コラム
細井美裕 IRCAM(フランス国立音響研究所)のシステムが入っているソフトウェア この夏、皆さんはどのスペーシャリぜーション・ソフトウェアをお使いでしょうか。私は実際に使ってやっと!好きなソフトウェアを発見できたので、前後編に分けてご紹介します(…
クラブのみならず業界全体で対策が求められている ベルリンではクラブや音楽イベントが勢いを取り戻し、先週末にはラブ・パレードの主催者が改めて企画した“Rave The Planet”なる屋外パレードに、テクノを求めて20万人が集ったようだし、その前の週にはベル…
高橋健太郎 ジョー・ボイドとジョン・ウッド〜サウンド・テクニクスが結びつけた二人の名匠 米エレクトラ・レコードのプロデューサー、ジョー・ボイドがインクレディブル・ストリング・バンドとともに、ロンドンのサウンド・テクニクス・スタジオにやってき…
原 雅明 FESTIVAL FRUEZINHO 2022でサム・ゲンデルとサム・ウィルクスのライブを見た。彼らのアルバム同様にサックスとベース・ギターだけのシンプルなステージだったが、デュオというミニマルな編成から繰り出されるバリエーション、ハーモニーや音色の多彩…
2年前に編集部から声をかけてもらい、染谷和孝さんの一言がきっかけとなって引き受けた連載も今回で最後になります。2019年、スタジオの改装を決意し、会社を立ち上げ、借金をし、無謀にもスタジオ施工会社を通さずに始めたDolby Atmosスタジオは、2年の歳…
細井美裕 スケルトン・タイプの縦型LEDパネルを多用。階段の手すりにラインアレイを設置 パリからこんにちは、完全にフランスかぶれ中の細井美裕です。パリにあるブランドの本店の一室で新作を発表させていただけることとなり、インストールしに来ています。…
高橋健太郎 プロデュース・ワークで8trレコーダーに触れたビートルズ ジェームズ・テイラーのデビュー・アルバムに協力したポール・マッカートニーは、トライデント・スタジオでAMPEXの8trレコーダーに触れた。それはAMPEXが1967年に発表したAG-440の8tr版…
7週間にわたり150組が出演予定 今年5月の上旬に、市内のほかのクラブよりも少し遅れて営業を再開した老舗のテクノ・クラブ、Tresor。筆者も再開初日に足を運んだのだが、大幅にリニューアルされていた。半地下のメイン・フロアTresor、2階のGlobusフロア…
原 雅明 ケンドリック・ラマーの新作『Mr. Morale & The Big Steppers』にフィーチャーされていたアーティストの中で、ポーティスヘッドのベス・ギボンズ以上に目を引いたのがデュヴァル・ティモシーだった。南ロンドン生まれで、西アフリカのシエラレオネを…
先日、鹿児島の大久保重樹さんのChimpanzee Studio(前回参照)を再訪した際、急遽、Dolby Atmosに関連するセミナーを開催しました。高校生から年配の方まで来てくださり、僕も大変刺激をもらいました。チャンスがあれば、東京でもやってみたいです。 古賀健…
細井美裕 ライス・ワークはライフ・ワークのためにあり、ライフ・ワークは次のライス・ワークを生む 連載を始めてもうすぐ3年目になります。その前に、技術的な話ではなく、細井美裕という小さなプロダクション(のようなものだと思っている)について記録し…
高橋健太郎 ビートルズのエンジニアに大抜擢された19歳のエメリック 1965年8月、ジョージ・マーティンはEMIから独立。ロン・リチャーズらとともにアソシエイティッド・インディペンデント・レコーディングス(AIR)を設立した。マーティンは外部プロデューサ…
原 雅明 ドス・サントスは、シカゴを拠点に活動するラテン系バンドだ。僕がこのバンドに興味を持ったのは、International Anthemからリリースされた音源がきっかけだった。シカゴの新しいジャズの流れをフォローし、ポストロックのレガシーも受け継ぐような…
