FOCAL Shape 40 〜ペア10万円以下!サイズで比べるビギナー向けモニター・スピーカー

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Photo: Takashi Yashima

FOCAL Shape 40
パッシブ・ラジエーターを両サイドに搭載したモニター

 2017年にFOCALが発表したニアフィールド向け2ウェイ・パワード・モニター=Shapeシリーズの中で一番コンパクトなモデル。亜麻繊維を使用した4インチ径コーン・ウーファーと、アルミニウム/マグネシウム合金を採用した独自技術の1インチ径ツィーターを搭載し、制動感のある正確な低域と、きめ細かな中高域を実現する。さらに、バスレフの代わりにパッシブ・ラジエーターを両サイドに備えるため、設置環境の影響を受けにくい仕様となった。2つのユニットには、それぞれ25WのクラスABパワー・アンプを内蔵し、最大音圧レベルは102dB SPLを誇る。設置角度を調整できるネジ式のゴム足も付属する。

Shape 40 Rear

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INPUTにはXLRとRCAピン、ハイパス・フィルター・スイッチを装備。SETTINGSには、左から250Hz 以下のシェルビング(±6dB)、160Hzのピーク(±3dB)、4.5kHz 以上のシェルビングEQノブをそれぞれ搭載する

Shape 40 Spikes

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底面にはネジ式のゴム足を取り付けることが可能。設置角度の調整に使用する

 

SPECIFICATIONS:
■形式:2ウェイ・アクティブ+パッシブ・ラジエーター ■スピーカー構成:4インチ(100mm)フラックス・コーン・ウーファー+1インチ(25mm)Mシェイプ・アルミニウム/マグネシウム合金リバース・ドーム・ツィーター+ダブル・パッシブ・ラジエーター  ■周波数特性:60Hz~35kHz  ■最大音圧レベル:102dB SPL(ピーク@ 1m) ■パワー・アンプ:25W(RMS)×2、クラスAB  ■外形寸法:161(W)×257(H)×200(D)mm  ■重量:5kg/1台

 

Impression

Masayoshi Iimori
ボーカルの質感や抑揚を繊細に再現できる

●周波数キャラクターについて

 Shape 40は、優しいサウンドがします。ローからローエンドにかけてはたくさん出ているわけではありませんが、言い方を変えるなら“上品な低域”という印象です。中域に関しては、ボーカルの質感や抑揚などのディテールがとても繊細に再現されています。シビランスも気にならず、心地良く聴くことができました。EDMにおいて重要なリード・シンセでも同じ傾向が見られます。高域は痛くなく、スーッと伸びやか。低域から高域まで、非常にバランスが取れたスピーカーだと思います。

●解像度、定位/奥行きの再現について

 奥行き感やステレオ感がとても広く、空間系エフェクトの再現性が高いです。リファレンス曲はそんなに広がりのある音像ではなかったのですが、それでもよく聴き取ることができました。また高解像度なので、ドラムの各パーツや各楽器、リード・シンセなどがすごくはっきりと聴こえ、ミックスダウンも行いやすそうです。

●総合的な印象やそのほか感じたこと

 まさにモニターとしてはばっちりで、どの音楽ジャンルにも使えるスピーカーです。ビート・メイキングからミックス作業まで幅広く使える、汎用性の高いモデルでしょう。価格相応の価値は十分にあります。

 

MIDO
長時間の作業でも耳が疲れない中高域

●周波数キャラクターについて

 中高域はシルキーで、5〜7kHzも痛くありません。これなら長時間作業していても耳が疲れないだろうなあという感じがします。中高域がパキッとしたサウンドのスピーカーは、第一印象は良いのですが、長時間作業をしていると耳がだんだん疲れてくる傾向があります。しかし、Shape 40はその点においては全く問題無いと思います。周波数特性は60Hz〜35kHzとスペック表に記載してありますが、僕が用意したリファレンス曲中で登場するサブベースの30〜60Hz付近もきちんと再現できていたのでパーフェクトです。恐らく、本体の両サイドに搭載されたパッシブ・ラジエーターが効果的に働いているのでしょう。

●解像度、定位/奥行きの再現について

 特にボーカルにかかったリバーブの質感がとても分かりやすく、残響音のテールまできちんと見えます。またステレオ感は広く、解像度も非常に高いのでハイハットの位置などが明確に把握できました。ビート・メイキングからミックスまで十分使えるでしょう。

●総合的な印象やそのほか感じたこと

 突っ込みどころがないくらい良かったです。ビギナーの人にとってはちょっと高い価格かもしれませんが、ぜひ店頭で試聴してみてほしいと思います。

 

ロマンチック☆安田
音楽ジャンルを選ばない“オールラウンダー”

●周波数キャラクターについて

 Shape 40は、同社のAlphaシリーズより全体的に滑らかで、明るいカラーのサウンドを持ったスピーカーだと思います。また、ハイスペックな他社のモニター・スピーカーと同様にバランスの取れた出音で、オール・ジャンルに使える要素を持っていますね。特筆するならば、若干Shape 40には音に迫力がある感じです。テンションを上げてくれるスピーカーとも言えます。

●解像度、定位/奥行きの再現について

 ステレオ感は特別に広いというわけではありませんが、程良くあります。奥行き感は普通ですが、ほかの機種と比べて全体的に手前に張り付いた音像になっている気がしますね。それがスピーカーの持つ“迫力”や“元気さ”という印象につながっているのでしょう。これがShape 40の個性なんだと思います。

●総合的な印象やそのほか感じたこと

 最近の邦楽ロック・バンドの音楽と、Shape 40のサウンドは親和性が高そうです。しかし、全体的には音楽ジャンルを選ばない“オールラウンダー・タイプのスピーカー”の一言に尽きます。明るいサウンドなので、スタジオで誰かとコライトなどをするときなどに用いれば、終始楽しいテンションで作業ができるかもしれませんね。

 

製品情報

www.minet.jp

FOCAL Shape 40

45,370 円/1台

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※本記事はサウンド&レコーディング・マガジン 2020年5月号より転載しています

 

ペア10万円以下!
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