”とこれからのリスニングについて 〜THE CHOICE IS YOURS - VOL.155

原 雅明 東京の千代田区に九段ハウス(旧山口萬吉邸)という、1927(昭和2)年に建てられた地上3階地下1階の鉄筋コンクリート造りの洋館がある。財界人の私邸だったが、強固な耐震性の構造とスパニッシュ様式を採り入れた意匠が歴史的価値を持つと認められ、…

愛知県芸術劇場&ヌトミックとの新作に向けた実験〜習作『Theater Idioms』【第31回】realize〜細井美裕の思考と創発の記録

細井美裕 作品の骨子を作るための基礎研究を実施 今年秋に新作の舞台公演を額田大志君主宰ヌトミックと再び制作できることになりました(前回公演は連載第10〜14回を参照)。再び愛知県芸術劇場にて。悔しさが残るあの舞台から再度機会をいただけたのは有り…

ブルー・グレイのNEVEコンソールは世界のどこで受け入れられたのか?【Vol.109】音楽と録音の歴史ものがたり

高橋健太郎 パイ・スタジオへ導入されたブルー・グレイのNEVEコンソール NEVEコンソールのカラーリングが黒から、ブルー・グレイに変わったのは1968年だった。以後、それがNEVEのイメージ・カラーとなる。最初のブルー・グレイのNEVEコンソールはロンドンの…

Berlin Calling〜第92回 アフリカとドイツのアーティストたちの創造性“交配”プログラム『Afropollination』

滞在/共同制作プログラムの第一フェーズが実施された 2022年を振り返ると、筆者の音楽体験のハイライトはウガンダで開催されたフェス『Nyege Nyege Festival』だった。私は2019年に次いで2度目の参加だったが、今年は初めて日本からもTYO GQOMのメンバーと…

Tzadikの近年リリース作品から見る作曲家/プロデューサーとしてのジョン・ゾーンの手腕 〜THE CHOICE IS YOURS - VOL.154

原 雅明 ジョン・ゾーンが主宰するTzadik(※1)は、営利を追求しないこと(not-for-profit)を掲げたレーベルである。1995年の設立以来、膨大なタイトルをCDメインでリリースし続けて、サブスクの配信はごく一部を除いて行われていない。デジタル音源につい…

アート・フェアへ初出品〜時間をテーマにした合計240chの《Fixation 5》【第30回】realize〜細井美裕の思考と創発の記録

細井美裕 デッド・スペースの十字路でパブリック・プログラムとしての展示 11月18~20日に国立京都国際会館で開催されたArt Collaboration Kyoto(以下ACK)というアート・フェアに、初めて自分の作品を出品しました。神宮前にあるGallery 38からです。きっ…

ルパート・ニーヴのコンソールが1960年代に名声を得ていく過程【Vol.108】音楽と録音の歴史ものがたり

高橋健太郎 意外にもNEVEが登場しない1960年代のUKロック・シーン 1960年代後半のブリティッシュ・ロックの興隆と、ロンドンのスタジオ・シーンを見ていくと、サウンド・テクニクス・スタジオやオリンピック・スタジオといったインディペンデント・スタジオ…

ファビアーノ・ド・ナシメントが体現するエルメート・パスコアールの“ユニバーサル・ミュージック” 〜THE CHOICE IS YOURS - VOL.153

原 雅明 「ファビアーノ・ド・ナシメントは友人で、長年一緒に演奏しているのも、彼と僕のテイストはとても似ていてやりやすいからだ。二人に共通する言語のようなものがあって、なぜか分からないけど、自分たちがお互いに何をするか予測できる。それくらい…

Sinjin&Zoraとの突然の出会い! そして舞台はレコーディング・スタジオへ【第29回】realize〜細井美裕の思考と創発の記録

細井美裕 プラットフォーム“Fractal Fantasy”は制約なく好きなものを作る自由なスペース すっかり寒い!! でも今回はアツい話です。Instagramで“Hey hey, not sure if you’ll get this but I’m a big fan of your music and am in Tokyo for a show. would …

