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ザ・ウィークエンド「ブラインディング・ライツ」の80'sシンセ・リードを作る!〜洋楽ヒット曲に学ぶシンセの音作り

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Kポップからヒップホップ、R&B、ロック、EDMまで幅広いヒット曲のシンセを例に挙げ、ソフト・シンセを用いた音作りをサウンド・デザイナーのBlacklolitaが解説。昨今ポップスでも80'sサウンドをよく聴きますが、ここではザ・ウィークエンド「ブラインディング・ライツ」(『アフター・アワーズ』収録)の80'sシンセ・リードをHarmorで作ります。きらびやかかつ、アナログの太さも併せ持つシンセの音作りを紹介しましょう。

 使用シンセ  IMAGE-LINE Harmor

 

 

Step 1:オシレーター
ノコギリ波と矩形波をミックス

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  80'sシンセ・リードは、EDMでもよく登場するスーパー・ソウとほぼ同一の性質を持つ音。このスーパー・ソウのデチューンやフィルター具合をいじることで、80'sシンセ・リードになるのです。

 また矩形波を少し重ねるだけで、懐古的な雰囲気を持つ音に変化させることができます。オシレーターをつかさどるTimbreセクションでは、既にデフォルトでオシレーター1にノコギリ波、オシレーター2に矩形波がアサインされています。MIXを時計の11時辺りにセットし、両者をミックスした音を用いましょう。

 

Step 2:ユニゾン
ユニゾンで音に厚みを出す

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 画面中央に位置するUnisonでは、orderを9にして厚みを出しましょう。この真下にあるメニューではユニゾンのゆらぎ具合を5つから選ぶことができるのですが、今回はBlurredにします。種類によっては若干音が違うので、ここは自分の好みで選ぶとよいでしょう。

 

Step 3:プラック
Pluckでワンノブ・ローパス処理を

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 次はUnisonの右下にあるPluckセクションです。僕がHarmorにおいて一番使用するエフェクトと言っても過言ではありません。TIMEはワンノブのローパス・フィルターのようなもので、ひねるだけで簡単に音作りができてしまいます。今回は時計で13時の位置に設定しました。

 

Step 4:倍音の増幅
Harmonizerでビビッドなサウンドに

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 Unisonの左側にあるHarmonizerセクションに移ります。ここは基本的にデフォルトのままでOK。AMTを回すとエキサイターで倍音を強調したようなサウンドになります。今回は80'sシンセ・リードなので、多少ビビッドさは欲しいところ。ここは思い切ってAMTを13時くらいに回してみましょう!

 

Step 5:ピッチ・エンベロープ
ピッチ・エンベロープでタイトなアタック感を表現する

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  続いては画面右下のエンベロープ・セクションへ。セクション左上のメニューからPitchを選択し、マウスで直接画面内にエンベロープ・カーブを描きます。WindowsではAltキー(Macではcontrolキー)を押しながら画面をクリックすると、自由にポイントを配置することができますので試してみてください。ここではタイトなアタック感を表現したいので、画像のように極端なカーブを描きました。

 

Step 6:ボリューム・エンベロープ
自然で柔らかな余韻を演出する

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 エンベロープ・セクションにて、今度は左上のメニューからVolumeを選択しましょう。ここではアタックを0msに、ディケイとリリースは画像のように多少長く設定することで、アタックのタイトさを残したまま自然で柔らかな余韻を演出することができます。これはほかの音作りでも活用できるので、ぜひ試してみてください。

 

Step 7:空間系エフェクト
80'sシンセぴったりのゲート・リバーブ

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 最後にエフェクトです。エンベロープ・セクションの右上にあるFXをクリックして、エフェクト画面に切り替えます。Chorusのorderは7にし、spreadは深め、mixは浅めにしましょう。

 一方、Reverbのsizeやdec、dampは中くらいに、diffを深めに設定してあげれば、80'sシンセ・リードの雰囲気にぴったりのゲート・リバーブの完成です! Harmorは、あまりいじらなくても奇麗で芯のある音を出せるのが特徴。いろいろ遊んでみるとよいです。

 

 

beatcloud.jp

 

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Blacklolita

【Profile】サウンド・デザイナー/音楽クリエイター。2012年に音楽活動を開始し、ダブステップを軸にさまざまなダンス・ミュージックやゲーム音楽を制作する。そのほかシンセに関する講座や記事の執筆、サンプル・パックのデベロッパーKYMOGRAPHの運営も手掛けている。Twitter(@_Blacklolita_)も日々更新中!


【Recent Work】

gumroad.com

 

【特集】洋楽ヒット曲に学ぶシンセの音作り

 

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