GENELEC 8010A 〜ペア10万円以下!サイズで比べるビギナー向けモニター・スピーカー

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Photo: Takashi Yashima

GENELEC 8010A
アルミ・ボディ+Iso-Pod採用の8000シリーズ最小モデル

 フィンランドのスピーカー・ブランド、GENELECの2ウェイ・アクティブ・モニター8010A。3インチ径のウーファーに3/4インチ径のメタル・ドーム・ツィーターを装備し、それぞれ25WのクラスDパワー・アンプを搭載する。エンクロージャーにはアルミを採用。外形寸法は121(W)×181(H)×116(D)mmというコンパクトなモデルだ。また、電源オン時に無音状態が一定時間続くと自動で電源がオフになり、再度信号が入力されると自動でオンになるISS機能を内蔵する。そのほか、-10dBの感度調整やトーン・コントロール機能を搭載し、設置環境に合わせて変更が可能となっている。

8010A Rear

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リア・パネルの中央には、四角い形状の電源スイッチが備えられている。その上に見えるのは、ISSや-10dB 感度調整、デスクトップ・コントロール、低域-2dB、低域-4dBのオン/オフ・スイッチが並ぶ。本体下部には、付属のテーブル・スタンド=Iso-Podを装備

8010A Connections

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左から電源端子、入力端子(XLR)が下向きに搭載されている

SPECIFICATIONS:
■形式:2ウェイ・パワード ■スピーカー構成:3インチ・ウーファー+3/4インチ・メタル・ドーム・ツィーター ■周波数特性:74Hz~20kHz(±2.5dB)、67Hz~25kHz(-6dB) ■最大音圧レベル:96dB ■アンプ出力:25W(ウーファー)+25W(ツィーター) ■外形寸法:121(W)×181(H)×116(D)mm(Iso-Pod含む) ■重量:1.5kg/1台

 

Impression

Masayoshi Iimori
各パートの定位や奥行き感が分かりやすい

●周波数キャラクターについて

 全体的にバランスは良いのですが、あえて言うなら低域が気持ち大きめに聴こえます。中高域はフラットなサウンドですが、入力音量を上げていくと全体的に張りが出て、音像が前に押し出てくるような印象を受けました。

●解像度、定位/奥行きの再現について

 ステレオ・ワイドな音像です。定位感や奥行き感はどれも優れているので、しっかりモニターとして使えます。各パートの配置や、ハイハットのパンニングなども細かく分かりますし、ビートとその後ろで鳴っているシンセや上モノとの距離感も分かりやすいです。

●総合的な印象やそのほか感じたこと

 8010Aの外形寸法は121(W)×195(H)×116(D)mmで、重量は1.5kg(1台)とコンパクト。可搬性に優れています。しかしその見た目とは裏腹に、迫力のあるサウンドにはとても驚きました! かなりの高級&高性能なスピーカーが、小さなボディにギュッと詰め込まれている印象です。プライベート・スタジオにおいて大音量で聴く必要がないのであれば、全く申し分ない性能を発揮してくれることは間違いないでしょう。リア・パネルに搭載されたスイッチでトーン・コントロールができるのも魅力的です。8010Aより、さらに一つ上のサイズのモデルでも試聴してみたくなりました。

 

MIDO
ボーカルの歯擦音やブレスなどがよく分かる

●周波数キャラクターについて

 普段、僕は同社の1031Aを愛用してるのですが、やはり“GENELECのサウンドだ”という感じです。同社のスピーカーだけに出音のバランスは非常に良く、低域は程良く、中域ははっきり聴こえます。欲を言えば、もう少し低域に音量感があればうれしいことろ。ボーカルは明りょうに再現され、歯擦音やブレス、リバーブ成分の減衰具合などもよく分かります。高域に関しても同じで、楽曲の空気感まで奇麗に表現してくれるスピーカーだと言えるでしょう。

●解像度、定位/奥行きの再現について

 各パートの定位や奥行き感に関しては、全くそん色ありません。また、ほかのスピーカーと比べてみても、8010Aのステレオ感は広く、最近の洋楽の音像とも相性が良いです。解像度もさすがGENELEC。コンパクト・サイズながらも、細かい部分まで音像を見ることができます。

●総合的な印象やそのほか感じたこと

 僕は普段から大音量でビート・メイキングやミックス・ダウンを行うので、一つだけ挙げるとしたら、もう少し音量感が欲しいと感じました。ただし、ツアー先のホテルで作業することを考えると、持ち運び便利な8010Aのサイズ感と音量感はとても良いと思います。旅先でも高音質で作業したい方には8010Aもお薦めです。

 

ロマンチック☆安田
ずっと聴いていられるセンス良いサウンド

●周波数キャラクターについて

 低域はブーストした感じもありますが、よく出ています。出力25Wのパワー・アンプが3インチ径のウーファーと1インチ径のツィーターに搭載されていますが、それでこれだけの迫力あるサウンドが鳴るのは、正直すごいとしか言えません。中高域は少し暗い印象がしていたのですが、しばらく聴いているうちに心地良くなり、これが“GENELECの音”なんだということが分かりました。作り手のテンションを上げてくれるスピーカーなので、制作意欲が湧きます。

●解像度、定位/奥行きの再現について

 M/Sのバランスやステレオ感に関しては、十分良かったと思います。定位と解像度も良く、音像が広いのでミックス作業も行いやすそうです。

●総合的な印象やそのほか感じたこと

 今回試聴した中で、見た目のサイズ感と音の迫力において一番ギャップがあるスピーカーです。ハイファイでもローファイでもない……真面目な音なんだけれど、ずっと聴いていられるセンス良いサウンド。小さなボディに高性能なスペックを搭載しているような印象ですね。宅録環境で制作していて、スピーカーを置くスペースがあまり取れない人には、特にお薦めだと思います。出音の特徴さえ把握できていれば、しっかりミックスでも使えるでしょう。

製品情報

www.genelec.jp

GENELEC 8010A

オープン・プライス

(ダーク・グレー:市場予想価格:39,000円前後/1台、ホワイト:市場予想価格:41,000円前後/1台)

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※本記事はサウンド&レコーディング・マガジン 2020年5月号より転載しています

 

ペア10万円以下!
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