ザ・ビートルズ“ゲット・バック・セッション”とレコーディング機器【Vol.107】音楽と録音の歴史ものがたり

高橋健太郎 映画『ザ・ビートルズ:Get Back』が明らかにした当時のスタジオ・ワーク 1968年10月のオリンピック・スタジオでレコーディングを終えた時点では、レッド・ツェッペリンはレコード契約を持っていなかった。ジミー・ペイジとマネージャーのピータ…

ビョークの最新作を手掛けたヘバ・カドリーによる共感性の高いエンジニアリング 〜THE CHOICE IS YOURS - VOL.152

原 雅明 ビョークのニュー・アルバム『フォソーラ』は、長年の活動拠点だったニューヨークを離れて故郷アイスランドのレイキャビクで制作された。アメリカの暴力性に嫌気がさしたという報道もあったが、本格的にアイスランドに戻ったようだ。アルバムは、バ…

Berlin Calling〜第91回 クラブ業界に衝撃〜Ostgut Bookingが廃業のニュース

最も有名で成功しているエージェンシーの一つが運営停止 ベルリンで最も人気のある大型クラブBerghainが運営する、ブッキング・エージェンシーのOstgut Bookingが、年内いっぱいで廃業するという。10月6日にクラブ情報サイトResident Advisorは、内部関係者…

老舗旅館で自然の音を聴く〜『Nature Manque – なりそこないの自然』【第28回】realize〜細井美裕の思考と創発の記録

細井美裕 いわゆる“スピーカー”を使わない1日限りのサウンド・インスタレーション パリの次は、那須にある老舗の温泉旅館で新作の展示です。菅木志雄さんをはじめ、数多くの作品がコレクションされている板室温泉大黒屋さんでは毎月26日に“音を楽しむ会”が開…

グリン・ジョンズのステレオ録音メソッドとHELIOSコンソール【Vol.106】音楽と録音の歴史ものがたり

高橋健太郎 レッド・ツェッペリンの1stのステレオ・ロック・ドラム・サウンド レッド・ツェッペリンの初レコーディング中に、ジミー・ペイジがエンジニアのグリン・ジョンズに提案し、ギター・アンプにオフマイクを立てたという話は、以前にも本連載の中で…

Berlin Calling〜第90回 差別といじめが横行する職場!? Beatportベルリン事務所の告発記事

Black Artist DatabaseがBeatportとの提携中止を発表 先月の8月23日、ニュース・サイト“Vice”に、元社員が“Beatportは差別的で有害な職場であった”と告発する記事が突如公開された。Beatportは、米国デンバーで設立され、ロサンゼルスとベルリンに事務所を…

1980年代の未発表音源があらわにするマイルス・デイヴィスのブルースの本質 〜THE CHOICE IS YOURS - VOL.151

原 雅明 マイルス・デイヴィスの未発表音源を収録したブートレグ・シリーズとして、『That’s What Happened 1982-1985:The Bootleg Series Vol.7』がリリースとなった。1970年代後半に音楽の表舞台から姿を消したマイルスは、1981年に『The Man with the Hor…

パリでのAMADEUS Holophonixを使った現場設営〜『Siren Call』【第27回】realize〜細井美裕の思考と創発の記録

細井美裕 スピーカーに鑑賞者が近づくたびにエリアが切り替わっていくような作り方 Holophonixを使ったプロダクション後編、パリでの現場設営についてです。今回の30.2.7chで使用したスピーカー詳細は下記です。 30ch:FOSTEX FE83(フルレンジ・ドライバー…

UKロックの梁山泊となったオリンピック・スタジオ【Vol.105】音楽と録音の歴史ものがたり

高橋健太郎 ザ・ローリング・ストーンズの本拠地〜オリンピック・スタジオのコックピット・コンソール 1966年にフランスのコーラス・グループ、ル・スウィングルズがオリンピック・スタジオにやってきたときのニュース映画の映像をYouTubeに見ることができる…

Berlin Calling〜第89回 “テクノ、ベルリン、そして大きな自由”〜都市と音楽をめぐる展示レポート

クラブの重要さを訴えてきたTresorによるエキシビション 前々回の本コラムで、老舗テクノ・クラブのTresorが31周年の盛大なフェスティバルを開催することを紹介したが、現在約2カ月間のプログラムが絶賛開催中。全体的な評判も非常に良いと思われるが、エキ…

