MACKIE. CR3 〜ペア10万円以下!サイズで比べるビギナー向けモニター・スピーカー

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Photo: Takashi Yashima
※写真はリミテッド・カラー仕様のCR3-LTD(2145C)。台数限定で、販路も通常カラーのCR3と異なりますがスペックに違いは無いため、本特集内ではCR3と表記いたします

MACKIE. CR3
フロントからボリューム・コントロールが可能なモデル

 3インチ径ポリプロピレン・コーティング・ウーファー+0.75インチ径シルク・ドーム・ツィーターを搭載した2ウェイ・パワード・モデル。50W出力のクラスABアンプを備え、最大音圧レベルは97dBとなっている。マスター・スピーカーのフロント・パネルには電源スイッチ、ボリューム・ノブ、AUX入力端子(ステレオ・ミニ)、ヘッドフォン出力端子(ステレオ・ミニ)を備えており、主要な操作がスピーカーの正面から行えるのもうれしいポイントだ。小さなレベルでも適正なサウンドで再生するスムース・ウェーブガイド・デザインと、なめらかな低域を実現するバスレフ・ポートを採用している。

CR3 Rear

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リア・パネルの左側には入力端子(TRSフォーンL/R、RCAピンL/R)、POWERED SPEAKER POSITION SELECTスイッチ(L/R)が並び、その隣にはバスレフ・ポートとスレーブ・スピーカーへの接続端子、最下段には電源スイッチが搭載されている

Powered Speaker Position Select

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POWERED SPEAKER POSITION SELECTスイッチを使用することで、ボリューム・ノブの付いたメイン・スピーカーを左右どちらにでも設置できる

SPECIFICATIONS:
■形式:2ウェイ・パワード ■スピーカー構成:3インチ径ポリプロピレン・コーティング・ウーファー+0.75インチ径シルク・ドーム・ツィーター ■パワー・アンプ出力:50W(ピーク) ■最大音圧レベル:97dB ■周波数特性:80Hz~20kHz(-3dB)、70Hz~20kHz(-10dB) ■クロスオーバー周波数:3kHz ■外形寸法:140(W)×208(H)×158(D)mm ■重量:4.1kg/ペア

 

Impression

Masayoshi Iimori
ビギナーには最初の一台としてもお薦め

●周波数キャラクターについて

 ローエンドに関してはそこまでブーミーではないのですが、ローからローミッドにかけては全体的に膨らんでいる感じです。リファレンス曲によってはそれが心地良い場合もありますが、中域で鳴るサブベースの倍音が若干派手に聴こえる曲もありました。ボーカルは奇麗に聴こえます。高域はパキッとしているので、キックのアタックやハイハットが際立って聴こえます。

●解像度、定位/奥行きの再現について

 定位感や奥行き感は良好です。各ドラム・パーツや楽器の配置がとてもよく分かりました。解像度は必要十分で、ステレオ感も同じようなことが言えます。しかし、ペアで1万円強という価格から考えると、このクオリティは素晴らしいのではないのかなと思います。

●総合的な印象やそのほか感じたこと

 手が出しやすい価格帯なので、ビギナーには最初のモデルとしてもお薦めできます。迷ったらとりあえずCR3を選択しておけば良いのではないでしょうか。CR3はミックスにも使えると思いますが、低域が心地良いのでビート・メイキングに用いるのもよいでしょう。ヒップホップやダンス・ミュージックなど、低域重視の音楽を制作するには持ってこいのスピーカーだと思います

 

MIDO
作り手のテンションを上げてくれる音

●周波数キャラクターについて

 低域がしっかりと出ていて予想以上に良かったです。ボーカルもくっきりしていて、高域もハイハットやシンバルは奇麗に鳴っています。超低域もちゃんと出てはいるのですが、ヒップホップやトラップ的な観点からみると、もう少しだけ大きく出ていてもよかったかなと思いますね。ただ、全体的なバランスは申し分ありません。この価格でこんなに良いスピーカーを作られたら、正直焦りますね(笑)。

●解像度、定位/奥行きの再現について

 くっきりと音像が見えるので、解像度は高く、定位感も良いです。奥行き感も程良くあり、ボーカルの後ろで鳴っている上モノのリバーブ成分は、細かいニュアンスまでよく伝わってきます。

●総合的な印象やそのほか感じたこと

 どうしてこの価格でこんなに良い音が出せるのでしょうか? 秘密をMACKIE.に聴いてみたいですね。CR3は、どちらかというと作り手のテンションを上げてくれるタイプで、ビート・メイキングや制作に十分使える立派なモニター・スピーカーだと言えるでしょう。これのみでミックス・ダウンも可能ですが、ローエンドはもう少し出てていいのかもしれません。できれば、読者の方も実際に店頭で試聴してみてほしいスピーカーです。

 

ロマンチック☆安田
音像がとても立体的に聴こえる

●周波数キャラクターについて

 3インチ径ウーファー搭載モデルということで、さすがにローエンドまでは難しいのですが、ローからローミッド辺りはMACKIE.らしい重心低めのサウンド。洋楽的な雰囲気の音がするので個人的には好きです。例えるなら、海外のエンジニアにマスタリングを行ってもらったときのようなサウンドを持っているとも言えます。高域は緩やかにロールオフしていて、マイルドな感じです。

●解像度、定位/奥行きの再現について

 定位/解像度はともに高いです。この価格帯でこんなにはっきりと定位が分かり、ステレオ感が広いのはとてもうれしいですね。音像がとても立体的に聴こえるので、ミックスにもきちんと使えると思いますね。

●総合的な印象やそのほか感じたこと

 ペア1万円強でこの音だったら、めちゃくちゃ良いです。今回試聴したスピーカーで同じ価格帯だとPRESONUS Eris E3.5がありますが、そちらはどちらかというとよりミックスに特化していると思うので、楽しくビート・メイキングしたいクリエイターにはCR3をお薦めしたいですね。値段以上の価値は全然あると思います。重心が低いので、ヒップホップやダンス・ミュージック、あとは洋楽的な音像のロックなどが合いそうです。

製品情報

mackie-jp.com

MACKIE. CR3

オープン・プライス

(市場予想価格:11,637円/ペア)

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※本記事はサウンド&レコーディング・マガジン 2020年5月号より転載しています

 

ペア10万円以下!
サイズで比べるビギナー向けモニター・スピーカー

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