Photo: Takashi Yashima
定在波を抑制する六角形キャビネットを採用したモデル
Turboシリーズの特徴的な六角形キャビネットは、定在波を抑制し、定位と奥行きを明りょうに再現するという。防磁型セラミック皮膜ポリプロピレン・コーン・ウーファーとシルク・ドーム・ツィーターを搭載しており、内蔵パワー・アンプはTurbo 4が30W(LF)+20W(HF)、Turbo 6が60W(LF)+30W(HF)という仕様だ。リア・パネルにはLF(100Hz)とHF(10kHz)のEQノブを備えており、それぞれ±6dBで調整できる。なお、ウーファーが5インチ仕様のTurbo 5と8インチ仕様のTurbo8もラインナップされており、全モデル赤/黒/黄という3色のカラー・バリエーションから選択可能だ。
Turbo 4 Rear
Turbo 6 Rear
SPECIFICATIONS
Turbo 4 ■形式:2ウェイ・パワード ■スピーカー構成:4インチ径防磁型セラミック被膜ポリプロピレン・コーン・ウーファー+1インチ径シルク・ドーム・ツィーター ■周波数特性:60Hz~30kHz ■クロスオーバー周波数:3kHz ■外形寸法:173(W)×245(H)×195(D)mm ■重量:4.5kg/1台
Turbo 6 ■形式:2ウェイ・パワード ■スピーカー構成:6.5インチ径防磁型セラミック被膜ポリプロピレン・コーン・ウーファー+1インチ径シルク・ドーム・ツィーター ■周波数特性:50Hz~30kHz ■クロスオーバー周波数:3kHz ■外形寸法:229(W)×328(H)×260(D)mm ■重量:7.6kg/1台
Impression
Masayoshi Iimori
ボーカルが際立ち気持ち良く聴こえる
●周波数キャラクターについて
低域がパワフルで、キックのアタック感が強いですね。特にTurbo 6は、小さな音量でもしっかりと感じられます。中域はローにやや押されている印象ですが、ボーカルは際立っており気持ち良く聴くことができました。高域も音量的にしっかりと出ていますが、決して耳が痛くなるようなサウンドではありません。
●解像度、定位/奥行きの再現について
定位感や奥行きの再現性も高く、特に制作やリスニング用途において心地良く聴け、活躍しそうな印象を受けました。ただ、Turbo 4に比べるとTurbo 6の方がより正確に再現できていたので、大音量で鳴らしたときに真価を発揮するシリーズなのかもしれません。解像度も全帯域にわたって高く明りょうだったので、全体的にバランスの取れたシリーズですね。
●総合的な印象やそのほか感じたこと
非常にパワフルなイメージのモニターです。今回のラインナップの中でもずば抜けてエネルギッシュな感じですね。音を楽しく聴かせてくれるスピーカーなので、ぜひいろいろなジャンルの曲を再生してみたいなと思いました。定在波を抑えるというこの特徴的なキャビネット・シェイプもお気に入りです。
MIDO
前に押し出すような硬くて強い低域
●周波数キャラクターについて
今回初めてMONEKY BANANAのモニターを試聴しましたが、全帯域のバランスの良さに驚きました。低域は音を前に押し出すような硬くて強い印象です。中域はボーカルの抜けが良く、高域もしっかりと聴こえました。周波数キャラクターは総合的に好印象です。
●解像度、定位/奥行きの再現について
定位や奥行き感の精度が高く、左右への音の広がりも感じられました。リファレンス曲をしっかりと再現できていますね。解像度も高く、今回試聴したモニター・スピーカーの中では比較的高額なシリーズなので、それに見合ったクオリティだと思います。
●総合的な印象やそのほか感じたこと
Turbo 6の方がより優れた印象ですがTurbo 4も十分高品位なモニターなので、初心者の方は無理せず自宅スタジオの広さや予算に合わせて選ぶのが良いと思います。ヒップホップやポップスで使われている打ち込みのサウンドはもちろん、ドラマーがたたく生のハイハットもバランス良く聴こえたので、ジャンルを問わず使えるのではないでしょうか。黒だけに止まらず、赤や黄色といった多彩なカラー・バリエーションが用意されているのもMONKEY BANANAの魅力ですね。
ロマンチック☆安田
フィジカルなノリを与えてくれるモニター
●周波数キャラクターについて
全体的にバランスが良く、どこかの帯域が出過ぎているということがありませんでした。特に低域は重心が低く、量感があります。海外のエンジニアにマスタリングを仕上げてもらったようなサウンドです。
●解像度、定位/奥行きの再現について
やや粗さのようなものは感じますが、解像度は高くくっきりとした音像です。定位もしっかりと再現されており、微細なパンニングの違いも分かりました。センターに寄っているわけでなく、それでいてサイドに広がり過ぎるわけでもないというバランスの良さが光っています。奥行きはざっくり手前と奥というワイルドな感じですが、しっかりと前後感はありました。
●総合的な印象やそのほか感じたこと
Turbo 4/Turbo 6で再生すると、色付けはしていないもののとにかくパワフルなサウンドになる。バランスの良い優等生っぽさもありながら、これだけ力強いというのはすごいことですね。ジャンルとしてはラウド・ロックやEDMなどエモーショナルなものが合うでしょう。ただ、ジャズやクラシックでもしっとりではなく、体を動かしながら聴きたいという場合であればマッチすると思います。フィジカルなノリを与えてくれるスピーカーですね。
製品情報
MONKEY BANANA Turbo 4
オープン・プライス
(市場予想価格:29,000円前後/1台)
MONKEY BANANA Turbo 6
オープン・プライス
(市場予想価格:43,500円前後/1台)
※本記事はサウンド&レコーディング・マガジン 2020年5月号より転載しています
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