iZotope 私はこう使う! TeddyLoid × Nectar 3&Tonal Balance Control 2.2

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 ミックス/マスタリングに特化したソフトやポストプロダクション向けのオーディオ・リペア・ツールなど、iZotopeの製品は多岐にわたる。ここでは国内外で活躍するクリエイター/作曲家/エンジニアに登場いただき、普段彼らがどのようにiZotope製品を使用しているかを語ってもらった。既にiZotope製品を使っているユーザーから未体験の読者まで、iZotope製品を試してみたくなるようなTips/ノウハウ集をお届けしよう。

 

TeddyLoid

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【Profile】プロデューサー/DJ。m-flo、ゆず、香取慎吾、HIKAKIN & SEIKIN、中田ヤスタカ、KOHHなどへの楽曲提供やリミックスを手掛ける。2019年には米国最大アニメ・フェス“Anime Expo”の前夜祭=“OTAQUEST KICKOFF”のヘッドライナーを務めた

Recent Work

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『乙女解剖 feat. 初音ミク (TeddyLoid Alllies Remix)』
DECO*27
(OTOIRO)

 

 僕はボーカルに特化したチャンネル・ストリップ・プラグインiZotope Nectar 3を愛用しています。最近単体プラグインとしても発売されたiZotope Tonal Balance Control 2.2と併せて、僕なりの使い方を紹介します。

Nectar 3のVocal Assistant機能で作業効率を上げる

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Nectar 3に搭載されたVocal Assistant機能(赤枠)。AIがボーカル・トラックを解析し、自動で最適なプリセットを提案してくれる。設定画面では、結果となるボーカル・サウンドの傾向やエフェクトの処理具合を選択できる

サウンドの方向性やエフェクトの処理具合を選択

 僕がよく行うのは、AIがボーカル・トラックを解析して最適なプリセットを提案してくれるVocal Assistant機能と、付属のプリセット群を活用すること。どちらかというとVocal AssistantはEQやコンプレッサー、ディエッサーなどを自然に施したり、ボーカルをクリアに聴かせたいと思ったときに使います。

 

 画面最上段にある“Vocal Assistantボタン→ASSIST”とクリックしたら“Vibes”と“Intensity”の設定をそれぞれ選べます。Vibesにはビンテージ/モダン/ダイアログ、Intensityにはライト/モデラート/アグレッシブとあり、曲の雰囲気に合わせてサウンドの傾向やエフェクトの処理具合を選べます。さらっとかけたい場合は、Intensityでライトを選択するのがいいでしょう。また、Vibesはビンテージ、Intensityはアグレッシブに設定するのもお気に入り。ボーカルをテープに通したような温かいサウンドかつ、リバーブなどもしっかり施されたエフェクトを使用することができます。Vocal Assistantは、ボーカル処理の一つのアイディアとしても活用できるのでお薦めです。

ワンクリックで複雑なエフェクト処理が可能

 一方プリセットを使う場合は、ボーカルをよりエフェクティブに加工したいときが多いです。プリセット名からその内容を簡単に想像できるので、どんどん気になったものを試せます。またNectar 3にはNectar 2のプリセットも入っているので、長年のユーザーにとってはうれしい限りです。

 

 僕のお気に入りプリセットは“Chart Ready Anthem”。男女のボーカルに使え、コーラスやディレイが作る立体的な空間処理がEDMのトラックによくなじみます。サチュレーションやディエッサーなど9つのモジュールが用いられているのですが、1〜2クリックでこの複雑な設定を使えるのは正直、作業効率が良過ぎます。もちろんビギナーにとっては、各モジュールの使い方の勉強にもなるでしょう。

 

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Tonal Balance Control 2.2でミックス・バランスを視覚的に把握

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マスター・トラックにインサートしたTonal Balance Control 2.2。画面中央にあるタブ(赤枠)から拡張画面を開き、ボーカルのバス・チャンネルにインサートしたNectar 3のEQをコントロールしている

ターゲットを見ながらパートごとにEQ処理

 Tonal Balance Control 2.2(以下TBC2)は、リファレンス・ターゲットと自分の楽曲のミックス・バランスを比較することができる便利なプラグイン。ターゲットは13種類の異なるジャンルから選べるのですが、僕はよく“EDM”を使っています。普段はマスター・トラックに挿したiZotope Ozoneの後段にTBC2をインサートすることが多いです。

 

 面白いのは、画面中央にある“Select a source”というタブをクリックしてNector 3やOzone 9、Neutron 3のEQモジュールを調整できる機能。僕はこれを応用して、ボーカル/シンセ/ベース/ドラムなどパートごとにまとめたバス・チャンネルに先ほどのプラグイン類を挿し、TBC2上から各EQモジュールを制御して楽曲全体のミックス・バランスをコントロールしています。

 

 こうすれば、TBC2のターゲットを見て低域が大き過ぎるときは、ベースのバスに挿したEQを呼び出して調整することができるのです。TBC2の画面から毎回移動せず、スムーズに楽曲全体のミックス・バランスを調整できます。

 

 ターゲットは世界のトップ・エンジニアたちが手掛けた楽曲を参考にしているので信頼できますが、“ドンシャリ”な音が好きな僕の場合は、あえて高域を大きめに残したままにすることもあります。好みで微調整するのもよいでしょう。また任意の楽曲ファイルを読み込み、リファレンスとして使える機能もユニークですね。

“Crest Factor”で低域の圧縮具合を調整

 そのほかツアー先のホテルや移動中など、モニター・スピーカーから大きな音を出せない環境でミックスしなければいけないときも、TBC2は視覚的にミックス・バランスが確認できるのでとても役立ちます。また、Lowセクションにある“Crest Factor”は低域の圧縮具合を調整できるので、EDMやトラップ、ローエンドが効いた近年のポップスやR&Bなどのミックスでも重宝する機能でしょう。

 

 時間をかけて良い曲を作ることは大事なことですが、僕たちのようなクリエイターは限られた期間内に良い作品を仕上げなければなりません。また忙しい日々の合間に音楽制作をしている方も多いことでしょう。こんなときにもTBC2やNectar 3はお薦めです。操作もシンプルなので、初心者の方でもすぐに使える便利なプラグインだと言えます。

 

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製品に関する問合せ:メディア・インテグレーション

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