マイク・セッティングにおける高さの正解とは？〜特集『ボーカル宅録ガイド』 - サンレコ〜音楽制作と音響のすべてを届けるメディア

ボーカルを自宅で録ってみたいあなたのために、神聖かまってちゃんのサウンド・プロデューサー／エンジニアの萩谷まきお氏が一肌脱ぐ！　今回は、しーな（東京初期衝動）の自宅を実際に訪問してより良い音質で録るために実験してみました。ボーカルを自宅で録ってみたものの“これで良いのか？”と不安に思う方は、より良い音質を追求するためのテクニックを音例とともに学びましょう。

Q11. マイクの高さはどこがベスト？

A. 歌いやすい高さで、マイクの角度を工夫するのがお勧め。

　上／下を向いて歌うとか、呼吸の仕方など、いろいろなスタイルのボーカリストが居るので、まずは自分が歌いやすい高さを認識しましょう。大事なのは高さ以上に“角度”です。僕の経験では、声をマイクへダイレクトに向けた場合よりも、微妙に距離を作った方が倍音を増幅させて録ることができます。歌う楽曲に合わせて最適な距離感をつかむためには、マイクの角度を変えて録ると好みの表現が見つかるはずなので研究してみてください。

　上向きにセットすると倍音成分が豊かに録れて、下向きにセットすると息の低音が入りやすいという録り音の違いに気付くと思います。

　手順としてはマイクをセットしたら、ヘッドフォンでモニターしながら、どの位置でどんな音が鳴るのかを実験して録音してみるとよいと思います。DAW上で比較するとマイクの適切な位置だけでなく、自分の声質、声量、マイクの特性、自分の部屋の鳴りなどの理解にもつながるはず。