シャバカ・ハッチングスの新たな試みに呼応〜南アフリカのジャズ・シーンが放つエネルギー 〜THE CHOICE IS YOURS - VOL.150

原 雅明 UKのサックス/クラリネット奏者シャバカ・ハッチングスは、今年シャバカ名義でソロEP(ミニ・アルバム)『Afrikan Culture』をリリースした。その音楽には、サンズ・オブ・ケメットのダイナミックなグルーブはなく、ザ・コメット・イズ・カミングの…

スペーシャリゼーション・ソフトウェアAMADEUS Holophonixと出会う【第26回】realize〜細井美裕の思考と創発の記録

細井美裕 IRCAM(フランス国立音響研究所)のシステムが入っているソフトウェア この夏、皆さんはどのスペーシャリぜーション・ソフトウェアをお使いでしょうか。私は実際に使ってやっと!好きなソフトウェアを発見できたので、前後編に分けてご紹介します(…

Berlin Calling〜第88回 クラブを安全に楽しむには? 深刻化する“スパイキング”被害

クラブのみならず業界全体で対策が求められている ベルリンではクラブや音楽イベントが勢いを取り戻し、先週末にはラブ・パレードの主催者が改めて企画した“Rave The Planet”なる屋外パレードに、テクノを求めて20万人が集ったようだし、その前の週にはベル…

ジョー・ボイドとサウンド・テクニクス・スタジオ【Vol.104】音楽と録音の歴史ものがたり

高橋健太郎 ジョー・ボイドとジョン・ウッド〜サウンド・テクニクスが結びつけた二人の名匠 米エレクトラ・レコードのプロデューサー、ジョー・ボイドがインクレディブル・ストリング・バンドとともに、ロンドンのサウンド・テクニクス・スタジオにやってき…

サム・ゲンデルとメアリー・ハルヴォーソン〜演奏技術や理論から離れて見つけた独自のサウンド 〜THE CHOICE IS YOURS - VOL.149

原 雅明 FESTIVAL FRUEZINHO 2022でサム・ゲンデルとサム・ウィルクスのライブを見た。彼らのアルバム同様にサックスとベース・ギターだけのシンプルなステージだったが、デュオというミニマルな編成から繰り出されるバリエーション、ハーモニーや音色の多彩…

最終回に語る今後のイマーシブ展望〜【第25回】DIYで造るイマーシブ・スタジオ 古賀健一

2年前に編集部から声をかけてもらい、染谷和孝さんの一言がきっかけとなって引き受けた連載も今回で最後になります。2019年、スタジオの改装を決意し、会社を立ち上げ、借金をし、無謀にもスタジオ施工会社を通さずに始めたDolby Atmosスタジオは、2年の歳…

パリ&ヴェネチアを訪問!美術館/劇場における音響機材レポート【第25回】realize〜細井美裕の思考と創発の記録

細井美裕 スケルトン・タイプの縦型LEDパネルを多用。階段の手すりにラインアレイを設置 パリからこんにちは、完全にフランスかぶれ中の細井美裕です。パリにあるブランドの本店の一室で新作を発表させていただけることとなり、インストールしに来ています。…

トライデント・スタジオの8trレコーダーとザ・ビートルズ 〜【Vol.103】音楽と録音の歴史ものがたり

高橋健太郎 プロデュース・ワークで8trレコーダーに触れたビートルズ ジェームズ・テイラーのデビュー・アルバムに協力したポール・マッカートニーは、トライデント・スタジオでAMPEXの8trレコーダーに触れた。それはAMPEXが1967年に発表したAG-440の8tr版…

Berlin Calling〜第87回 Tresorが31周年を記念し約2カ月間のフェスティバルを開催

7週間にわたり150組が出演予定 今年5月の上旬に、市内のほかのクラブよりも少し遅れて営業を再開した老舗のテクノ・クラブ、Tresor。筆者も再開初日に足を運んだのだが、大幅にリニューアルされていた。半地下のメイン・フロアTresor、2階のGlobusフロア…

ケンドリック・ラマーの最新作に参加〜デュヴァル・ティモシーによる共感覚的な表現 〜THE CHOICE IS YOURS - VOL.148

原 雅明 ケンドリック・ラマーの新作『Mr. Morale & The Big Steppers』にフィーチャーされていたアーティストの中で、ポーティスヘッドのベス・ギボンズ以上に目を引いたのがデュヴァル・ティモシーだった。南ロンドン生まれで、西アフリカのシエラレオネを…

