HEAVY USER INTERVIEW #1:mabanua(Ovall) 〜特集・UNIVERSAL AUDIO Apollo大全(4)

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クリエイター目線で作られたと思える音色

 ここからは日ごろからApolloを愛用するアーティスト/エンジニアに、Apolloの魅了について語っていただく。まずはバンド・プロジェクトOvallでドラマーを務め、トラック・メイカー/シンガー・ソングライターとしても活躍するmabanuaに聞いていこう。

Photo:Yusuke Kitamura

 

シンプルな操作性が素晴らしい
プレイヤー&クリエイター向けの音質

 mabanuaが使用するのは、18イン/24アウトのApollo 8。導入したきっかけをこう振り返る。

 

 「筐体がブラックの第2世代になってから、アーティストやエンジニアから良い評判を以前より多く聞くようになったんです。かねてからApolloはずっと気になっていたので、それで背中を押されましたね。本当に良い買い物でした。ルックスもかっこいいですよね。黒くてゴツい機材が好きなんです」

 

 そんなApollo 8のサウンドはフラットだとmabanuaは評する。

 

 「プリアンプはフラットな音色です。色を付けたくないときは、Unisonを使わずにそのまま録ることもあります。モニター・アウトも基本的にはフラットなのですが、2〜3kHz辺りにハリがある印象です。それでいて低域もしっかり出ていますね。ヘッドフォン・アウトはモニター・アウトに比べてギラッとしている傾向なので、中高域の判断基準にしています。Apolloはエンジニアが使うことも考えつつ、クリエイター向けのチューニングが施されていて、プレイヤーやクリエイターの目線に立って作られているように思いますね。制作のモチベーションが上がるオーディオI/Oです」

 

 音質の良さに加え、操作性の高さについても言及する。

 

 「シンプルな操作性が素晴らしいですよね。デジタル機材ってダイアルで項目を選んでからプッシュしてメニューに入り……みたいな階層を下っていくタイプのものがあるじゃないですか? そういった操作が苦手なんですけど、Apolloはシンプルにボタンを押せば機能が有効になるから好きなんです。中でも気に入っているのが、任意の機能を割り当てられるファンクション・スイッチ。僕はDIMスイッチとして使っています。ほかにもモニター信号をライン出力3/4chに切り替えるALT2という機能もアサインできるので、モニター・スピーカー2台のシステムも簡単切り替え可能です。UNIVERSAL AUDIOの製品は細かなところまで本当に気が利いていますよね」

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mabanuaはファンクション・スイッチ(FCN)に、モニター出力レベルを下げるDIMをアサイン。モニター信号の出力先を変えるALT 2、モニター出力をモノラルにするMONO、トークバック・マイクのオン/オフをするモードを備える

UA 610-Aをドラム全チャンネルに使用
前に出る中高域と引き締まった低域が最高

 Apollo 8には、4基のUnison対応マイクプリが装備されている。ドラム録りには4chすべてにUnisonプラグインを使っているとmabanuaは話す。

 

 「トップL/R、スネアの裏とハイハットの裏、そしてキック・インにマイキングします。クエストラヴを参考にして、スネアの裏は離してマイキングしているんです。愛用しているUnisonプラグインはUA 610-A。前に出る中高域と引き締まった低域が最高ですね。入力レベルを突っ込んで、ひずみのニュアンスをコントロールすることもあります。ドラムのプリアンプは統一したい派なので、価格も安く個体差も無いUnisonプラグインには大助かりです」

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ドラムの録音で全チャンネルに使用しているUnison対応のプリアンプ・プラグインUA 610-A

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 レコーディングだけでなく、ミックスでもUAD-2プラグインを使っているmabanua。ドラムの音色作りで欠かせないUAD-2プラグインを語ってくれた。

 

 「コンプのDBX 160は打楽器系のトラックすべてに使っています。リリース・タイムがドラムに合っているんです。良いあんばいで音が引き締まって、オケなじみも抜群。ほかのコンプよりアグレッシブにかかる感じがしますね。サチュレーターのThermionic Culture Vultureも気に入っているプラグインの一つです。かつて実機を所有していたのですが、再現度の高さは半端じゃないです。ただ似せるだけではなく、実機には無いエフェクト音と原音を混ぜるミックス・ノブを付けているのがいいですね。そして、ドラムのトータルにはShadow Hills Mastering Compressorを挿すことがあります。ほかにも、プレート・リバーブEMT 140やテープ・レコーダーのAmpex ATR-102なども好きです。UAD-2プラグインは、ビンテージっぽい手の込んだルックスが最高ですよね。クリエイターの道具として、積極的に選びたくなります」

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ドラムのコンプにはDBX 160を愛用

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Thermionic Culture Vulture。ドラムにサチュレーションを与える目的で使っている

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本特集の続きは近日公開予定です。

 

 『特別企画・Unisonプリアンプ搭載のオーディオI/O UNIVERSAL AUDIO Apollo大全』は、サウンド&レコーディング・マガジン 2020年12月号でもお読みいただけます。

 

UNIVERSAL AUDIO Apollo X 製品情報

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【特集】UNIVERSAL AUDIO Apollo大全

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