ケーブルをメインに高品位なオーディオ・アクセサリーを手掛けるACOUSTIC REVIVE。今回のヘビー・ユーザーは、東京・神楽坂のライブ・ベニュー神楽音(kagurane)の代表で、サウンド・エンジニアなどとしても活動している森堅一氏だ。現場での製品の活躍について話を聞こう。
Photo:Hiroki Obara
音が本来のあるべき姿に戻る
電源系/信号系のあらゆる部分にACOUSTIC REVIVEの製品を採用する神楽音。森氏は音楽レーベル/プロダクションのアソルハーモニクスも運営しており、スタジオ設計に通じる観点から神楽音の音響を整えたという。
「いわゆる“ライブ・ハウスの音”が個人的に苦手で、用事で現場を訪れる際には耳栓で鼓膜を保護することもありました。神楽音は、施工の段階で主幹ブレーカー以降の音響用電源経路をACOUSTIC REVIVEのケーブルで固めました。また、楽器用アンプの電源周りからマイク・ケーブル、ステージ・ボックス、コンソール用のライン・ケーブルに至るまで、随所にACOUSTIC REVIVEの製品を使っているため、ソース本来の音がするんです。来場者の方々に“大音量でも耳が痛くならない”とか“会話がしやすい”と言ってもらえるのは、出音がひずんでいないからだと思います」
「世の中には、高域をひずませて派手な音にするケーブルがあったりしますが、聴くうちに“良きに変わっているわけじゃないな”と分かってくるものです。その点、ACOUSTIC REVIVEのケーブルはソースの周波数特性を全く変えないので、あたかも“ケーブルが無い状態”……だから、使って音が良くなるというよりは“使うと、あるべき姿に戻る”と表現する方が正しいと思います。位相のズレが無くなって音像のピントが定まり、定位についてもしっかりと再現されて、すべてが元の状態に戻るんです」
大きな可能性を感じる新ライン“SS”
出演者から“ナカオトがとても良くて演奏しやすい”と言われることもあるそう。何を隠そうモニター・スピーカー用の電源ケーブルやライン・ケーブルまでACOUSTIC REVIVE製で、「ナカオトとソトオトに大差が無いと思います」と森氏。 さらなるトピックは、ACOUSTIC REVIVEが始動させた新ライン“SS”のステージ向け電源ケーブルPower Stageをいち早く導入している点だ。17,500円(2m/1本)とコストを抑えた製品だが、その実力やいかに?
「ギターやベースのアンプ、ミュージシャン用の電源ボックスなどに使っていて、それらの機器につなぐ方のコネクターがロック式なんです。まずはそこが良いですね。素早く転換しなければならないときにも抜ける心配がありませんし、トラブルを恐れて他社の電源ケーブルを使うという妥協も無くなりますから。音については、無論ACOUSTIC REVIVEのクオリティです。一般的なものに比べて格段に良いし、既存のスタジオ向け製品よりミュージシャンにも扱いやすいと思います。開発には、ステージでの経験が豊富な方の意見を数多く取り入れたそうで、まだ使い初めて間も無いのですが、とても好印象です。ヘビーデューティさと音のクオリティを両立しているところに大きな可能性を感じますね」
神楽音ではライブ・リハーサルの時間に、ミュージシャンへACOUSTIC REVIVEのギター用ケーブルGB-TripleC-FMの貸し出しを行っている。「興味のある方はスタッフにリクエストをいただけたらと思いますし、音の表情の違いを味わってもらいたいですね。一般的なケーブルからすると、まずは出音のボリュームがグッと大きくなることに気付くと思います」と森氏は続ける。
「実は、ACOUSTIC REVIVEのケーブルに替えて真っ先に感じるのは、音量が大きくなることだと思うんです。ギター用のケーブルは、ハイインピーダンスでフォーンの端子なので、取り出される信号は微弱ですよね。それがあれだけ変化するというのは、もはや信じられない世界です!」
スタジオでミックスした音源のチェックにも神楽音を使うほど、その音響に自信を持つ森氏。「楽曲を鳴らすと作り手の制作環境……例えばモニター機器のレンジ感などまで見えてくるんです。マスタリング・スタジオに肉薄するサウンドだと思いますね」と言う環境にACOUSTIC REVIVEが貢献しているのは、揺るがない事実だろう。
森堅一
<BIO>アーティスト・マネージメントから楽曲制作、作品リリースなど幅広く手掛けるプロダクション=アソルハーモニクスの主宰。WAVE BENDERやSuguru Goto、AuMusa ei、Riekoらに携わりつつ、エンジニアとしても活動。2017年、東京・神楽坂にライブ・ベニューの神楽音/Kaguraneをローンチした。
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