過去60年間で閉店してしまったベルリンのクラブを記録 ベルリンという街は今や観光都市になりつつあるが、ヨーロッパのほかの大都市と比較するとこれといって視覚的に目立つ建造物などは少なく、特に町並みが美しいわけでもない……というか、どちらかといえば…
GWの長期休暇、皆様、どう過ごされていましたか? 僕はうれしいことに、ステレオ/Dolby Atmos/360 Reality Audioと行ったり来たりして、音と戯れていました。これらのシステム間をスムーズに移行するために、日々最善の方法は無いか試行錯誤しています。 …
細井美裕 渋谷区の防災無線で流れる「夕やけこやけ」を一音で脳内再生できるようなトリガー作り 前回の最後にチラっと触れた、サックス奏者/作曲家の松丸契君と急遽作ることになった渋谷PARCO屋上でのインスタレーションについて、できたてホヤホヤの記録を…
今月は千葉県にお住まいの、hoto-Dさんのお部屋をオンライン訪問。ワイド・ディスプレイにゲーミング・チェアもそろった、快適に制作できそうな空間です! 祐天寺浩美 どもども! さて今回の出場者は、千葉県にお住まいのhoto-Dさん(37)。ここんとこ、“〇…
高橋健太郎 1962年6月6日のセッションとデビュー直前のピート・ベストの解雇 アビイ・ロードのスタジオ2は、レコーディング・ブースのワンフロア上にコントロール・ルームが設置されていた。レコーディング・ブースからコントロール・ルームへ入るには木…
ウクライナの電子音楽シーンが支援を求める声明を公開 もう約2カ月間、世界を震撼させているウクライナの惨劇。ベルリンに居ると地理的な近さのみならず、特にクラブ・カルチャーにかかわっている者は相互交流が盛んなため、非常に身近な問題に感じる。事実…
原 雅明 オランダのプロデューサー、ジェイムスズーの『Blind』が、フライング・ロータスのレーベルBrainfeederからリリースされた。デビュー作『Fool』(2016年)、オランダのメトロポール・オーケストラとのコラボ作『Melkweg』(2019年)に続くアルバムで…
連載ももうすぐ2年になろうとしています。スタジオは相変わらずブラッシュアップを続け、止まっていたサウンド・スクリーンの設置も動き出しました。完成しないと連載が終われないので、近況報告をしようと思います。 古賀健一 M1 Mac+Logic ProでApple Mu…
細井美裕 開放型ヘッドフォンで外音を取り込み上下&センターの定位はスピーカーで補完 『ON PAROLE』@御茶ノ水RITTOR BASE、終了しましたが波乱の幕開けでした。詳しくはまだお伝えできないのですが、通常の作り方とは全く違う手法で制作しているため、1日…
今月は千葉県にお住まいの、MARIN.さんのお部屋をオンライン訪問。黒色の機材が並ぶ中、カラフルなモコモコパジャマが映えていますね! 祐天寺浩美 どもども、今回もサクッと本題へ行きます。今月の出場者はMARIN.(24)さん……む、何か今の編集担当になって…
高橋健太郎 EMIスタジオで行われた初録音はオーディションだったのか? ジョージ・マーティンの招きで、ザ・ビートルズが最初にアビイ・ロードのEMIスタジオに足を踏み入れたのは、1962年6月6日だったとされる。デッカ・スタジオでのセッションと同じよう…
第一線で活躍するエンジニアに毎月お薦めの新作を語ってもらう本コーナー。Nagie氏の今月のセレクトは、ブラケンス『cbd』、ジェイムスズー『Blind』です。 Nagie 若い才能による歌を軸にしたビート ブラケンス『cbd』 ブラケンスは現在21歳で、3年前にデビ…
ケーブルを意識せずに済み、音に深く没頭できる ベルリンの電子音楽界でも常に最新のテクノロジーに敏感なアーティスト、リッチー・ホウティン。彼が開発に携わった音楽制作者向けのロスレスなワイアレス・ヘッドフォンTMA-2 Studio Wireless+が発売され、一…
