YAMAHA HS5 / HS7 〜ペア10万円以下!サイズで比べるビギナー向けモニター・スピーカー

YAMAHA HS5 / HS7

Photo: Takashi Yashima

伝統の国内ブランドが生み出した“ 精確性” 追求モデル

 YAMAHA NS-10M Studioにも通じる“ 精確性”をうたうHSシリーズは、新開発の1インチ径ドーム・ツィーターと、大型マグネットを採用した専用ウーファーを搭載。特にウーファーはバスケットやリングも再選定しており、輪郭のくっきりとした低域を実現しているという。不要な共振を抑制すべく、エンクロージャーにはMDF素材を採用し、木造建築で用いられる三方留め構造で組み上げられている点も特徴だ。また、バスレフ・ポートには最新の流体音制御技術を採用。ポート周辺に発生する空気の渦を抑え、可聴帯域のノイズを6dB SPL 減少させているという。

HS5/HS7 Rear

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HS5とHS7のリア・パネルにはバスレフ・ポート、ボリューム・ノブ、入力端子(XLR、TRSフォーン)、ROOM CONTROLスイッチ(0/-2dB /-4dB)、HIGH TRIM スイッチ(+2dB/0/-2dB)、電源スイッチ、電源端子が並ぶ

Room Control&High Trim

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ROOM CONTROLスイッチでは、壁際に設置した際に強調されやすい500Hzを0/-2dB /-4dBの3段階で調整可能。HIGH TRIMスイッチは、2kHzを±2dBで設置環境に最適なチューニングが行える

SPECIFICATIONS
HS5 ■形式:2ウェイ・パワード ■スピーカー構成:5インチ径ウーファー+1インチ径ドーム・ツィーター ■パワー・アンプ出力:45W(LF)+25W(HF) ■周波数特性:54Hz~30kHz(-10dB) ■外形寸法:170(W)×285(H)×222(D)mm ■重量:5.3kg/1台
 

HS7 ■形式:2ウェイ・パワード ■スピーカー構成:6.5インチ径ウーファー+1インチ径ドーム・ツィーター ■パワー・アンプ出力:60W(LF)+35W(HF) ■周波数特性:43Hz~30kHz(-10dB) ■外形寸法:210(W)×332(H)×284(D)mm ■重量:8.2kg/1台

Impression

Masayoshi Iimori
中~低域のバランスが良く高域も痛くない

●周波数キャラクターについて

 どこかの帯域が突出しているわけではなく、モニター・スピーカーらしいフラットなサウンドです。中域から低域にかけてのバランスが良く、低域は出ているものの中域を邪魔していません。高域もシャープながら耳が痛くなるような感じではないです。HS5の方がよりフラットで、HS7はより低域が出てパワフルかつ華やかな印象でした。

●解像度、定位/奥行きの再現について

 定位感や奥行きの再現もしっかりとなされていますが、過度に広げたような不自然さは全くありません。HS7の方が低域が出るためか、音により深みがあり奥行きも豊かです。大きめに音を出してもつぶれませんし、今回試聴したモニターの中でも解像度はかなり高い方だと思います。

●総合的な印象やそのほか感じたこと

 個人的に好みのサウンドのスピーカーでした。HS5は大きな音を出さなくてもバランス良く鳴ってくれるので、自宅で作業することを考えるとHS5の方が使いやすいかもしれません。しかし、HS7はHS5の良いところをさらにパワーアップさせたような印象なので、ある程度の音量で鳴らせる環境があるのならHS7もお薦めですね。ダンス・ミュージックなどの制作で使っても良いでしょうし、ミックスでも活躍してくれると思います。

MIDO
変な色付けの無いまさにモニターという音

●周波数キャラクターについて

 僕はHSシリーズの旧バージョンであるHS50Mというモニターを持っていて、大きな音を出せない環境でモニタリングするときに今でも使っています。HS5とHS7にはその後継機と呼ぶにふさわしいバランスの良さがありました。全帯域が均一に鳴っていて、さすが多くのスタジオで使われているNS-10M Studioを世に送り出したYAMAHAだと思います。NS-10M Studioよりも低域が出ていました。それでいて中域と高域もはっきりと聴こえます。

●解像度、定位/奥行きの再現について

 解像度も非常に高く、ボーカルにかかったリバーブの細かなニュアンスやハイハットの特に周波数が高い部分まで分かりました。定位もしっかりと再現されており、HS5/HS7どちらも好印象です。

●総合的な印象やそのほか感じたこと

 変な色付けが無く、まさにモニター・スピーカーという感じのサウンドです。少々褒め過ぎな気もしますが、音が見えると言っても過言ではありません。制作はもちろん、ミックスでも十分使えますね。大きな音を鳴らせる環境にある人はHS7を買った方が良いと思いますが、HS5とHS7の性能に大きな差は無いのでご自身の制作環境に合わせて選ぶのが良いと思います。

ロマンチック☆安田
センターと広がりのバランスが最高

●周波数キャラクターについて

 中域と高域が非常に自然な鳴り方をしており、すっと耳に入ってきました。低域にもキレがあり、HS5でも十分はっきりと聴こえます。

●解像度、定位/奥行きの再現について

 HS5は広がりはありつつも、定位としては若干センター寄りな印象を受けました。HS7はセンターと広がりのバランスが最高で、今回のラインナップの中で一番だと思います。奥行きも感じられましたね。

●総合的な印象やそのほか感じたこと

 今回試聴したモニターのさまざまな特徴をバランス良く取った音という感じがしました。モニター・スピーカーらしいフラットな特性ではあるのですが、聴いていてつまらない音ではなくリスニング用途としても使えます。一日中聴いていられるサウンドですね。しっかり鳴っているものの耳障りではないというのは一番難しいことだと思うのですが、それが実現できています。ただ、やや重心が高めな印象があるので、その点だけ気を付ければパーフェクトだと思います。HS5とHS7で大差は無いですが、HS7の方がヒップホップやハウスなどのモニタリングにより適している気がしました。今回リファレンスで試していないジャズやクラシックなどもぜひ聴いてみたいですね。

 

製品情報

jp.yamaha.com

YAMAHA HS5

オープン・プライス

(市場予想価格:15,000円/1台)

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YAMAHA HS7

オープン・プライス

(市場予想価格:24,000円/1台)

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※本記事はサウンド&レコーディング・マガジン 2020年5月号より転載しています

 

ペア10万円以下!
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