UNIVERSAL AUDIO Apolloシリーズは、多彩なラインナップを取りそろえるオーディオI/O。数々の名機をエミュレートしたUADプラグインの提供とUNISON機能、システムの拡張性もあり、全世界のクリエイターやエンジニアに愛用されている。実際にApolloを活用するユーザーたちは、数多の製品の中からなぜApolloを選ぶのか。今回は、ヒップホップ・プロデューサー/エンジニアのNAOtheLAIZAが登場。Apolloシリーズを10年以上使う彼に、その魅力や活用法を尋ねた。
Photo : Hiroki Obara
Apollo x6
Make Hits Labに設置されるApollo x6。16イン/22アウトのラック型オーディオI/Oで、UNISON対応マイクプリを2基、SHARCチップを6基搭載する。
1176LN Classic Limiting Amplifier
NAOtheLAIZA ボーカルやラップにかけることが多いコンプレッサー。スピード感があってひずみも少なく、中域が汚くならないんです。リダクション・メーターが-6dBの目盛にかかる状態でもナチュラルで、音が前に出てきます。
Auto-Tuneを遅延無くモニタリングできる
NAOtheLAIZAが制作の拠点とするスタジオの一つ、Make Hits Labには、Apollo x6が導入されている。
「もともとこのスタジオではデスクトップ・タイプのApollo Twin Xを使っていたのですが、最近ラック・タイプのApollo x6に切り替えました。入出力数が増えただけではなく、音質もさらに良くなったと思います」
Apollo Twin XはライブDJをする際に使うという。
「UADプラグインをかけ録りできるUNISON機能を使って、NEVEのマイクプリでドライブ感を調整したりしますね。本体に搭載されているミュート・ボタンやモニター・スイッチも分かりやすくて、とても重宝しています。Apollo Twin Xはライブやコンパクトな制作環境の方にお薦めです」
10年以上にわたってApolloシリーズを使い続けているという彼に、導入のきっかけを聞いてみた。
「初めてApolloを導入したときに魅力に感じていたのは、やはり付属のUADプラグインですね。アナログ・シミュレーターが豊富ですし、オーディオI/Oを1台購入すればプラグインも一通りそろうというのがありがたかったです。一方で、今一番気に入っているポイントは、レコーディングのときにラップにANTARES Auto-Tuneをかけてリアルタイムでモニタリングできるところですね。特にヒップホップはAuto-Tuneをよく使うので、遅延がほぼ無い状態でモニタリングできるというのは非常に便利です」
ボーカルだけでなく、ギターの録音をすることもあるという。録り音へはどのような印象を抱いているのだろうか?
「ギターを激しく弾いたときのアタック感がシャープで好きです。Apolloは、パワーがしっかりあるけど色づけはあまりなくて、ナチュラルな音がすると思います」
機能についてはConsoleアプリを気に入っているという。
「画面をOVERVIEWにすると、チャンネルの入力やプラグインのインサート・スロットなど、すべての設定にアクセスできるのでとても使いやすいです」
付属のプラグインですぐに音楽制作を始められる
ほかにも多数のUADプラグインを活用しているという。
「1176LN Classic Limiting Amplifierは、ボーカルやラップにほぼ毎回使います。ベースの低域を出すためにLittle Labs VOGもよく使いますね。TR-808のサブベースにかけて、より低い音域を出すことが多いです。EQで持ち上げたときとは違って、倍音が付加される感じが良いんですよ。ツマミもシンプルで使いやすいです。リバーブのOcean Way Studiosも気に入っていて、よくストリングスにかけています。まるでそのスタジオで録ったかのように立体的な音になって、なじみが良くなるんです」
最後にApolloの導入を検討する方に向けて、お薦めできるポイントを語ってくれた。
「UADプラグインが豊富に用意されているので、Apolloが1台あればすぐに音楽制作ができますし、製品のラインナップが豊富なので自分の制作環境に合ったものを選ぶことが可能です。何でもできるオーディオI/Oなので、最初の1台としてもお薦め。特に、Auto-Tuneをよく使うという方にはぜひ試していただきたいですね」
NAOtheLAIZA
【Profile】山形市出身のヒップホップ・プロデューサー/エンジニア。2012年に大阪から東京へ拠点を移し、DOBERMAN INFINITY、韻踏合組合、SHINGO★西成、般若、NORIKIYO、JAGGLAなど数多くの楽曲を手掛けている。海外アーティストとのコライトにも積極的に参加。
Recent work
『Cherry On Top』
EMI MARIA
(Bop Arts)