七尾旅人 〜プロ20組の歌録り機材&テクニック! 自宅ボーカルREC術

 DAWの普及、インディペンデントな制作スタイルの隆盛、SNSでのコンテンツ公開などで、さまざまなクリエイターが取り組んでいる“自宅でのボーカル録り”。コロナ・ウィルス以降、その必要性がますます高まっていると言えます。今回は、プロ・アーティスト20組の自宅ボーカルREC術を使用機材とともに一挙公開。ホーム・レコーディング初心者からアップデートを考えている人まで、Tips集として活用していただけると幸いです。

七尾旅人

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行き詰まったら“どこの誰に向けた歌なのか?”
という部分を思い出すようにしています

 僕は1998年にデビューしたのですが、そのころはちょうどノート・パソコンのスペックが上がってきた時代で。自宅だけで完結できることが増えたタイミングでDAWを使い始めたので、自然とデモから本チャンまで自分で録るようになり、それが現在まで続いています。機材は、マイクからノイズが入り込まない範囲で、手の届きやすいところに置いています。自宅はごく普通の木造家屋で、レコーディングに使っているのは2階。田舎なので音を出すこと自体は問題無いのですが、階下で愛犬2匹が吠えまくって騒ぎ出す場合があるので、事前にちゃんと散歩して、おやつをあげて、懐柔してから録音するようにしています。

 

 録り方についてはマイクに割と近付いて歌う傾向で、声がダイレクトに録音されるような形を目指すことが多い。聴き手の聴覚や精神に、なるべく接近したいという欲求があるようです。ただ、もう20年くらいセルフでボーカル・ディレクションをしているものの、今でも判断に迷うことは多いです。歌い慣れて完成度の上がった終盤のテイクより、ラフだけど生き生きとした序盤のテイクの方が良い場合もあるし、歌っているときにどれだけエモくなっても、録り音に対してはなるべく第三者的に接するのが基本かなと。

 

 制作していると細かい不満は尽きないわけですが、最終的には“その楽曲の核心をちゃんと伝え切れているか”という部分でジャッジしています。もし行き詰まったら“そもそも、どこの誰に向けた歌なのか?”という部分を思い出すようにしているんです。表現には大抵何か目的があるので、それを見失わない限りは大丈夫かなと思っています。

機材紹介

Condenser Mic
NEUMANN U87AI

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 歌録りに使用しているマイク。確か2015年ごろ、レコーディング・エンジニアの奥田泰次さんに薦めていただいて購入しました。

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Mic Preamp/Compressor
RUPERT NEVE DESIGNS Portico 5017

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 U87AIなどを接続して使用しているマイクプリ/コンプで、レコーディング・エンジニアのzAkさんに薦めていただいて購入したものです。

DAW Software
STEINBERG Cubase 9

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 デビューしたころ最初に使ったDAWがCubaseなので、今でもメインで使用しています。周りのテクノ系の先輩が皆使っていたので、その影響ですね。

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Audio I/O
RME Fireface UC

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 昔からRMEのオーディオI/Oを使っています。安定感があって、安心なので。

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七尾旅人

独創的なスタイルで揺るぎない立ち位置を築くシンガー・ソングライター。「Rollin' Rollin'」「サーカスナイト」といったヒット曲から『兵士A』などの真摯な芸術作品まで多彩な表現を見せる。今年4月より七尾旅人YouTubeにて対コロナ支援・コラボ配信シリーズ“LIFE HOUSE”を開始

【Recent Work】 

Stray Dogs

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  • 七尾旅人
  • J-Pop
  • ¥2037

 

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