トクマルシューゴ 〜プロ20組の歌録り機材&テクニック! 自宅ボーカルREC術

 DAWの普及、インディペンデントな制作スタイルの隆盛、SNSでのコンテンツ公開などで、さまざまなクリエイターが取り組んでいる“自宅でのボーカル録り”。コロナ・ウィルス以降、その必要性がますます高まっていると言えます。今回は、プロ・アーティスト20組の自宅ボーカルREC術を使用機材とともに一挙公開。ホーム・レコーディング初心者からアップデートを考えている人まで、Tips集として活用していただけると幸いです。

トクマルシューゴ

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一人で結果のジャッジをするのは難しい作業だけど
その人の“好み”が強く反映されるのは面白いこと

 自宅では本チャンの歌録りを行っています。防音/騒音対策は、吸音材を設置したり二重窓にしたり、はたまた密度感が高く厚いドアを自ら取り付けたり。DAWはAPPLE Logic Proで、オーディオI/OのUNIVERSAL AUDIO Apollo TwinにマイクプリのCHAMELEON LABS 7602 MKII Toneflake Customをつないで録音しています。DAWの操作は速ければ速いほど良いと思っていて、よく使うオペレーションは好みのキー・コマンドに割り当てています。マイクは何本か持っていますが、コンデンサーとダイナミックの両機種の音を同時に録っておくのが好みです。

 

 自分自身の声を録るのは、曲になじむよう好きな声に変えるというお化粧のような作業だと思うので、その日のノリ次第というか、慣れていても調子に左右されてしまいます。ただコンディションの良いときを狙って、好きなだけ気を遣わずにやり直しができるため、スタジオ録音よりも精神的には快適です。DAWの操作が上達すると、どんなに録り音がひどくてもノイズ・カットやピッチ補正、オートメーション、コンピングなどのエディットでまともな音にできてしまいます。が、それも時間がかかるので、同じ時間を費やすなら、ちゃんと練習してから録る方が良い場合が多いと思います(もっとも宅録では、早く録音したいという気持ちが強くなりがちですが……)。

 

 録り音のジャッジについては、自分一人での判断になるでしょうから難しいと思います。反面、その人の“好み”が強く出るためユニークな結果になることが多く、それを楽しめるのが宅録の面白さでもあると思っています。

機材紹介

Condenser Mic / Dynamic Mic
NEUMANN U87AI / TONEFLAKE T47S / SENNHEISER MD421

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 愛用のマイク。U87AI(写真左)はザ・コンデンサー・マイクというイメージで、特に問題が起きたことはありません。そしてT47S(同中央)。これはダントツに良いチューブ・マイクで、格が違います。MD421(同右)は低域と空気感が極上です。

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Ribbon Mic
ROYER LABS R-121

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 リボン・マイクとしての扱いやすさとアタック感が極上です。

Mic Preamp
CHAMELEON LABS 7602 MKII Toneflake Custom

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 音に濃度をプラスしてくれて、ひずみ感も心地良い一台です。

Audio I/O
UNIVERSAL AUDIO Apollo Twin

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 Thunderbolt接続のオーディオI/Oは選択肢が少ないため、Apolloシリーズを使っている人が多いと思います。

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トクマルシューゴ

さまざまな楽器/非楽器を用いて作曲/演奏/録音をこなす多才な音楽家。2004年にNYのレーベルMusic Relatedからデビューし、以降は国内外ツアーの敢行や映画/舞台/CM音楽といった分野も含め活躍。今年は音楽劇『プラネタリウムのふたご』の音楽を担当することが決定している

【Recent Work】 

Canaria - Single

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  • トクマルシューゴ
  • J-Pop
  • ¥204

 

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