ケーブルをメインに高品位なオーディオ・アクセサリーを手掛けるACOUSTIC REVIVE。今月のヘビー・ユーザーは、一級のメジャー・アーティストを数多く手掛ける作編曲家/サウンド・プロデューサー松浦晃久だ。本チャンの録音〜ミックスに対応するプライベート・スタジオで話を聞く。
Photo:Hiroki Obara
“間違いないモニター環境”が得られた
壁コンセント以降の随所にACOUSTIC REVIVEの製品を配した松浦のスタジオ。「一番の目的はモニター環境の改善でした」と語る通り、パワード・スピーカーのMUSIKELECTRONIC GEITHAIN RL906にはACOUSTIC REVIVEの電源ボックスや電源ケーブル、ライン・ケーブルを使用し、さらには背面のガラス窓にクォーツ・レゾネーターを張るという徹底ぶりだ。「スピーカーが本来の性能を発揮できるようにしておきたいし、きちんと鳴らせて初めて、自分の作る音色やアレンジ、周波数バランスや奥行きなどの良しあしが判断できると思うんです」と言う。
「RL906は同軸の2ウェイ機で、低域と高域の時間差がほとんど無いわけですが、ACOUSTIC REVIVEの製品を併用することで、周波数や位相においてより正確な特性を得られたと思います。甲斐あって、音作りの際の判断が格段に速くなりました。聴こえてくる音がすべてなので、例えば“低域はこんなに出ていないはずだよな?”といった推測をしなくて済むし、作ったものをほかの環境で聴いてみたらガッカリするようなことも無くなりました。“ここで聴いて良いんだから間違いない”と思えるのは、とても幸せです」
音楽家の作った音を正しく伝えてくれる
精度を高めたモニター環境を武器に、近ごろは本チャンのミックスまでこなす松浦。「もちろん入力側も大事です。例えば幾ら高価なマイクを所有していても、マイク・ケーブルの質が低いと性能を生かし切れませんから」と続ける。
「楽器類に関しては、RHODESのアンプやHAMMONDのオルガンなどにACOUSTIC REVIVEの電源ケーブルを使っています。RHODESの音は分離が良くなって、ひずんでもトランジェントがつぶれなくなりました。ぐしゃっとせずに、倍音が立つ感じで明りょうに鳴ってくれるんです。電源ケーブルを交換すると、往々にしてケーブルの色が音に出てしまいますが、ACOUSTIC REVIVEの場合はそれが無い。ありのままの音がすんなり出るようになるんです。また“ひずみが変に奇麗になってしまう”とかじゃなく、ガツンとひずみつつも粒立ちが良いという印象。キーボードによっては電源ケーブルが着脱できないものもあるため、そういった機種への電源供給はACOUSTIC REVIVEの電源ボックスを使うに留めていますが、それだけでも随分良くなりますよ」
ラック周りを見てみると、BLACK LION AUDIOのクロック・ジェネレーターMicro Clock MKIIIやパッチ・ベイなどにもACOUSTIC REVIVEの製品が使用されている。
「Micro Clock MKIIにはクロック・ケーブルやACアダプターに代わるアナログ電源、パッチ・ベイにはリアリティ・エンハンサーなどを用いています。前者については、標準状態では音にザラつきが出て想定した効果を得にくい印象でしたが、ACOUSTIC REVIVEでアップデートしたところ非常にクリアになって驚きました。膜が一枚はがれた感じでエネルギー感も増し、高額なクロックの効果を凌駕するほどになりました。また、位相特性も向上したようで、特にセンター定位の音にきちんとピントが合う。低域から高域までにじまずに聴こえるし、周波数レンジや奥行きが拡張したのも位相の改善によるものだと思います。ザラつきがあったのは、ケーブルや電源の品質で機器自体の性能が十分に発揮されていなかったからなのかもしれません。リアリティ・エンハンサーも効果てき面。傾向はほかの製品と同様で、位相特性が良くなり、広がりや奥行きが正確になる方向です」
松浦はACOUSTIC REVIVEの製品を総合して「低域に迫力が出るとか高域が派手になるとか、そういう変化が一切無いのです」と評する。
「ひたすら再現性が高まる。それがACOUSTIC REVIVEらしさだと思います。サウンドは音楽家やエンジニアが作るものなので、それを変質させず正しく伝えてくれるツールだからこそ、信頼して使っているんです」
松浦晃久
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