本当にマルチな映像表示の話〜【第24回】DIYで造るイマーシブ・スタジオ 古賀健一

先日、鹿児島の大久保重樹さんのChimpanzee Studio(前回参照)を再訪した際、急遽、Dolby Atmosに関連するセミナーを開催しました。高校生から年配の方まで来てくださり、僕も大変刺激をもらいました。チャンスがあれば、東京でもやってみたいです。 古賀健…

“細井美裕”というプロダクションは、どのように活動を回しているのか?【第24回】realize〜細井美裕の思考と創発の記録

細井美裕 ライス・ワークはライフ・ワークのためにあり、ライフ・ワークは次のライス・ワークを生む 連載を始めてもうすぐ3年目になります。その前に、技術的な話ではなく、細井美裕という小さなプロダクション(のようなものだと思っている)について記録し…

ジェフ・エメリックと4trの制約から編み出された工夫 〜【Vol.102】音楽と録音の歴史ものがたり

高橋健太郎 ビートルズのエンジニアに大抜擢された19歳のエメリック 1965年8月、ジョージ・マーティンはEMIから独立。ロン・リチャーズらとともにアソシエイティッド・インディペンデント・レコーディングス(AIR)を設立した。マーティンは外部プロデューサ…

ダニエル・ビジャレアルやドス・サントスが掲げるアメリカ音楽シーンでの移民文化の新たな流れ 〜THE CHOICE IS YOURS - VOL.147

原 雅明 ドス・サントスは、シカゴを拠点に活動するラテン系バンドだ。僕がこのバンドに興味を持ったのは、International Anthemからリリースされた音源がきっかけだった。シカゴの新しいジャズの流れをフォローし、ポストロックのレガシーも受け継ぐような…

Berlin Calling〜第86回 街のクラブの歴史を携帯アプリでベルリンClubHistoryプロジェクト

過去60年間で閉店してしまったベルリンのクラブを記録 ベルリンという街は今や観光都市になりつつあるが、ヨーロッパのほかの大都市と比較するとこれといって視覚的に目立つ建造物などは少なく、特に町並みが美しいわけでもない……というか、どちらかといえば…

鹿児島でDolby Atmosが熱い!〜【第23回】DIYで造るイマーシブ・スタジオ 古賀健一

GWの長期休暇、皆様、どう過ごされていましたか? 僕はうれしいことに、ステレオ/Dolby Atmos/360 Reality Audioと行ったり来たりして、音と戯れていました。これらのシステム間をスムーズに移行するために、日々最善の方法は無いか試行錯誤しています。 …

渋谷PARCOの屋上で再構築した「夕やけこやけ」を流す〜『5時の鐘』【第23回】realize〜細井美裕の思考と創発の記録

細井美裕 渋谷区の防災無線で流れる「夕やけこやけ」を一音で脳内再生できるようなトリガー作り 前回の最後にチラっと触れた、サックス奏者/作曲家の松丸契君と急遽作ることになった渋谷PARCO屋上でのインスタレーションについて、できたてホヤホヤの記録を…

祐天寺浩美のお部屋一刀両断 第335回 hoto-Dさん

今月は千葉県にお住まいの、hoto-Dさんのお部屋をオンライン訪問。ワイド・ディスプレイにゲーミング・チェアもそろった、快適に制作できそうな空間です! 祐天寺浩美 どもども! さて今回の出場者は、千葉県にお住まいのhoto-Dさん(37)。ここんとこ、“〇…

ノーマン・スミスの知られざる録音技術とザ・ビートルズ 〜【Vol.101】音楽と録音の歴史ものがたり

高橋健太郎 1962年6月6日のセッションとデビュー直前のピート・ベストの解雇 アビイ・ロードのスタジオ2は、レコーディング・ブースのワンフロア上にコントロール・ルームが設置されていた。レコーディング・ブースからコントロール・ルームへ入るには木…