第一線で活躍するエンジニアに毎月お薦めの新作を語ってもらう本コーナー。今本 修氏の今月のセレクトは、メトロノミー『SMALL WORLD』、ビッグ・シーフ『Dragon New Warm Mountain I Believe in You』です。 今本 修 メロディやアレンジに特化した作品 メト…
原 雅明 近年、ギターを軸にした音楽を聴く機会が増えたと感じている。ギタリストやギターに特別に関心を持って聴いていたからではなく、自分が引かれる音楽にギターが使われていることが多いと気が付いたのだ。笹久保伸の音楽も、その一つである。クラシッ…
第一線で活躍するエンジニアに毎月お薦めの新作を語ってもらう本コーナー。小泉由香氏の今月のセレクトは、レディ・ブラックバード『Black Acid Soul』、V.A.『シング:ネクストステージ - オリジナル・サウンドトラック』です。 小泉由香 シンプルながらメ…
最大128trのDolby Atmos音声は、どのような形になってリスナーの耳に届くのか? 音を作って“はい、終わり”ではなく、きちんと理解したいと思っていました。しかし、中間ファイルを扱うレコーディング・エンジニアという職業のため、正直、この辺りの最終コー…
第一線で活躍するエンジニアに毎月お薦めの新作を語ってもらう本コーナー。D.O.I.氏の今月のセレクトは、ファイヴィオ・フォーリン『City of Gods』、ヤング・カヨ『DFTK』です。 D.O.I. ドリル・ミュージックの中で光る個性 ファイヴィオ・フォーリン『City…
塩塚モエカがハンドヘルド・マイクを試して語る連載、最終回! Text:Mizuki Sikano Photo:Chika Suzuki Illustration:Hiromi Mizoguchi Hair & Make:kika 塩塚モエカです。ついにこの連載も最終回を迎えました。うわ〜ん。半年間、たくさんの発見をあり…
細井美裕 空間を演奏する「Sound Mine」やソニーの立体音響体験から構想が開始 2019年に構想開始、以降制作を続けてきた新プロジェクト「ON PAROLE」がついに3月18~21日、御茶ノ水RITTOR BASEにて一般公開されます。ヘッドフォンとスピーカー両方を使った…
今月は大阪府大阪市東淀川区にお住まいの、アツムワンダフルさんのお部屋をオンライン訪問。STEINBERGER Synapseを筆頭に、多数のギターが並ぶ空間です! 祐天寺浩美 さて、今回は個人的に結構でかいエピソードがあったので、前置き無しです! 今月の出場者…
高橋健太郎 デッカに“落ちた”ザ・ビートルズがパーロフォンと契約に至るまで デッカ・レコードのオーディションのために、ザ・ビートルズはバンに楽器を積み込み、1961年の大晦日、吹雪の悪天候の中をリバプールからロンドンまで車移動した。しかし、翌日の…
ボイコットを呼びかける動きが相当な広がりを見せ始めた 前号の本コラムで、ドイツのレーベルとアーティストがSpotify CEOの軍事産業への投資に抗議し、同プラットフォームから楽曲を引き上げたことを紹介した。するとどうだろう、そのちょうど1カ月後に、…
第一線で活躍するエンジニアに毎月お薦めの新作を語ってもらう本コーナー。Nagie氏の今月のセレクトは、セガ・ボデガ『Romeo』、V.A.『Artificial Intelligence Vol. I ~ VVAA』です。 Nagie 創造性にあふれるボーカルのエフェクト処理 セガ・ボデガ『Romeo』…
原 雅明 イスラエル出身のトランペット奏者、アヴィシャイ・コーエンのニュー・アルバム『Naked Truth』がリリースとなる。長年ニューヨークのジャズ・シーンの最前線で活動を続け、近年はイスラエルに戻ってECMからリリースを重ねてきた。前作『Big Vicious…
