KRK RP5G4 / RP7G4〜ペア10万円以下!サイズで比べるビギナー向けモニター・スピーカー

FOCAL Alpha 50 / Alpha 65

Photo: Takashi Yashima

25種類のプリセットを擁するグラフィックEQ搭載機

 2ウェイ・パワード・モニターRokitシリーズの第4世代で、上位機種に使われているケブラー・コーンのウーファーを初めて採用した。ブリックウォール・リミッター搭載のクラスDパワー・アンプを備え、RP5G4は55W、RP7G4は145Wの最大出力を実現している。流体力学に基づいた低共振エンクロージャーのフロント・パネル下部には、ファイアリング・ポートを用意。壁に寄せた設置を可能にするだけでなく、ローエンドの精度やサウンドの明りょう性を高めているという。また、内蔵DSP 駆動のグラフィックEQを搭載しているのも特徴。リア・パネルの液晶画面で状態を把握しながらの操作が可能だ。

RP5G4/RP7G4 Rear

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リア・パネル上部には入力端子(XLR/ TRSフォーン・コンボ)、EQディスプレ イ、ボリューム・ノブ、下部には電源ス イッチと電源端子を備える

Hi Resolution DSP Room Tuning

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DSP 駆動のグラフィックEQを搭載。25 種類のプリセットを用意しており、選択し たプリセットのEQ 特性を画面に表示。制 作環境に合わせたルーム・アコースティッ ク・チューニングが行える

SPECIFICATIONS
RP5G4 ■形式:2ウェイ・パワード ■スピーカー構成:5インチ径ケブラー・ウーファー+1インチ径ツィーター ■周波数特性:43Hz~40kHz ■最大音圧レベル:104dB ■外形寸法:190(W)×285(H)×241(D)mm ■重量:4.85kg/1台

RP7G4 ■形式:2ウェイ・パワード ■スピーカー構成:7インチ径ケブラー・ウーファー+1インチ径ツィーター ■周波数特性:42Hz~40kHz ■最大音圧レベル:110dB ■外形寸法:225(W)×339(H)×284(D)mm ■重量:7.6kg/1台

Impression

Masayoshi Iimori
体に振動が伝わる圧倒的なパワー

●周波数キャラクターについて

 低域のまとまりが素晴らしいです。キックやベースなどボトムに配置された楽器が渾然一体となって迫力を出している感じがしました。また、高域もパワフルで非常に聴き心地が良いのですが、モニタリングという用途から考えるともう少し音がシャープでも良いのかもしれません。中域もしっかりと聴こえます。しかし、低域と高域が力強い分、若干押され気味な感じがしました。

●解像度、定位/奥行きの再現について

 解像度は非常に高く、曲全体を聴いたときのまとまりが良いですね。奥行きもしっかりと感じられます。フラットな特性のモニターの場合、音が詰まったように聴こえることもありますが、RP5G4/RP7G4はスピーカーの後ろからどんと音が鳴っている感じがしました。定位についても音が分散しておらずまとまりは良いのですが、細かな部分の再現性はやや落ちる印象です。ただ、サイドへの音の広がりも十分あるので、ミックスでも活躍すると思います。

●総合的な印象やそのほか感じたこと

 サブベースが動くと体にも振動が伝わってくるほどの圧倒的なパワーに驚きました。RP7G4の方がよりダイナミックな音像で、クラブで使うスピーカーのようです。ダンス・ミュージック系のクリエイターが好むのも納得ですね。

 

MIDO
解像度が高く全帯域が鮮明に聴こえる

●周波数キャラクターについて
 全帯域が安定しており、バランスが良いですね。僕は10年ほど前にKRKのモニター・スピーカーを使っていたことがあり、その当時はある程度音量を出すと高域が耳に痛かったのですが、RP5G4/RP7G4はそのようなことが全くありませんでした。低域はRP7G4の方がより出ていて、制作/ミックスで使うと気分が上がりそうです。

●解像度、定位/奥行きの再現について
 解像度がとても高く、低域から高域まで鮮明に聴こえました。サイドへの音の広がりや奥行きもしっかりと再現ができています。わずかな差ですが、定位についてはRP5G4より、RP7G4の方がより正確に再現できている印象です。

●総合的な印象やそのほか感じたこと
 先述の通り、以前KRKのスピーカーを使っていたので、今回4世代目のRokitシリーズがどのように進化しているのか気になっていましたが、僕の予想をはるかに超えてきました。RP7G4はもちろんですが、RP5G4でも僕が用意したヒップホップやポップスのリファレンス楽曲を十分再現できています。以前のRokitはクリエイター向けのスピーカーという印象でしたが、これだけフラットに近いサウンドになっているのならば、ミックスでも使えます。それでいてテンションが上がる音なので、作業が楽しくなりそうですね

 

ロマンチック☆安田
天井が高くルーム感が豊かなイメージ

●周波数キャラクターについて
 低域にパワーはあるのですが、音量的に出過ぎておらず独特の奥ゆかしさや色気がありました。中域はマットな印象で、RP5G4の方がやや中高域寄りです。また、高域はかっちりとした音ですが、それでいて滑らかですね。どちらも全帯域のバランスが良く、RP7G4はより均一でした。

●解像度、定位/奥行きの再現について
 僕はドラムとボーカルの距離にゆとりがあり、奥行きが広い音像が好きなのですが、そういった点でも評価できますね。天井が高くルーム感が豊かなイメージです。定位としてはセンターに重心があって、そこへ左右に音が加わりRP5G4/RP7G4が本来持つ広さにハッとさせられうようなイメージでした。解像度は全帯域でバランスが良く、特にローが鮮明に聴こえます。RP7G4の方がより定位の再現性や解像度は高かったです。

●総合的な印象やそのほか感じたこと 
 パワー・アンプの出力が大きいからだと思うのですが、出音に余裕があり、音量を上げてもいっぱいいっぱいな感じが全くありませんでした。それでいてサウンドの方向性としてはシックで、派手過ぎないアダルトな印象を受けます。さらっとした滑らかなテイストなので、ジャンルを選ばずに使えると思いました。

製品情報

www.electori.co.jp

 

KRK RP5G4

オープン・プライス

(市場予想価格:18,000円前後/1台)

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KRK RP7G4

オープン・プライス

(市場予想価格:24,000円前後/1台)

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※本記事はサウンド&レコーディング・マガジン 2020年5月号より転載しています

 

ペア10万円以下!
サイズで比べるビギナー向けモニター・スピーカー

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