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鴨田潤 〜プロ20組の歌録り機材&テクニック! 自宅ボーカルREC術

 DAWの普及、インディペンデントな制作スタイルの隆盛、SNSでのコンテンツ公開などで、さまざまなクリエイターが取り組んでいる“自宅でのボーカル録り”。コロナ・ウィルス以降、その必要性がますます高まっていると言えます。今回は、プロ・アーティスト20組の自宅ボーカルREC術を使用機材とともに一挙公開。ホーム・レコーディング初心者からアップデートを考えている人まで、Tips集として活用していただけると幸いです。

鴨田潤

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自身の歌を客観的にジャッジする必要は無い
主観的に気持ち良く歌えればそれで良いです

 自宅では作品用の歌およびラップを録音しています。ラップの録音から始めているためかマイクを持って録りたいので、サスペンション・ホルダーを手に取りAKG C414 XL IIで録音しています。ポップ・ガードは、声とマイクの間にあることが煩わしいので無しです。APPLE MacBook Proの内蔵マイクでラップを録って、それを採用することもあります。この方法でDAW上のトラックに声を重ねていくと、オケの上で何やら隠し録りされた告発声明が乗っているような奇妙な趣が表出し、またローファイな質感も魅力です。

 

 録音に関しては65%くらい成功すれば良いと決めています。口が回るよう数回ほど練習した後、3テイク録音し、それらの中からベストな個所を選んでつなぎ合わせる。“良いテイクが出なければ翌日またやってみる”くらいの気持ちで、歌うことへの新鮮さが失われる前に終えます。もしくは、半年ほどライブで歌い続けて慣れてきたところを録音する。それくらい両極端なやり方が自分には向いています。

 

 自身の歌を客観的にジャッジする必要は無いです。主観的に気持ち良く歌えれば、それで良いです。歌を録り終えた後で、楽曲アレンジを変えることをお勧めします。その歌の声域、内容に合ったアレンジを探してください

機材紹介

Built-in Mic
Macの内蔵マイク

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 ラップの録音にはAPPLE MacBook Proの内蔵マイクを使うことも。奇妙な趣が出たり、ローファイな質感が魅力だったりします。DAWはABLETON Live 10で、モニターにはSENNHEISER HD25やAUDIO-TECHNICA ATH-M50X(ホワイト)などヘッドフォンを使用。

Condenser Mic
AKG C414 XL II

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 マイク・スタンドは使用せず、サスペンション・ホルダーを握って録音します。ポップ・ガードも使いませんが、付属のウィンド・スクリーンは装着。このほかSHURE SM58を使うこともあります。

デジマートで探す

Audio I/O
RME Fireface UCX

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 小型なので持ち運びが簡単で、多様な場所で録音できて便利です。自宅録音となると、外の電車や車、工事の音、もしくは突然の家族の登場などさまざまな障壁が予想されますので、録音場所を変えられるというのは非常に好都合と思われます。ちなみに実家や友人の部屋、カラオケ・ボックス、バンドの練習スタジオ、小さな防音室などいろいろ経験してきましたが、一番良かったのは静かな場所に引っ越すことでした。

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録り音のトリートメント

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 ラップには、一語ずつボリューム・オートメーションを描くとリズム感が増すのでお勧めです。

 

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  TONEBOOSTERS TB Ferox 3(コンプ/サチュレーター)のSATURATEノブで声にひずみを足すと、最近作っているトラックの質感になじむので、大抵どの歌にも使っています。またミックスの途中でMonoとOversampleを歌全体に使用すると、オケとの間に新鮮味が生じ別のアイディアが湧いてくることがあるので好きです。

鴨田潤

2000年にイルリメ名義の1stアルバム『イるreメ短編座』を発表後、鴨田潤として弾き語りの作品を制作するなど積極的に活動。Jun Kamoda名義では、Mister Saturday Night(米)やBlack Acre(英)などの有力レーベルから実験的な色彩のハウス・ミュージックをリリースしている

【Recent Work】 

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詩集『言葉の星座』+CDアルバム『三』
鴨田潤
(リトルモア)

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