Berlin Calling〜第85回 ロシアのウクライナ侵攻〜電子音楽シーンにできること

ウクライナの電子音楽シーンが支援を求める声明を公開 もう約2カ月間、世界を震撼させているウクライナの惨劇。ベルリンに居ると地理的な近さのみならず、特にクラブ・カルチャーにかかわっている者は相互交流が盛んなため、非常に身近な問題に感じる。事実…

『Blind』を発表したジェイムスズーが語る能動的で客観的なリスニングとは 〜THE CHOICE IS YOURS - VOL.146

原 雅明 オランダのプロデューサー、ジェイムスズーの『Blind』が、フライング・ロータスのレーベルBrainfeederからリリースされた。デビュー作『Fool』(2016年)、オランダのメトロポール・オーケストラとのコラボ作『Melkweg』(2019年)に続くアルバムで…

ついにシネマ・スクリーンを発注! 〜【第22回】DIYで造るイマーシブ・スタジオ 古賀健一

連載ももうすぐ2年になろうとしています。スタジオは相変わらずブラッシュアップを続け、止まっていたサウンド・スクリーンの設置も動き出しました。完成しないと連載が終われないので、近況報告をしようと思います。 古賀健一 M1 Mac+Logic ProでApple Mu…

波乱の幕開けと現場での発見〜『ON PAROLE』/「EA9633」リリース【第22回】realize〜細井美裕の思考と創発の記録

細井美裕 開放型ヘッドフォンで外音を取り込み上下&センターの定位はスピーカーで補完 『ON PAROLE』@御茶ノ水RITTOR BASE、終了しましたが波乱の幕開けでした。詳しくはまだお伝えできないのですが、通常の作り方とは全く違う手法で制作しているため、1日…

祐天寺浩美のお部屋一刀両断 第334回 MARIN.さん

今月は千葉県にお住まいの、MARIN.さんのお部屋をオンライン訪問。黒色の機材が並ぶ中、カラフルなモコモコパジャマが映えていますね! 祐天寺浩美 どもども、今回もサクッと本題へ行きます。今月の出場者はMARIN.(24)さん……む、何か今の編集担当になって…

ザ・ビートルズの1962年6月6日、EMIスタジオでのファースト・セッションの謎 〜【Vol.100】音楽と録音の歴史ものがたり

高橋健太郎 EMIスタジオで行われた初録音はオーディションだったのか? ジョージ・マーティンの招きで、ザ・ビートルズが最初にアビイ・ロードのEMIスタジオに足を踏み入れたのは、1962年6月6日だったとされる。デッカ・スタジオでのセッションと同じよう…

ブラケンス『cbd』、ジェイムスズー『Blind』 〜Nagie's ディスク・レビュー

第一線で活躍するエンジニアに毎月お薦めの新作を語ってもらう本コーナー。Nagie氏の今月のセレクトは、ブラケンス『cbd』、ジェイムスズー『Blind』です。 Nagie 若い才能による歌を軸にしたビート ブラケンス『cbd』 ブラケンスは現在21歳で、3年前にデビ…

Berlin Calling〜第84回 音楽制作もワイアレスの時代? リッチー・ホウティンに聞く新技術

ケーブルを意識せずに済み、音に深く没頭できる ベルリンの電子音楽界でも常に最新のテクノロジーに敏感なアーティスト、リッチー・ホウティン。彼が開発に携わった音楽制作者向けのロスレスなワイアレス・ヘッドフォンTMA-2 Studio Wireless+が発売され、一…

メトロノミー『SMALL WORLD』、ビッグ・シーフ『Dragon New Warm Mountain I Believe in You』 〜今本 修's ディスク・レビュー

第一線で活躍するエンジニアに毎月お薦めの新作を語ってもらう本コーナー。今本 修氏の今月のセレクトは、メトロノミー『SMALL WORLD』、ビッグ・シーフ『Dragon New Warm Mountain I Believe in You』です。 今本 修 メロディやアレンジに特化した作品 メト…

笹久保伸『Venus Penguin』を起点に考察〜世代をまたぐギターという共通言語 〜THE CHOICE IS YOURS - VOL.145

原 雅明 近年、ギターを軸にした音楽を聴く機会が増えたと感じている。ギタリストやギターに特別に関心を持って聴いていたからではなく、自分が引かれる音楽にギターが使われていることが多いと気が付いたのだ。笹久保伸の音楽も、その一つである。クラシッ…