第一線で活躍するエンジニアに毎月お薦めの新作を語ってもらう本コーナー。今本 修氏の今月のセレクトは、V.A.『Arcane League of Legends(Soundtrack from the Animated Series)』、アーケイン『Arcane League of Legends(Original Score From Act 1 of …
前回から、だいぶ360 Reality Audioの知識が付いてきました。そのワークフローと、Dolby Atmosから5.1chへのダウン・ミックスに挑戦した話を書いてみます。 古賀健一 360 Reality Audio用にボトム・スピーカーを5ch化 まず360 Reality Audioの話。スピーカー…
第一線で活躍するエンジニアに毎月お薦めの新作を語ってもらう本コーナー。小泉由香氏の今月のセレクトは、ウエストライフ『ワイルド・ドリームズ』、コモン『A BEAUTIFUL REVOLUTION PT 2』です。 小泉由香 バランスが良い王道のグループ・ポップス ウエス…
細井美裕 吸音のタイミングを指数関数的にコントロール。ハッとする瞬間を作ることを目指す ついに島入り! 設営はまさかの豪雨始まりでした。ただ、豪雨のおかげで観光の方はおらずフェリーは貸切、ゆっくり積み込みと荷下ろしができました(豪雨明けの日は…
第一線で活躍するエンジニアに毎月お薦めの新作を語ってもらう本コーナー。D.O.I.氏の今月のセレクトは、FKAツイッグス『カプリソングス』、ザ・ウィークエンド『Dawn FM』です。 D.O.I. 流行を意識していない独自性 FKAツイッグス『カプリソングス』(ワー…
塩塚モエカがハンドヘルド・マイクを試して語る連載、第5回目! Text:Mizuki Sikano Photo:Chika Suzuki Illustration:Hiromi Mizoguchi Hair & Make:kika 塩塚モエカです。冬も大本番、暖かく過ごせてますか〜。 今回研究するのは、NEUMANN KMS105。赤…
今月は福島県西白河郡にお住まいのアングリーアイさんのお部屋をオンライン訪問。防音対策がされていて、トロンボーンの録音などにも対応したスタジオです! 祐天寺浩美 3月号なのにぃー、書いているの2022年の正月明けー、雑誌あるあるー!! てなわけで、明…
高橋健太郎 テープ・ループとブレイクビーツ テープ・ループという手法自体は、マイルス・デイビスの『ビッチェズ・ブリュー』がリリースされた1970年には、決して新しいものではなかった。 ヨーロッパの電子音楽やミュージック・コンクレートの中では、1950…
こんにちは、HATAKENです。モジュラー・シンセの魅力を掘り下げてきたPatch The World For Peaceは、今月で終了となります。2年間ご愛読、応援してくださりありがとうございました! アーカイブはWebサイト『サンレコ』に残りますので、今後もお役立てくださ…
インディペンデント・レーベルが起こしたアクション ドイツのミュンヘンを拠点にする兄弟ユニット、ゼンカー・ブラザーズが運営するレーベルIlian Tape。いわゆる4つ打ちのストレートなテクノでは物足りなくなったDJやクラブ・ミュージックのリスナーたちに…
第一線で活躍するエンジニアに毎月お薦めの新作を語ってもらう本コーナー。Nagie氏の今月のセレクトは、セイント・ヴィンセント『Pay Your Way In Pain(IDLES Remix)』、ジョックストラップ『50/50』です。 Nagie 曲構成も素晴らしいエレクトロ・ミュージ…
第一線で活躍するエンジニアに毎月お薦めの新作を語ってもらう本コーナー。今本 修氏の今月のセレクトは、オキェレマ・アサンテ『DRUM MESSAGE』、ナサニエル・レイトリフ・アンド・ザ・ナイト・スウェッツ『The Future』です。 今本 修 トライバルなパーカ…