「BOYA BY-PM500」製品レビュー:音楽制作や多様な配信環境に対応する卓上スタンド付きUSBマイク

「BOYA BY-PM500」製品レビュー:音楽制作や多様な配信環境に対応する卓上スタンド付きUSBマイク

 今回はBOYAから新発売されたMac/Windows/Android/iOS対応のUSBマイク、BY-PM500を、音楽制作とYouTubeなどで動画配信を行っている私の観点からレビューします。USBマイクは、通常のマイクと比べると劣る部分があるのではないかと思っていたのですが、実際に使ってみると音質や使い勝手、コスト・パフォーマンスの良さなど、その考えを覆されることになりました。

指向性はカーディオイド/オムニから選択
ワンプッシュでミュートの切り替えが可能

 まずは接続方式について。マイク本体にはUSB Type-C端子があり、ケーブルはType-C to Type-C、Type-C to Type-Aの2種類が用意されています。最近のラップトップはUSB端子がType-Cに統一されていたりしますので、わざわざ変換コネクターを挿す必要はありません。一方、USB端子がType-Aしかないパソコンもあるので、ケーブルが2種類付属しているのはありがたいです。USBケーブルをつなげて使用してみたところ、パソコンのシステム側で入力と出力をBY-PM500に指定するだけで簡単に動作しました。ドライバーなどをインストールする必要が無いのは助かりますね。

 

 本体中央にあるツマミを右に回すと、マイクの入力レベルとヘッドフォン・モニターの出力レベルが連動して上がる仕組みです。また、ツマミを押し込むとマイクがミュートされてツマミの周りが赤く光り、ミュートされているかどうかが視覚で直感的に分かるようになっています。特にストリーミング配信をする方やテレワークなどで通話をする方は、ミュートし忘れるのを防止できるので重宝しそうです。

 

 卓上型のスタンドが付属するので、別途スタンドを用意する必要が無いのも助かります。もう少し高さが欲しいと思ったときは本体下部にスタンドを取り付けるネジ穴があるので、ご自身でマイク・スタンドを用意すればより細かく高さを調節できるでしょう。

 

 本体底面にはヘッドフォン出力端子があり、USBマイクとしてだけでなく、ヘッドフォン・アンプとしての役割も果たしてくれます。低価格帯オーディオ・インターフェースのヘッドフォン・アンプの場合、出力音量を上げていくほどノイズが気になってくることもありますが、BY-PM500では音量を最大近くまで上げてもノイズがかすかに聴こえる程度でした。マイクをミュートすれば、音楽などのリスニング用途にも使えます。音質はかなりクリアかつ高域が特にハッキリとしていて、ハイハットやボーカルの息遣いなどがよく聴こえました。

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本体底面左側にUSB Type-C接続端子、右側にヘッドフォン出力端子(ステレオ・ミニ)を搭載。中央下に別途マイク・スタンドへ取り付けるためのネジ穴が用意されている

 BY-PM500は指向性を変えることも可能です。同価格帯のマイクはカーディオイドのみに固定されていることも多いですが、カーディオイド/オムニをツマミの下にあるボタンで切り替えることができます。ボーカルやナレーションだけでなく部屋全体の音も収音することができるので、録音の幅が広がるでしょう。 

 

クリアで中域がスッキリとした録り音
高域はおとなしめで声が聴き取りやすい

 それでは、実際に音楽制作で使用するDAWと、生放送などでよく使用されるライブ配信ソフトOBS OBS Studioで使用してみましょう。まずはDAW上で声を録音。DAWの設定から入力と出力をBY-PM500に割り当てると、録音と出力を一本で行うことができます。ヘッドフォン出力から音をモニタリングした際はパソコンを通さず本体からダイレクトにモニタリングしているので、レイテンシーはほとんど無いと言っていいほど感じません。また、録音した音がとてもクリアで、この価格帯のマイクでこんな音が録れるのかと驚きました。中域がほかのマイクと比べて少しスッキリし、高域は少しおとなしく声が聴き取りやすそうです。歌やナレーションの録音、通話などにとても相性が良いと思います。

 

 そして、OBS Studio。こちらも設定からマイクを指定して認識、問題無く音声を乗せることができました。ここで気付いたのですが、BY-PM500にはリミッターが搭載されており、万が一、配信中に大きな声を出してしまっても安心。外出先にオーディオ・インターフェースとマイクを持って行かなくても、BY-PM500とノート・パソコンで音楽制作や配信環境を整えられるのはとてもうれしいです。

 

 BY-PM500は説明書を読み込まなくてもいいくらいに手軽で簡単に扱うことができました。これから音楽制作を始めてみたい方から、テレワークなどの通話でマイクが必要な方、歌ってみた動画やストリーミング配信の生放送などを始めてみたい方まで幅広くお薦めできるUSBマイクです。

 

ミディ
【Profile】プロの作曲家としてアニメやゲーム、アイドルなどへの楽曲提供を行う傍ら、バーチャルYouTuber(VTuber)として音楽制作に関する解説動画などをYouTubeに投稿している。

 

BOYA BY-PM500

オープン・プライス

(市場予想価格:8,400円前後)

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SPECIFICATIONS
●マイク
▪接続:USB ▪対応OS:Mac/Windows/Android/iOS ▪指向性:カーディオイド/オムニ ▪周波数特性:20Hz〜20kHz ▪感度:−36dB(0dB=1V/Pa、1kHz 1Pa) ▪消費電力:5V/60mA ▪SN比:80dB ▪SPL:110dB ▪ゲイン幅:0〜42dB ▪ビット/サンプリング・レート:24ビット/48kHz

●ヘッドフォン・アンプ
▪出力インピーダンス:16Ω以上 ▪ひずみ率:0.01% ▪周波数特性:20Hz〜20kHz ▪SN比:102dB ▪ヘッドフォン音量調整:0〜27dB

●全体
▪接続方式:USB Type-C ▪外径寸法:100(W)×226.7(H)×84(D)mm(スタンド含む) ▪重量:703g(スタンド含む) ▪付属品:Type-C to USB-Aケーブル(3m)、Type-C to Type-Cケーブル(2m)、デスクトップ・スタンド