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ネットワーク・オーディオを拡張するNEUTRIK Danteインターフェース

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 多くのデジタル・ミキシング・コンソールで採用されているオーディオ・ネットワーク規格のDante。ご存じの通りイーサーネット・ケーブルで対応機器同士を接続することで、多チャンネルのオーディオ伝送および分岐を可能にする。近年多くのDante対応製品が発表されている中、今回はNEUTRIKのDanteインターフェース、NA2-IO-DPro(オープン・プライス/市場予想価格:92,000円前後)とNA2-IO-DLine(オープン・プライス/市場予想価格:39,800円前後)について紹介していこう。


電源供給はPoE方式を採用
NA2-IO-DProはプリを2基搭載

 

 Danteインターフェースとは、Danteで構築されたオーディオ・ネットワークにアナログおよびデジタルでの入出力を可能にする機器。Danteネットワークに接続されたマイク入力やアンプ出力を持つステージ・ラックも、Danteインターフェースの一つだ。今回レビューする2機種は2イン/2アウトの入出力(XLR)を持った、LANケーブル経由で電源供給を行うPoE方式の製品となっている。


 NA2-IO-DProの入出力はアナログとAES/EBUに対応している。ch1単独かch1&2の両方にケーブルを接続するとアナログ、ch2のみにつなぐとAES/EBUに切り替わる。入力部には、48Vファンタム電源の供給が可能なマイク・プリアンプを2基内蔵。入出力レベルの操作は、Mac/Windowsに対応する専用のアプリのDPro Controllerで行う。

 

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Mac/Windowsに対応する、NA2-IO-DProの専用ソフトDPro Controller。上部に表示されているNA2-IO-DProのアイコンは接続されている端子のみ色が濃く表示される仕様で、本体の状況がソフト上で確認できる


 Dante用イーサーネット端子はリア・パネルに2つ用意されているので、リダンダント・モードでの接続にも対応。もちろんデイジー・チェインでPoEの電力が許す限り数珠つなぎすることも可能だ。最大入出力は24dBuと、妥協の無い作りとなっている。

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NA2-IO-DProのリア・パネルにはDante用イーサーネット端子(etherCon)を2つ装備。冗長化に対応している(撮影:川村容一)

 

 NA2-IO-DLineはライン・レベルでのアナログ入力のみに機能を絞ったモデル。マイク・プリアンプや遠隔操作用のアプリも無しというシンプルな作りだ。こちらのモデルはフロント・パネルにDante用イーサーネット端子を1つ装備している。消費電力はNA2-IO-DProの6Wと比べ、NA2-IO-DLineは2Wとさらに低電力。NA2-IO-DLineの方が複数接続に強いというメリットがある。


 多くのDante対応製品が出ている中、2chでこれほど使い勝手の良い製品は希少だ。今日のPAにおいて映像スタッフから音声が送られてくる現場も少なくないし、同時に音声の収録を担っている場合にはPAの2ミックスを渡すことも多い。そういったときにこれらの製品があれば、音声の受け渡しがスマートに行える。複数のアナログ・ケーブルを引き回すことなく、LANケーブル1本で多チャンネル伝送可能なのも大きな利点。急に受け渡しの音声ソースが増えてしまっても、NA2-IO-DProであればデイジー・チェイン接続で素早く対応できる。RTAマイクやライブ録音でのオーディエンス・マイクのプリアンプ、配信用音声の引き回しなど、さまざまな用途で活躍してくれそうだ。

 

SN比が高くクリアなサウンド
PoEでコンデンサー・マイクも使用可能


 NA2-IO-DProに2本のコンデンサー・マイクを接続してみたところ、PoEによる電源供給でも全く問題なく駆動した。むしろ想像以上にSN比が良く、安値な小型ミキサーより高品位な音色。くもりの無いとてもクリアなサウンドで、オールマイティに対応してくれそうだ。NA2-IO-DLineも同様にSN比が良い。

 

  NA2-IO-DPro専用ソフトのDPro Controllerも使ってみよう。接続方法はいたってシンプル。NA2-IO-DProが動作するDanteネットワークにコンピューターを接続し、DPro Controllerを起動するだけで、自動的にNA2-IO-DProが検知される。右上の虫眼鏡マークを押すと、NA2-IO-DPro本体のLEDを点滅させられる。複数のNA2-IO-DProを接続している場合に便利な機能だ。入出力ゲイン以外にもPADやハイパス・フィルター、リンク機能などを実装し、機能も充実している。シンプルなユーザー・インターフェースなので、初見でも問題無く使用できるだろう。

 

 2機種を使ってみて、ネットワーク・オーディオの利便性がかなり高くなったように感じた。まだ現場ではアナログ・ケーブルを引き回すことが多いのだが、今後Dante対応製品がより普及すれば現場での対応がよりスマートになるだろう。NA2-IO-DProとNA2-IO-DLineのようにシンプルで使いやすい構造であれば、普及に時間はかからないように思う。今後の製品展開にも注目したい。

 

磯田和宏

【Profile】 2013年にサウンド・エンジニア・チームAstrogliaを結成し、2019年にディマージへ移籍。ビッグバンド・ジャズからロック、アイドルまで、さまざまな現場でライブPAやレコーディングを行う http://www.d-merge.com/

 

ACCESSORIES

NRP1RU-2A

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(オープン・プライス/市場予想価格:5,000円前後)

1Uサイズのラック・マウント・パネル。デバイス2基と、DLX取り付けサイズのレセプタクルを4基収めることができる


NA-MB-KIT

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(オープン・プライス/市場予想価格:6,500円前後)

フロア・ボックス内やテーブル下などへのマウントを実現するブラケット

 

NA-RC

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(オープン・プライス/市場予想価格:3,500円前後)

NA2-IO-D両モデルに標準で装備されているラバー・プロテクションは、追加購入することもできる

 

NPS-30W

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NEW! イーサーネット・ケーブルでの電源供給を行うPoEインジェクター。ロック可能な電源/ネットワーク・コネクターを装備。NEUTRIK製品以外にも使用できる。近日発売予定

 

NA-TM-Kit

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NEW! NA2-IO-DLine、NA2-IO-DPro、NPS-30Wをトラスに最大2台までマウントできるキット

 

製品情報

 

NEUTRIK NA2-IO-DPro

オープン・プライス

(市場予想価格:92,000円前後)

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■ビット&サンプリング・レート:最高32ビット/96kHz ■最大入力レベル:24dBu ■ダイナミック・レンジ:122dB以下 ■重量:0.53kg ■外形寸法:151(W)×66(D)×41(H)mm

 

NEUTRIK NA2-IO-DPro

オープン・プライス

(市場予想価格:39,800円前後)

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■ビット&サンプリング・レート:最高32ビット/96kHz ■最大入力レベル:22dBu ■ダイナミック・レンジ:100dB以下 ■重量:0.44kg ■外形寸法:151(W)×66(D)×41(H)mm