反射音や共振音を防いでボーカルを録音する方法【試聴有り】 〜特集『ボーカル宅録ガイド』

ボーカルを自宅で録ってみたいあなたのために、神聖かまってちゃんのサウンド・プロデューサー/エンジニアの萩谷まきお氏が一肌脱ぐ! 今回は、しーな(東京初期衝動)の自宅を実際に訪問してより良い音質で録るために実験してみました。ボーカルを自宅で録ってみたものの“これで良いのか?”と不安に思う方は、より良い音質を追求するためのテクニックを音例とともに学びましょう。

Q9. 反射音や共振音を防ぐための対策は?

 A. 布類や重量のあるものを活用しましょう。 

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 Q8の通り、まずは反射の少ない部屋の中央で角に向かいマイクを立てました。注意すべきは、歌い手の前方の角で反射して壁を伝い回り込んでくる声、サイドの壁/天井/床からの反射音、そしてマイク・スタンドなどの共振音です。これらを収めないように“マイクとボーカルの距離を遠くし過ぎないこと”と“反射音を吸収しつつ壁/天井/床の振動を抑えること”が大事。また、振動を吸収してくれる“モノ”=冬用の衣服、タオル、毛布、布団などを置きます

 

 

 しかし、部屋の中央から左右の壁にそんなに都合よく布類をかけられないでしょうし、多くの部屋ではサイドの壁より天井/床〜マイクの距離の方が近いですね。ならば、天井と床の反射音の操作も大切。なので、ベッドの上に座って歌うセットにしました。これで天井〜マイクの距離を確保し、下はベッドと布団が音を吸収するため、反射音を軽減できます。ほかには衣服のかかったクローゼットの前や布団をかぶって歌えば、物を並べずに反射音を軽減できます。しかし、録音中はエアコンを付けられないので、夏は暑くてつらくなるでしょう。

 

 

 最後にマイク・スタンドの共振音と床の振動は、カーペットを敷くことや、重り付きマイク・スタンドを使うか、スタンドに重りを乗せることで軽減できます。特に低い声であったり、歌いながら足でリズムを取りながら歌う方は重りの効果を実感しやすいでしょう。しーなさんは筋トレ用のダンベルを持っていたので、試しにマイク・スタンドの足の上へ乗せてみました。すると床とスタンドのノイズが除去されたことで、声の低音にフォーカスが合い、声の輪郭=音像が変化しました。これで、重りを乗せる前はしーなさんの声の低域成分がスタンドに逃げてしまい、マイクで収音できていなかったという事実に気付くことができました。

 

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【特集】ボーカル宅録ガイド〜20のQ&Aで悩みを解決!

Q1. 宅録ボーカルで必要な機材は?
Q2. コンデンサー・マイクとダイナミック・マイクの違い
Q3. 単一指向性、双指向性、全指向性……マイクの指向性とは?
Q4. スマホでボーカル録音をする方法
Q5. 音楽ジャンルに合うボーカルとマイクの最適な組み合わせ
Q6. マイクの音質と自分の声のマッチングを判断する方法(会員限定)
Q7. ボーカル以外にアコギ録音も視野に入れてマイクを選ぶ方法
Q8. 部屋鳴りを収音しないようにマイクを立てる方法【試聴有り】(会員限定)
Q9. 反射音や共振音を防ぐための対策は?【試聴有り】(会員限定)
Q10. マイクとボーカリストの距離の正解とは?【試聴有り】
Q11. マイクの高さはどこがベスト?
Q12. DTMやDAWの録音時にレベル設定で気を付けることは?
Q13. 録音前にやるべきノイズ対策は?(会員限定)
Q14. ポップ・ノイズを防ぐ方法は?(会員限定)
Q15. 自分の声がモニターしづらいときの改善方法(会員限定)
Q16. クリックの音漏れを録音しないようにする方法
Q17. モニターとのレイテンシー(遅延)の対策方法(会員限定)
Q18. エフェクトをかけるタイミングは録音の前/後?
Q19. モニターの自分の声がしっくり来ないのですが……(会員限定)
Q20. 録音後のテイクにノイズが入っていた際の修正方法(会員限定)

 

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