ケーブルをメインに高品位なオーディオ・アクセサリーを手掛けるACOUSTIC REVIVE。その製品のヘビー・ユーザーとして、久保田麻琴に語っていただく。独自の感性&スキルと広範にわたる音楽的知識を有する彼は、どのような理由から愛用しているのだろう?
Photo:Hiroki Obara
まずはライブ会場で“音の良さ”を実感
伝説的なアバンギャルド・ロック・バンド“裸のラリーズ”の一員を経て、ひとりの音楽家として作編曲からプロデュース、エンジニアリング、ラジオ番組のナビゲートまで八面六臂(ろっぴ)の活躍を見せる久保田。1980年代より海外でも誉れ高く、世界中の音楽を自らの表現として昇華する手腕は唯一無二と言える。ここ7年ほどは都内のプライベート・スタジオ(メイン写真)を拠点とし、個性的なシステムで制作に没頭。主要機材の多くにACOUSTIC REVIVEの電源ボックス、電源ケーブル、ライン・ケーブル、デジタル・ケーブルなどを愛用している。「ACOUSTIC REVIVEなら間違いないというか、安心感があるんです」と久保田は語る。
「晴れたら空に豆まいて(代官山のライブ・ハウス)の音が、ある時期にとても良くなってね。私はモニターの音でそれを体感したんですけど外音にも良い影響を与えるわけで、お店の方に尋ねてみたら“ACOUSTIC REVIVEの製品を入れたんです”と。びっくりしましたね、こんなに変わるものなのかと思って。その後、神宮前のbonoboも音が良くなって、やはり同じACOUSTIC REVIVEの名前を聞いたので、“確かなクオリティのものなんだな”という印象を強めました」
目指す音像に素早く到達できるのが魅力
程無くして、自身のスタジオにACOUSTIC REVIVEを取り入れ始めた久保田。「例えばパワード・スピーカーの電源ケーブル。付属品からACOUSTIC REVIVEのものに替えると、感覚としてはビット数が上がるように音が良くなるんです」と続ける。
「例えるなら16ビットが24ビットになるような感じというか、音の波形がよりナチュラルに再生されるようになるのではないかと思います。スピーカー・ケーブルもACOUSTIC REVIVEのものを使っていますが、より効果的だったのはクォーツ・アンダーボード。スピーカーの下に敷くだけで、気になっていた150Hz辺りから下のモタつきがピシッと引き締まったんです」
クォーツ・アンダーボードのRST-38Hは、天然水晶粒子の充填剤を内蔵したヒッコリー合板仕様のボード。水晶がスピーカーの振動を熱エネルギーに変換し、素早く消し去ることでストレートな出音が得られるという。ドラム・ブースなどの電源タップに用いても効果が期待できるだろう。久保田はスピーカーだけでなく、AD/DAコンバーターやアウトボードの電源ボックスにも活用中だ。
スタジオにはLAVRY ENGINEERING 4496(AD/DA)やDSC 904(AD)といったコンバーターがスタンバイし、その電源ボックス〜ケーブルも多くがACOUSTIC REVIVE製。「コンバーター間のデジタル伝送にはAES/EBUのケーブルを使っています」と久保田は言う。
「AES/EBUケーブルは各社から発売されていて、それぞれにキャラクターを感じるのですが、一番オールマイティなのはACOUSTIC REVIVEだと思います。電源ケーブルとよく似た傾向で、ほかのものに比べて音の鮮度が上がる印象。位相特性に優れているのでしょうね。ミックスの奥行きをはじめ、音像が見えやすいんです。その何が良いのかと言えば、“到達点に速く行ける”ということ。位相に乱れがあってモニター音がどこかボヤけていたりすると“筋肉”を使い過ぎるんです。どこの帯域を処理すればベストか? EQカーブはどうしようか?……などと探りながらやっていても、もちろん良い線まで持っていけますが、やっぱり体力や時間との勝負になってきますよね。ACOUSTIC REVIVEのケーブルや電源機器を使っていれば、はなからそういうことをしなくて済むというか、少しブーストするとか削るとかで解決できることが分かるので、音作りの負担が軽くなるんです」
ほかにもUSBケーブルのUSB-1.0PL-TripleCを「音の明りょう度が違う」などと高く評価する久保田。ACOUSTIC REVIVEの製品は、彼のスタジオの大動脈と言えるだろう。
久保田麻琴
<BIO>アーティスト/エンジニア。同志社大学在学中に“裸のラリーズ”の一員として活動開始。ソロ・デビュー後は夕焼け楽団と制作/ライブを展開。海外でも活躍し、ジャパンやトーキング・ヘッズらと共演する。細野晴臣とのユニットHarry and Mac、ワールド・ミュージックの紹介など実績多数。