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HEAVY USER INTERVIEW #2:Dub Master X 〜特集・UNIVERSAL AUDIO Apollo大全(5)

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PA現場ではアウトボードとして重宝しています

 Apolloは若手のミュージシャンだけではなく、練達者からも評価を得るオーディオI/Oだ。Dub Master X氏は日本のダブ・エンジニアの草分け的存在であり、現在もDUBFORCEのメンバーとして活躍。PAエンジニアとしてDef TechやSUGIZO、 柴田聡子のライブ・サウンドも手掛けている。氏はApolloを制作だけではなく、PAの現場でも活用しているという。

Photo : Hiroki Obara

 

音質面に優れるだけではなく
安定した動作でトラブルも起きない

 氏が所有しているのはThunderbolt 2 Option Cardを装着したApollo FireWireとApollo Twin Xの2台。Apollo Twin Xは持ち運び用に購入した。

 

 「ライブ・ツアー中にミックスの依頼が入ることも多々あるんです。そういったときに自宅のシステムを崩したくないと思い、持ち運び用としてデスクトップ・タイプのApollo Twin Xを購入しました。ツアーを回っているときでもホテルや移動日にミックスが行えるので、非常に助かっています」

 

 Apollo Twin XはApollo FireWireと比べ、AD/DAの性能が圧倒的に向上していると、氏は語る。

 

 「初期モデルのApollo FireWireより、最新型のApollo Twin Xの方が格段にクリアで抜けが良いですね。解像度が上がっているような感じがします。音質面に優れているだけではなく、動作が安定していてトラブルも起こらない。Apolloの作りが良いだけではなく、Consoleアプリもよくできているんですよね。余計な機能が一切無く、シンプルで使いやすいんです

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シリーズ最新モデルの︎Apollo Twin X。初期モデルのApollo FireWireと比較すると、AD/DAの性能が格段に向上していると氏は語る。大きなノブが非常に使いやすいとも話してくれた

 実際にライブ・ミックスでどのようにApolloを使用しているのか氏に尋ねた。

 

 「主にアナログのアウトボードと同じようにUAD-2プラグインを使用しています。Apollo Twin Xは音楽制作用だと思う方も居るかもしれませんが、アウトボードとして使っているPAエンジニアも結構居るんですよ。ライブ現場に向けたモデルのUAD-2 Live RackはMADIで接続する必要があるので、その日使うコンソールが対応していないときはApollo Twin Xを使うんです。使用頻度が高いプラグインは、リバーブのLexicon 480L。実機だったらコントローラーと重いラック本体を運搬しなければいけませんが、故障などを考えると現実的ではありませんよ。それをApollo Twin X1台でまかなえると考えると、もはやそれだけでも十分役割を果たしているように思うんです

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ライブではApolloを使う場合、アウトボードのようにUAD-2プラグインを使用するというDub Master X氏。使用頻度が高いのは、リバーブのLexicon 480L

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UAD-2プラグインは実機とそん色無い
普遍的なコンディションの良さは大きな長所

 昨今は配信ライブでもApollo Twin Xが活躍。コンソールのアナログ・アウトをApollo Twin Xに送り、2ミックスにUAD-2プラグインをかけると氏は説明してくれた。

 

 「配信ライブの音声って、コンピューターやスマートフォンに内蔵されているスピーカーで聴く方が多いと思うんです。ならば、そういった再生能力に制限のある環境に合ったミックスが必要だと考えています。僕はマスターにSonnox Oxford Limiter、AMS Neve DFC Channel Strip、Brainworx BX_Masterdeskをインサートしています。一推しのプラグインは、最終段のBrainworx BX_Masterdesk。多機能なプラグインなのですが、調節するのはコンプ、トーン、M/Sセクションくらいです。ワイド・レンジとは言えない再生環境でも迫力のあるサウンドを聴かせることができます。Sonnox Oxford Limiterは、ENHANCE(Curve)スライダーを上げてエンハンサーとして使っているんです」

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配信ライブで、マスターの最終段にインサートしているBrainworx BX_Masterdesk。コンプ、トーン、M/Sセクションをメインに使い、再生能力に限りのある環境でも迫力のあるサウンドを作り出す

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 レコーディング・エンジニアとしてのキャリアも持ち、さまざまなアウトボードやコンソールの音を聴いてきたDub Master X氏。UAD-2プラグインの再現度は、実機に迫るほどと評価する。

 

 「例えばほかのメーカーの1176系プラグインだと、実機と異なる音の変化が気になることが多いのですが、UAD-2はそういった細かな動きも実機とそん色無い。コンディションの不確かな実機より、はるかに信用できます。機材って日によって音が変わるじゃないですか。それは音楽が生きているということだという概念も理解できるんですけど、今の僕は昨日も今日も同じように鳴っていてほしいという思いの方が強いんです。だからプラグインの普遍的なコンディションの良さは、大きな長所だと感じますね」

 

 

 『特別企画・Unisonプリアンプ搭載のオーディオI/O UNIVERSAL AUDIO Apollo大全』は、サウンド&レコーディング・マガジン 2020年12月号でもお読みいただけます。

 

UNIVERSAL AUDIO Apollo X 製品情報

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【特集】UNIVERSAL AUDIO Apollo大全

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