ACOUSTIC REVIVE ヘビー・ユーザー・ストーリー「森元浩二.」

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 ケーブルをメインに高品位なオーディオ・アクセサリーを手掛けるACOUSTIC REVIVE。今月のヘビー・ユーザーは、prime sound studio form(以下form)のチーフ・エンジニア、森元浩二.氏。「良いケーブルに出会うと、一気に解決することだってあるんです」と語る氏に、プライベート・スタジオで詳しく聞いた。

Photo:Hiroki Obara

 

音の強さが損なわれない電源タップ

 森元氏は、プロ・エンジニアの中で最も長くACOUSTIC REVIVEの製品を愛用している人物の一人。「知人に薦めてもらったことがきっかけで、2002年に使い始めました。ちょうどformを造ったころですね」と述懐する。

 

 「formの電源タップは、すべてACOUSTIC REVIVEの特注品なんです。市販品もそうですが、筐体がジュラルミン・ブロックからの削り出しなので、プラスティックなどのものとは一線を画して音がしっかりとしている。強度が保たれるというか、崩れにくいというかね。また、中にグリーン・カーボ・ランダムが入っていてSN比が良い。音響機器は大元が電気なので、それをきちんと伝送できるかが重要です」

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写真右奥に見えるのは、formでも使用されている特注の電源ボックス(タップ)。手前の装置は電源コンディショナーで、新たに入手したものだ

 ACOUSTIC REVIVEと言えば音響専用導体PC-TripleCを用いた単線ケーブルで知られるが、実は同じ導体の撚(よ)り線ケーブルも発売している。「電源ケーブルですね。あるとき青山のprime sound studioにエンジニアを集めて、さまざまな電源ケーブルの比較を行ったんです」と森元氏。

 

 「その結果、全会一致で良いとなったのが、切り売り用のPower Standard-TripleC8800です。グレード的にはミッドレンジの製品ですが、音のガッツと上品さのバランスが抜群に良く、ここでも電源トランスやコンピューター、オーディオI/O、モニター・コントローラー、パワード・モニターなど、要となる機材に活用しています。formで試して好印象だったので、プライベート・スタジオにも導入したわけですね。ちなみに、先ほど話した電源タップも同様です」

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切り売り用のPower Standard-TripleC8800から作られた森元氏仕様の電源ケーブル

“今まで聴いたことのない低音”が得られる

 系列のprime sound studio form daikanyamaには、フラッグシップのスピーカー・スタンドRSS-600の特注品を導入。以前、本誌で市販のRSS-600をレビューしてもらった際には“他社のスタンドを含め、従来のものとは別次元の音のまとまり具合”というコメントをいただいた。

 

 「初めて試したときに、あまりにも感動したんです。音が締まり過ぎたり硬くなってしまうことが無く、まるでそこにスタンドが存在しないかのような印象で、非常にナチュラルな音が得られます。実は旧世代のACOUSTIC REVIVE製スタンドからリプレースしたのですが、その際にはほかのレコーディング・エンジニアやメインテナンス・エンジニアも驚いていました。“こんなに良くなるものなのか”って」

 

 近ごろは、機材の空き端子に挿して音質の改善を図るリアリティ・エンハンサーがお気に入りだと言う。

 

 「オーディオI/Oの入力端子に試してみたところ効果てき面で。すべてが良くなったから、どこを拾って話せばよいか迷うくらいですが、まず印象的だったのは低域のダンピングがまるで変わったこと。リリースの切れが格段に良くなり、思わず“こんな低音は聴いたことがない”とうなってしまいました。また“にじみ”が減ることで、ミックス全体の奥行きまでとらえやすくなります。低音の止まり方がきちんと見えるのは良いものですよ。“何となく判断する”とか“予測しながら処理する”といったことが無くなりますから。同様のメリットは、ACOUSTIC REVIVEのヘッドフォン・ケーブルにも感じていますね」

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オーディオI/Oの入力端子には、リアリティ・エンハンサーがずらり

 森元氏はSHUREの密閉型ヘッドフォンSRH1540をリケーブルしているが、ほかにもさまざまなモデルに対応したケーブルが発売されている。

 

 「付属のケーブルに比べて、周波数レンジが大幅に広がります。さらに、音が前に出てきて、ちょっとしたリバーブの変化などもキャッチしやすくなる。最近はヘッドフォンをメインにモニターする方も増えているようですが、購入すればコスト・パフォーマンスの優秀さは間違いないと言えます

 

 ACOUSTIC REVIVEの製品が、ここ数年でスタジオに浸透してきたと見ている森元氏。「プロの仕事に生きるということが、やっと理解されてきたのでしょう」と締めくくる。

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ヘッドフォンには、ACOUSTIC REVIVEのリケーブルが施されている。ヘッドフォン・アンプからCURRENT CSP995-2へつながっているライン・ケーブルもACOUSTIC REVIVE製だ

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スタジオの前方に設置されたアコースティック・コンディショナー。部屋の音響特性を改善する役目

森元浩二.

<BIO>目黒区のレコーディング・スタジオ、prime sound studio formのチーフ・エンジニア。これまでに浜崎あゆみ、三代目J Soul Brothers、甲斐バンド、AAA、DA PUMP、E-girls、May J.、チャラン・ポ・ランタンなど、ジャンルを問わず数多くのアーティストの作品に携わる。

 

ACOUSTIC REVIVE製品に関する問合せ

※全製品の無料貸し出しも受付中

acousticrevive.jp

 

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