Photo: Takashi Yashima
EVE AUDIO
独自設計のAMTツィーターを装備したスピーカー
SC203には、±5mmの駆動範囲を誇るボイス・コイル搭載の3インチ径ウーファーと、専用μAMT(Air Motion Transformer)ツィーターを採用。筐体にはもともと7.5°の傾斜が付いているが、付属のラバー・パッドを使うことで、水平もしくは15°の傾斜に変更でき、最適な角度でモニタリングが可能だ。SC205はハニカム構造素材をグラスファイバーでコーティングした5インチ径シルバー・コーン・ウーファーと、独自設計のAMT RS1ツィーターという組み合わせで、タイトな中~低域と高解像度な高域を実現しているという。両モデルとも内蔵DSPにより、設置環境に合わせたチューニングが行える。
SC203 Rear
SC205 Rear
SPECIFICATIONS:
SC203 ■形式:2ウェイ・パワード ■スピーカー構成:3インチ径ウーファー+μAMTツィーター ■パワー・アンプ出力:30W(LF)+30W(HF) ■周波数特性:62Hz~21kHz(-3dB) ■外形寸法:116(W)×190(H)×134(D)mm ■重量:1.9kg(R)、1.7kg(L)
SC205 ■形式:2ウェイ・パワード ■スピーカー構成:5インチ径シルバー・コーン・ウーファー+AMT RS1ツィーター ■パワー・アンプ出力:50W(LF)+50W(HF) ■周波数特性:53Hz~21kHz ■外形寸法:175(W)×275(H)×233(D)mm ■重量:5kg/1台
Impression
Masayoshi Iimori
サブベースのうねりがはっきり分かる
●周波数キャラクターについて
SC205は低域にフォーカスしており、サブベースのうねりなどもはっきりと分かります。中域ももちろん聴こえるのですが、低域の押し出しが強いリファレンス音源だったこともあり若干もこっとした印象です。高域は音量的にしっかりと鳴っており、音としてはやや丸みを帯びているように感じました。一方、SC203はサイズが小さいため、倍音が豊かなベースであれば問題無いのですが、シンプルなサウンドで超低域を鳴らすとやや聴こえにくくなる感じがありました。中域から高域に関してはSC205とそん色無く、小ささを感じさせないバランスの良さです。
●解像度、定位/奥行きの再現について
SC205は左右の広がりや奥行きもしっかりと感じられるワイドな音像ですね。SC203もウーファーの口径が3インチであることを考えると非常によく再現できており、ホーム・ユースでは全く問題がありません。解像度も良好ですが、高域にもう少し明りょうさが欲しいところです。
●総合的な印象やそのほか感じたこと
特にSC205で4つ打ちのクラブ・ミュージックなどを聴くと非常に気持ちが良いだろうな感じました。ただ、低域の押し出しが強いので、ミキシングで使う場合はバランスに注意した方が良いかもしれません。
MIDO
全帯域バランスが良く際立っている
●周波数キャラクターについて
全帯域のバランスが非常に良いですね。特に中域に関しては、SC203とSC205のどちらを買おうか迷ってしまうほどよく出ており、ボーカルもクリアに聴こえました。高域もしっかりと鳴っていますが、SC203の方がシャープな印象です。SC205のウーファー口径が5インチであることを考えると、低域はもう少し出ていても良いかと思いました。
●解像度、定位/奥行きの再現について
定位や奥行きの再現性も高いですね。特にSC205はほかのレビュアーのリファレンス楽曲を後方で聴いていても好印象だったので、セッティングや環境によってはかなりスウィート・スポットが広くなるのではないかと思います。
●総合的な印象やそのほか感じたこと
両モデルともバランスの良さが際立っており、SC205は硬過ぎず、それでいて芯はしっかりとしたサウンドです。そして今回初めてウーファー口径が3インチ程度のスピーカーを聴いたのですが、SC203はこのサイズでこれほどしっかりと鳴るのかと驚きました。自宅スタジオの都合上大きな音が出せない方や、L/Rのスピーカー併せて3.6kgなので持ち歩いて使いたいという方にもお薦めです。接続もLchがスレーブで駆動するため、ケーブル類の取り回しが良い点も魅力的だと感じました。
ロマンチック☆安田
現代的なチューニングが施されている
●周波数キャラクターについて
SC205は低域に立体感があり非常にファットなサウンドです。ウーファー口径の都合でSC203はSC205ほど低域は出ませんが、その分輪郭がはっきりとしています。中域はどちらのモデルもあっさりとしており、主張し過ぎず癖の無い聴こえ方だと思いました。高域は聴きやすく、7~8kHz辺りがしっかりと感じられました。クラップやハイハットのチリッとした部分が聴こえ、こんなところも出ていたのかという発見がありました。それでいて耳につく感じは無いので、高域を丁寧に処理する際に適していると思います。
●解像度、定位/奥行きの再現について
非常に広がりを感じる音像ですね。奥行きもあり、リファレンス曲をヘッドフォンで聴いたときと全く同じ印象でした。解像度も高く、くっきりとしています。明りょうなだけでなく、潤いに包まれたようなサウンドですね。スティーヴィー・レイ・ヴォーンのギターをほうふつさせるようなプリッとしたテイストだと思います。
●総合的な印象やそのほか感じたこと
DSPによる低域の立体感など近年のトレンドを踏襲した現代的なチューニングが施されていると感じました。そういった点からもヒップホップやEDM、トラップなどが合うかと思います。
製品情報
EVE AUDIO SC203
64,630円/ペア
EVE AUDIO SC205
50,000円/1基
※本記事はサウンド&レコーディング・マガジン 2020年5月号より転載しています
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