PRESONUS Eris E3.5 / Eris E4.5 〜ペア10万円以下!サイズで比べるビギナー向けモニター・スピーカー

PRESONUS Eris E3.5 / Eris E4.5

Photo: Takashi Yashima

堅牢なケブラー製のウーファーを備えたモニター

 ケブラー・コーンを採用したウーファーと、ワイドな分散パターン・デザインの低質量シルク・ドーム・ツィーターを装備するEris Eシリーズ。Eris E3.5/Eris E4.5 共に、25W出力のクラスABパワー・アンプを1基ずつ備えている。電源投入時のポップ音を抑制してスピーカーの損傷を防ぐソフト・スタートアップ機能や信号へ対するラジオ周波数の干渉を防ぐRFシールド、超低域の振動を除去するサブソニック・フィルターなどスピーカーを保護するさまざまな機能を搭載している点も特徴だ。フロント・パネルにはAUX 入力とヘッドフォン出力(いずれもステレオ・ミニ)を用意している。

Eris E3.5 Rear

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Eris E3.5の主要機能はLchスピーカーのリア・パネルに集中している。それぞれ±6dBで調整可能なACOUSTIC TUNINGノブ(HIGH/LOW)、バスレフ・ポート、Rスピーカーへの接続端子、入力端子(TRSフォーンL/R、RCAピンL/R)、電源端子という構成だ

Eris E4.5 Rear

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Eris E4.5のリア・パネルの構成はErisE3.5とほぼ同じだが、LOW CUT OFFスイッチ(FLAT/80Hz/100Hz)やACOUSTIC SPACEスイッチ(-4/-2/0dB)が追加されている

SPECIFICATIONS
Eris E3.5 ■形式:2ウェイ・パワード ■スピーカー構成:3.5インチ径ケブラー・ウーファー+1インチ径シルク・ドーム・ツィーター ■周波数特性:80Hz~20kHz ■クロスオーバー周波数:2.8kHz ■外形寸法:141(W)×210(H)×162(D)mm ■重量:2.9kg/ペア

Eris E4.5 ■形式:2ウェイ・パワード ■スピーカー構成:4.5インチ径ケブラー・ウーファー+1インチ径シルク・ドーム・ツィーター ■周波数特性:70Hz~20kHz ■クロスオーバー周波数:2.8kHz ■外形寸法:163(W)×241(H)×180(D)mm ■重量:5.9kg/ペア

Impression

Masayoshi Iimori
定位の再現性が高く横への広がりがある

●周波数キャラクターについて

 震えるというほどではないものの、このサイズからは想像できないほど低域がしっかりと出ており、キックに迫力がありました。中域はやや押され気味な印象もありますが、サウンドとしては良いと思います。高域もクリアでよく聴こえ、個人的に好きなテイストです。低域から高域までのバランスという点ではEris E3.5の方がまとまりがあり、低域と高域の力強さはEris E4.5に軍配が上がるので、それぞれ違った良さがありました

●解像度、定位/奥行きの再現について

 Eris E3.5がペアで13,704円、Eris E4.5が22,963円ということを考えると、定位や奥行きの再現性もかなり高く、横への広がりも感じられました。解像度も高いのでどちらのモデルも制作で十分使えますね。

●総合的な印象やそのほか感じたこと

 まずは価格の手ごろさに驚きました。実際に試聴してみると、ペアでこの価格だとは思えないクオリティの高さでしたね。Eris E3.5/Eris E4.5共に作りがしっかりしており、コスト・パフォーマンスに優れています。見た目もマットで洗練されており、安っぽさが無いのも高印象です。初心者の方が最初のモニター・スピーカーとして選ぶのにはもってこいの製品だと感じました。

 

MIDO
プロが比較試聴などで使う際にもお薦め

●周波数キャラクターについて

 コンパクトながら低域から高域まで均一に音が出ていると思います。特に中域の印象が良く、ボーカルが際立っていましたね。高域もハイハットの刻みが鮮明に聴こえました。Eris E3.5とEris E4.5で大差はありませんが、スペック的にもEris E4.5の方が低域が出ていた気がします。全帯域のまとまりという点では、Eris E3.5の方が優れていました。

●解像度、定位/奥行きの再現について

 価格から考えると、解像度はEris E3.5/Eris E4.5共に十分クリアだったと思います。奥行きもしっかりと再現できており、出音に広さを感じました

●総合的な印象やそのほか感じたこと

 どちらのモデルもとにかくリーズナブルなので、ビギナーの方が第一歩として買うのに良いでしょう。配線が苦手という方でも接続がシンプルなので、扱いやすいと思います。また、パワー・アンプの出力が25Wと控えめなので、プロのクリエイターやエンジニアが一般的なリスナーの再生環境を想定して作業する際にも活用できるのではないでしょうか。低域により重きを置くヒップホップなどでメイン・モニターとして使いたい場合はEris E4.5の方が適していると思いますが、ほかのスピーカーと併用し、比較試聴などするのであればどちらのモデルもお薦めです。

 

ロマンチック☆安田
天井が高くルーム感が豊かなイメージ

●周波数キャラクターについて

 非常にモニター的なサウンドで、色付け無く全帯域がフラットに出ています。高域が特に鳴っているので、制作やミックスの際はそれを念頭に置いて作業するのがよいでしょう。中域には癖が全くありません。さすがにサブベースなどの超低域の再生は難しいものの、エンクロージャーがコンパクトなためか低域もくっきりしておりクリアでした。

●解像度、定位/奥行きの再現について

 今回試聴した中で比較的高額なモデルと比べてもそん色が無いくらい解像度や定位の再現性が高いですね。サウンドに広がりがありました。

●総合的な印象やそのほか感じたこと

 とにかく音を脚色しないモニター然としたスピーカーなので、ミックスでも十分使えると思います。出音を聴いていてテンションが上がるというタイプではなく職人気質な感じのモデルなので、ノリに頼らずしっかりと音を作り込んでいけるのではないでしょうか。Eris Eシリーズでバランス良くミックスができたら、どのような環境であってもイメージが崩れることはないと思います。初心者の方でも手を出しやすい価格ですが、この特性から考えると今回のラインナップの中で一番上級者向けなのかもしれません。非常に懐の深いモニター・スピーカーですね。

 

製品情報

www.mi7.co.jp

PRESONUS Eris E3.5

13,704円/ペア

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PRESONUS Eris E4.5

22,963円/ペア

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※本記事はサウンド&レコーディング・マガジン 2020年5月号より転載しています

 

ペア10万円以下!
サイズで比べるビギナー向けモニター・スピーカー

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