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iZotope 私はこう使う! 横山克 × RX 7

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 ミックス/マスタリングに特化したソフトやポストプロダクション向けのオーディオ・リペア・ツールなど、iZotopeの製品は多岐にわたる。ここでは国内外で活躍する8名のクリエイター/作曲家/エンジニアに登場いただき、普段彼らがどのようにiZotope製品を使用しているかを語ってもらった。既にiZotope製品を使っているユーザーから未体験の読者まで、iZotope製品を試してみたくなるようなTips/ノウハウ集をお届けしよう。

 

横山克

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【Profile】音楽プロデューサー/劇伴作家。アニメ/ドラマ/映画など、数多くの映像作品の音楽を手掛ける。また、ももいろクローバーZをはじめとしたアイドルへの楽曲提供も行っている

Recent Work

 

 ここ数年、僕は自分でフィールド・レコーディングしたサンプル素材を楽曲へ取り入れたりしています。ここではその際に使用するノイズ除去プラグインiZotopeのRX De-clickと、リバーブ除去プラグインRX De-reverbをご紹介しましょう。

 

RX De-clickでスライス後の処理をスピーディに

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クリック除去プラグインRX D e-click。“プチッ”とした短いインパルス・ノイズの除去に向いている

インサートするだけでノイズを除去

 僕が自らサンプル素材を作るようになったのは、今から約3年前。TVアニメ『天狼 Sirius the Jaeger』の音楽を担当したとき、著名なサンプル・ライブラリーを手掛けるポリー・パウダー氏と一緒にサンプル制作をしたのがきっかけです。

 

 それ以降も、自分でサンプルを作っていたのですが、そこで直面したのが“ノイズ問題”でした。それは、スライスしたサンプルをランダムに並び替え、新しいサンプルとして書き出した際に発声する、“プツプツ”というノイズ。この場合、ノイズが発生する部分一つ一つに細かいフェードをかけたり、エンベロープやサンプル開始位置の調整を行うのですが、集中力がそがれてしまい、音楽制作する上での新鮮さから遠ざかってしまうことが多々ありました。

 

 そんなとき僕は、RX 7収録のクリック除去プラグインRX De-clickを目的のチャンネルにインサートします。これだけで、“プツプツ”というノイズを簡単に消すことができるのです。初期設定のままでも十分効果がありますが、もし微調整したい場合は画面右上にあるSensitivityを動かすとよいでしょう。

初心者でも簡単な操作感

 最近、声優/シンガーである早見沙織さんと「mist」という旅をモチーフにした曲を作ったのですが、この曲にはさまざまな旅先で収録した音……例えば“砂利や水の音”などを、リズム要素としてたくさん取り入れているのです。このような音はノイズ成分をたくさん含んでいるので、RX De-clickでの処理が向いていると思いますが、除去され過ぎて何の音か分からなくなることもあります。そういうときこそ、Sensitivityで感度を調整するとよいです。

 

 また、画面右下にあるClick widening[ms]の値を上げていくとアタックが滑らかになる印象。アタックをキープしたい場合は、なるべくClick widening[ms]はそのままの方がよいと思います。このように、RX De-clickは初心者でも簡単に扱えてしまうのが一番の魅力でしょう。

 

オーディオ素材の質感を調整可能なRX De-reverb

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RX De-reverbはリバーブ除去に特化したプラグイン。横山は、フィールド・レコーディングしたオーディオ素材に用いることが多いと言う

 

Tail length[s]でリバーブ・テールの長さを調節

 僕が直面した“ノイズ問題”の2つ目は、環境音に含まれる反響音です。僕は旅行中に曲のインスピレーションを受けることが多く、旅先でフィールド・レコーディングした素材を楽曲に取り入れることがあります。

 

 例えば、韓国での祭りの音やロンドンでの街中の音などを楽曲に組み込むのですが、もちろんそのままではなく、RX De-reverbでリバーブ除去をしてから行います。なぜかというと、フィールド・レコーディングした素材には自分好みのリバーブを施すことが多く、元のリバーブ成分が残ったまま空間系エフェクト処理を行うと、ほかのトラックと混ぜたときに質感が合わずに浮いてしまうことが多いからです。なので、その下準備としてRX De-reverbを使い、一度奇麗にリバーブ除去を行なっています。

 

 RX De-reverbで一番使うパラメーターは、画面左端にあるReductionと画面下段にあるTail length[s]です。Tail length[s]は、リバーブ・テールの長さを調節することができます。あとは、画面中央にあるLow/Low-mid/High-mid/Highの4つのパラメーターで適宜調整すればばっちりです。

 

必ずしも奇麗な音質で録音する必要はない

 RX De-clickやRX De-reverbといったRX 7の各モジュールは、ノイズやリバーブなどの除去を目的としていますが、完ぺきに除去してしまわずにあえて少し残して“周りとなじませる”といった使い方もOK。逆に完全に除去した上で、過激なエフェクトをかけてみたりするのもありでしょう。

 

 また、必ずしも“奇麗な音質で録音する必要はない”ということも言えます。インスピレーションの源とは、偶然にしか遭遇できません。そのため、僕はAPPLE iPhoneのマイクでも収録を多く行います。レコーダーを取り出すという行為自体が、インスピレーションから遠ざかってしまうからです。

 

 RX 7の魅力は、こうした“正しく録られていない”サンプルであっても、使えるサンプルに変換できること。高いクリエイティビティの前では“正しさ”なんて意味を持ちません。RX 7は単純なノイズ除去ツールとしてだけでなく、音楽制作におけるインスピレーションを手助けするツールとしてもお薦めです。

www.izotope.jp

 

製品に関する問合せ:メディア・インテグレーション

www.minet.jp

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