IK MULTIMEDIA ILoud Micro Monitor / ILoud MTM 〜ペア10万円以下!サイズで比べるビギナー向けモニター・スピーカー

FOCAL Alpha 50 / Alpha 65

Photo: Takashi Yashima

IK MULTIMEDIA
内蔵DSPで最適なモニタリング環境を構築可能なモデル

 ILoud Micro Monitorは、クラスDパワー・アンプを4基搭載することで合計50W RMS、最大音圧レベル107dBの出力を実現。また56ビットDSPを内蔵しており、机の上に設置した際の乱反射を抑制するDESKTOPモードなど、リア・パネルのEQスイッチで操作できるのも特徴だ。ILoud MTMは3.5インチ径ウーファー×2+1インチ径ツィーター搭載の2ウェイ/3ユニット構成。付属のARCマイクで音場測定し、内蔵DSPで環境に合わせて自動補正。リア・パネルのEQスイッチからさらに細かな調整が行える。付属の専用スタンドで、0~20°の傾斜が付けられるのもトピック。

ILoud Micro Monitor Rear

Alpha 50/Alpha 65 Rear

Lスピーカーのリアには左上からBLUETOOTHスイッチ、VOLUMEノブ、EQスイッチ(FLAT/DESK、FLAT/HF+2dB、FLAT/LF-3dB)、Rスピーカーとの接続端子、その右に入力端子(ステレオ・ミニ、RCAピン)、最下段に電源端子と電源スイッチが並ぶ

IK MULTIMEDIA ILoud MTM Rear

Alpha 50/Alpha 65 Rear

ILoud MTMのリア・パネル最上段には、LF EXTENSIONスイッチ(40/50/60Hz)、LFスイッチ(-3dB/FLAT/+2dB)、HFスイッチ(-2dB/FLAT/+2dB)、CAL/PRESETスイッチ(CAL/FLAT/DESK)、SENSスイッチ(-10dBV/+4dBV)を搭載。その下は、VOLUMEノブ、入力端子(XLR/TRSフォーン・コンボ)、ARCマイク・イン、USB端子、電源端子、電源スイッチという構成だ

ARC Mic

Alpha 50/Alpha 65 Rear

ILoud MTMには測定用のARCマイクが付属。リスニング・ポジションに設置して測定を行うだけで、最適なモニタリング環境になるよう自動で音場補正を行える

SPECIFICATIONS:
ILoud Micro Monitor ■形式:2ウェイ・パワード ■スピーカー構成:3インチ径ウーファー+0.75インチ径シルク・ドーム・ツィーター ■周波数特性:40Hz〜24kHz ■クロスオーバー周波数:3kHz ■外形寸法:90(W)×180(H)×135(D)mm ■重量:920g(L)、800g(R)

ILoud MTM ■形式:2ウェイ3スピーカー・パワード ■スピーカー構成:3.5インチ径ポリプロピレン・ウーファー×2+1インチ径シルク・ドーム・ツィーター ■周波数特性:50Hz~24kHz(±2dB) ■クロスオーバー周波数:3.1kHz ■外形寸法:130(W)×264(H)×160(D)mm ■重量:2.5kg/1台

Impression

Masayoshi Iimori
低域のミックスで必要な点がよく聴こえる

●周波数キャラクターについて

 ILoud MTMは低域がよく出ているというわけではないのですが、ミキシングで必要となるポイントがしっかりと聴こえます。高域は両モデルとも奇麗で、ILoud MTMはより分離感が優れている印象です。中域もバランスがよく、ILoud Micro Monitorも過度に音量を上げなければバランスが崩れることはありませんでした。

●解像度、定位/奥行きの再現について

 定位や奥行きの再現、音の広がりも大変良好です。ただ再現度の高さは筐体やユニットの大きさに関係している感じがしました。解像度はどちらも高かったので、外出先などで急に作業をしなければならなくなったときなどには、ILoud Micro Monitorでも十分対応できると思います

●総合的な印象やそのほか感じたこと

 今回初めてILoud Micro Monitorを聴いたのですが、あれほどコンパクトながらここまでしっかりと鳴らせるのかと驚きました。先述の通り音に広がりもあり、筐体の小ささを感じさせない不思議なモニターですね。そしてILoud MTMは自宅でも使っているのですが、今回普段よりも大きい音でリファレンスを再生したところ限界まで頑張って鳴らしているような印象を受けたので、ボリュームはあまり上げ過ぎない方が良いなと感じました。

 

MIDO
サイズからは想像できない解像度の高さ

●周波数キャラクターについて

 どちらのモデルも低域から高域までしっかりと出ており、バランスが良かったですね。特にILoud MTMはウーファーを2基搭載していることもあり、全帯域が均一に鳴っている印象を受けました。リファレンス楽曲もしっかりと再現できていたと思います。

●解像度、定位/奥行きの再現について

 定位感も良く奥行きもしっかりと感じられました。このサイズからは想像できない解像度の高さにも驚きました。

●総合的な印象やそのほか感じたこと

 今回初めてILoud Micro Monitorを試聴しましたが、出先で使うため携行している人が多い理由が分かるクオリティの高さでした。ただその場合、オーディオ・インターフェースも一緒にスーツケースや大きめの鞄に入れて持ち歩くことを考えれば、僕はむしろILoud MTMを使いたいと思いました。ILoud MTMは130(W)×264(H)×160(D)mmというサイズで70Wの高出力ですし、定位もより再現できているので、持ち歩き用スピーカーの可能性が広がるような気がします。ぜひツアー先のホテルなどで使用してみたいですね。また、両モデルともフロント・パネルのLEDがピーク・インジケーターの役割を果たしており、これはあらためて重要な機能だと実感しました

 

ロマンチック☆安田
繊細なパンニングの違いも分かる

●周波数キャラクターについて

 高域~中域にかけて本当にフラットだと感じました。過度な味付けはされていないのですが、情報量は非常に多いですね。ハイハットをたたく際の細かなニュアンスや、マイク録りの空気感なども伝わってきます。低域に限ってはILoud Micro Monitorには小ささゆえのレンジの狭さを感じましたが、ILoud MTMはしっかりと出ていながら輪郭がくっきりとしていました。ほかのスピーカーに比べると音量的には控えめなので、その点を念頭に置いてミックスすれば十分バランス良く仕上げることができると思います。

●解像度、定位/奥行きの再現について

 両モデルとも解像度が非常に高く、広がりもありました。定位の再現性にも優れており、繊細なパンニングの違いも分かります。立体感もあるのですが、奥行き感はやや薄いので、ILoudシリーズに限らずペアで10万円以下のモニターだと難しいポイントなのかもしれません。

●総合的な印象やそのほか感じたこと

 今回試聴したものの中で群を抜いて出音がくっきりしていましたね。YAMAHA NS-10M Studioに通じる素直なサウンドだと思います。どちらのモデルも大変良くできていますが、低域のニュアンスなどから個人的にはILoud MTMを気に入りました。

製品情報

www.ikmultimedia.com

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IK MULTIMEDIA ILoud Micro Monitor

37,000円/ペア

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IK MULTIMEDIA ILoud MTM

43,000円/1台

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※写真のILoud Micro MonitorはWhite Editionですが、価格/スペック共にBlackモデルと同じため、ILoud Micro Monitorとして掲載いたします
 

※本記事はサウンド&レコーディング・マガジン 2020年5月号より転載しています

ペア10万円以下!
サイズで比べるビギナー向けモニター・スピーカー

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