最前線で活躍する9人のプロフェッショナルに、愛用しているUAD-2プラグインのアンケートを実施。実際にどのUAD-2プラグインを、どのように使っているのか見ていこう。
プロデューサー/作編曲家
鈴木Daichi秀行
【Profile】家入レオやYUI、miwaらをはじめ、トップ・チャートに輝く楽曲に多く携わる。レーベルStudio Cubic Recordsも運営している。
【Equipment】
DAW:STEINBERG Cubase、AVID Pro Tools
DSP:UAD-2 PCIE Card(Octo)×2、UAD-2 Satellite Thunderbolt(Octo)×2、Apollo 8(Quad)、Apollo 8P(Quad)
オーディオI/O:AVID Pro Tools|MTRX、RME HDSPE MADI FX、ANTELOPE AUDIO Orion 32 HD
【Recent Work】
Ocean Way Studios
特に最近はドラムやギターなどを小さめのスタジオで録音するケースも多いため、後からスタジオの響き(しかもオーシャン・ウェイ)が手軽に加えられるのは素晴らしいことです。リバーブとも違うかかり方で、生録音した楽器にはもちろん、打ち込みのストリングスやピアノなどに良く使います。バンド・サウンドであれば質感に一体感が生み出せます。
Townsend Labs Sphere
TOWNSEND LABS Sphere L22というコンデンサー・マイクと組み合わせて使うプラグインです。数々のビンテージ・マイクのモデリングが選択可能で、後から指向性を変えたり、1本のマイクでのステレオ録音まで対応します。録音後にいろいろと試せるため、EQではできないマイク特性による音色変化までコントロール可能です。
Teletronix LA-2A Classic Leveler Collection
ボーカルの初段やベース、キックなどにほぼ毎回使用しています。なだらかにコンプレッションしつつアタック感は残るので、幅広い使い方が可能です。リビジョン違いのモデリングが3種類あってキャラクターがそれぞれ違うので、ソースに合うものをその都度使い分けています。LA-2Aは実機も所有していますが、ミックスでは複数のトラックで使うことが多いので高品質なUAD-2プラグインは重宝しています。プラグインならリコールもばっちりです。
アーテイスト/作編曲家
佐藤純一(fhána)
【Profile】4人組グループfhánaで、キーボードとコーラスを務める。グループの中心人物/コンポーザーとして唯一無二の美しい楽曲を生み出し、曲によってはミックスを手掛けるなどエンジニアとしての側面も持ち合わせる。個人としても楽曲提供や作編曲を行っている。
【Equipment】
DAW:APPLE Logic Pro X、PRESONUS Studio One
DSP:Apollo Twin(Duo)、UAD-2 Satellite Thunderbolt(Octo)
オーディオI/O:METRIC HALO LIO-8
【Recent Work】
API 560
APIやSSLのスタンダードなEQは大体使用しているのですが、中でも好きなのがAPI 560。通すだけで音が派手になり、パリッと前に出てくるサウンドになります。主にドラムのバスに使うことが多いですね。スネアとキックの帯域に加え、ハイエンドをほんの少しだけブーストするのが好きです。
Chandler Limited Curve Bender
最近よくマスターに挿しているのが、EQのChandler Limited Curve Bender。通すだけで不思議と空間が広くなった感じがするんです。薄くかけて、少しだけ空気感を作っています。
Teletronix LA-2A Classic Leveler Collection
“これが使いたくてUAD-2を導入した”と言っても過言ではないプラグイン。とにかく存在感が出せます。音が前に張り付きながらもペタッとせず、太くて立体的。主にボーカル、ベース、ギターに使っていますね。EMPHASISノブでかかる帯域が変化するので、ちょうど良いポイントを探して合わせています。
Little Labs Voice Of God
自然に低域を補強することができるLittle Labs Voice Of Godも重宝しています。ベースやキックのローエンド補強をはじめ、fhánaの楽曲ではtowanaの歌声の低域を持ち上げて太さを引き出したりもしますね。
EMT 250
リバーブで好きなのはEMT 250。とても濃厚なサウンドで、距離感をコントロールする目的はもちろん、強めにかけるエフェクティブな使い方もします。プロジェクトのバスには、UAD-2のLexicon 224とLogic Pro X付属のSpace Designer、そしてEMT 250が常に立ち上がっています。
レコーディング・エンジニア
照内紀雄
【Profile】青葉台スタジオに所属しつつ、高根晋作氏とともにstudio E-NEを構える。Gorilla Attackや大橋ちっぽけらの作品に参加。大のサウナ好きで、サウニストとしても活動する。
【Equipment】
DAW:AVID Pro Tools
DSP:Apollo Twin X(Quad)
オーディオI/O:Apollo Twin X(Quad)
【Recent Work】
API Vision Channel Strip
UAD-2プラグインを導入するきっかけになったプラグインであり、僕のセッションでずっとスタメンを張っています。キックに使うことが多いです。挿しただけで少し重心が下がる気がしますね。当然サウンドに信頼を置いてはいますが、一番気に入っているのはルックスだったりします。APIの製品はどれも心引かれるデザインで、それらの集合体であるチャンネル・ストリップは、画面に立ち上げるだけで“やってやるぞ!”と思わせてくれるんです。実は機能以上に大事な要素だと思います。
Lexicon 224
代えがきかないリバーブですね。僕はボーカルに使用することが多いです。“いかにもリバーブをかけた感じにはしたくないけど、少しだけ余韻が欲しい”というときに、Room Aをよく使ってます。強めにかけても目立ってこない特性が逆に持ち味! 縁の下の力持ち的な存在です。
Ocean Way Studios
登場頻度はほかの2つと比べると少ないですが、音像が近過ぎる打ち込みのドラムやピアノ、ブラス、ストリングスなどに、空気感を付加する用途で重宝します。スタジオの広さやマイクの距離などを細かくコントロールできるので、ライブの現場や宅録されたライン録りのアコギを“スタジオで録音した風サウンド”に仕上げたり、歌に薄くかけて生々しい音色にしたり……と、応用が効く便利なプラグインです。
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