DAWの普及、インディペンデントな制作スタイルの隆盛、SNSでのコンテンツ公開などで、さまざまなクリエイターが取り組んでいる“自宅でのボーカル録り”。コロナ・ウィルス以降、その必要性がますます高まっていると言えます。今回は、プロ・アーティスト20組の自宅ボーカルREC術を使用機材とともに一挙公開。ホーム・レコーディング初心者からアップデートを考えている人まで、Tips集として活用していただけると幸いです。
Meirin [ZOMBIE-CHANG]
たくさん歌っても良いテイクは出ないから
歌う回数を決めて素早くテイクを選びます
自宅では、アルバム制作などに向けて常に曲作りしているので、仮歌の録音を行っています。一般的なアパートに住んでいるため、吸音材や防音シート、板、布などで壁を作り、窓枠は防音板を使って自作しました。メイン使用のDAWはABLETON Liveで、たまにAPPLE Logic。いつも単独で歌録りしているので、特に困ることはありません。少しずつですが、新しい機材やソフトを買ってインスピレーションを受けたり、それまでとは違う挑戦をしてみたり、普段は聴かないようなジャンルからふと影響を受けたり……それらが自分へのボーカル・ディレクションと言えるのかもしれません。
ATH-M70XやATH-AD2000XといったAUDIO-TECHNICAのヘッドフォンを所有しているのですが、歌録りに使用すると私の環境では音漏れがかぶってしまいやすいので、モニタリングにはAPPLE EarPodsなどのイヤホンを使っています。テイクに関しては、良くも悪くも編集や加工で幾らでも直せると思う反面、それが現実的に不可能な場合はレコーディングし直します。同じところを何回録るか決めて、良いテイクを短時間で選ぶんです。何回も歌うのは嫌いなのと、たくさん歌ったからと言って良いテイクが出るわけではないので、素早く決めています。
機材紹介
Monitor Speaker
GENELEC M030
プレイバックに使用。最近、前に使っていたスピーカーが壊れてしまってグレード・アップしてみました。全帯域がバランス良く聴こえるので音を整えやすく、安定して聴こえます。私の環境には合っているのかな。
【デジマートで探す】
Dynamic Mic
SENNHEISER E945
録音とライブに使っているE945。録りに最適なマイクかどうかは分かりませんが、自宅の環境が完ぺきではないため、超指向性で環境音がかぶりにくいという点で合っているのかも。併用しているオーディオI/OはNATIVE INSTRUMENTS Komplete Audio 6です。E945はライブでもかぶりが少なく、声の通りが良くてエフェクトもかかりやすいんです。
【デジマートで探す】
DAW Software
ABLETON Live
もともとはLogicオンリーでしたが、制作するトラックにループ・ベースのものが増えたので、Liveに切り替えました。MIDIコントローラーAKAI PROFESSIONAL APC40 MKIIを併用しているので、アナログ機材の音を録ってエディットするのがとても楽です。
【デジマートで探す】
録り音のトリートメント
最終ミックスはプロ・エンジニアの方に頼んでいるので、たくさんプラグインを持っているわけではありません。なので、例えばピッチ修正が必要なときはLogicのFlex Pitchを使います。そのほかARTURIA Rev Plate-140やNATIVE INSTRUMENTS Raumといったリバーブ、LiveのDelayなども使用。オートメーションでパンを動かしたりもします。
Meirin [ZOMBIE-CHANG]
ソロ・プロジェクトZOMBIE-CHANGで作詞／作曲～トラック制作を行い、ワールド・ワイドでのリリース、FUJI ROCK FESTIVALやLa Magnifique Society（フランス）などフェスへの出演、アジア・ツアーの敢行、ラジオ局Beats 1でザ・ウィークエンド（カナダ）に選曲されるなど話題に
【Recent Work】
プロ20組の歌録り機材＆テクニック！ 自宅ボーカルREC術
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