Lunaレコーディング・システムの全容 〜UNIVERSAL AUDIO Luna徹底探査

f:id:rittor_snrec:20210226181924j:plain

昨年UNIVERSAL AUDIOがリリースしたレコーディング・システム、Luna。大人気の同社Apollo Thunderboltオーディオ・インターフェースとソフトウェアを統合したことで、シンプルに音楽制作やレコーディングに集中できる環境を実現した。また、同社の優れたプロセッシング技術を融合し、これまでのDAWに無い“トーンを持たせられるデジタル・レコーディング環境”であることも注目のポイントだ。この企画では、そんなLunaを既に取り入れているクリエイターへの取材と、Lunaでのレコーディング・レポートを通じて、この新しい環境がもたらす可能性を徹底的に探査してみたい。

Photo:Takashi Yashima(メイン)

 

レイテンシーの無いレコーディング環境を実現

 LunaはUNIVERSAL AUDIOのオーディオ・インターフェースApolloのThunderboltモデル(Arrowや旧機種を含む)と、無償提供されているMac対応ソフトウェアLuna Applicationを中心に構成される。Mac環境下でApollo(Thunderboltモデル)を使用しているユーザーなら、誰でも使うことが可能だ。

 

 Luna Applicationはレコーダーやミキサー、MIDIシーケンサー、プラグインでのエフェクト処理や編集といったDAWソフトの機能と、ApolloシリーズのConsoleを統合したソフト。Apolloと言えばハードウェアのアナログ回路とDSP処理を組み合わせたUNISONによって、プリアンプ/ギター・アンプなどのシミュレーションが特徴の一つだが、これをLuna Applicationから直接コントロールできる。

 

 また、UADプラグインを使用して遅延の無いエフェクトをかけた状態でのモニタリングも実現する。従来のDAWで多くのユーザーを悩ませてきた録音時のレイテンシーは、Lunaでは無縁のものとなる。

 

Luna Recording System

 ハードウェア 
Apollo(Thunderboltモデル)※Arrowや旧モデルも含む

f:id:rittor_snrec:20210226183004j:plain

 

 ソフトウェア 
・Luna Application ・Luna Extensions ・Luna Instruments ・UAD-2プラグイン
サード・パーティ製AUプラグイン (エフェクト/インストゥルメント)

f:id:rittor_snrec:20210226183423j:plain

 

 UNISON 
DSP+モデリングに加え、入力インピーダンスなども変更して、名機の再現を行う技術

f:id:rittor_snrec:20210226183412j:plain

 

サミングやテープのエミュレーションも用意

 Luna ApplicationではUADプラグインのほか、サード・パーティのAUプラグイン/インストゥルメントも使用可能。さらに、Luna Extensions、専用ソフトウェア音源のLuna Instrumentsも用意される。

 

 Luna Extensionsは、プラグインとは異なり、Luna Applicationにビルトインされる機能。アナログ・テープのサチュレーション生むTAPEと、ミキサーのサミングを再現するSUMMINGが用意されている。TAPEは無償のOxideに加え、オプションのStuder A800が各トラックで使用可能。さらに、Ampex ATR-102もラインナップされ、こちらはバスやマスターにアサインできる。SUMMINGはNEVEとAPIのコンソール・サミングが追加購入可能だ。

 

 Luna Instrumentsは、マルチ音源Shapeが無償で付属。そのほかモノフォニック・シンセの名機を再現したMoog Minimoog、ピアノ音源のRavel Grand Piano、そしてサード・パーティのSPITFIRE AUDIOからオーケストラ音源が3種類用意されている。

 

Luna Extensions

 TAPE 

f:id:rittor_snrec:20210226191422j:plain

左からOxide、Studer A800、Ampex ATR-102

 アナログ・テープのサチュレーションを再現するExtension。無償で付属するOxideと、Studer A800(349ドル:UADプラグイン版のユーザーは使用可能)は各オーディオ/インストゥルメント・トラックに使用可能なMTRタイプ。Ampex ATR-102(349ドル:UADプラグイン版のユーザーは使用可能)はマスターやバスに使用するマスター・レコーダー型。

 

 SUMMING 

f:id:rittor_snrec:20210226192004j:plain

左からNeve Summing、API Summing

 アナログ・ミキサーのサミング・バスをエミュレートする機能をLuna Applicationに追加可能。マスターやバスで起動できる。NEVE 80シリーズ・コンソールを元にしたLunaリリース当初からのNeve Summing(299ドル)に加えて、APIの複数のコンソールを元にしたAPI Summing(299ドル)も登場。前者は1272、後者は2520といったプリアンプのサウンドや、トランスも含めて再現。ドラム・バスはAPI、ステレオ・ミックスはNEVEといった使い分けも可能となる。

 

Luna Instruments

 Luna専用のソフト音源として、Luna Instrumentsも用意。無償で提供されるShapeはUNIVERSAL AUDIOの自社制作サンプルや、SPITFIRE AUDIOなどの著名サード・パーティから供給を受けた音色を元に、キーボード、ドラム/パーカッション、ギター/ベース、オーケストラ、シンセなど、厳選した即戦力となる音色を網羅したもの。4パートのレイヤー/スプリットが可能となっている。

f:id:rittor_snrec:20210226192151j:plain
f:id:rittor_snrec:20210226192207j:plain
f:id:rittor_snrec:20210226192218j:plain

左からShape、Ravel Grand Piano、Moog Minimoog

 Ravel Grand Piano(299ドル)はユナイテッド・レコーディング・スタジオで収録したSTEINWAY Model Bを元にするグランド・ピアノ音源。Moog Minimoog(299ドル)はアナログ・モノシンセを再現したものだ。そのほかSPITFIRE AUDIOのオーケストラ音源もリリースされている。これらLuna ExtentionsやLuna Instrumentsはバンドル・セットも発売中だ。

 

【特集】UNIVERSAL AUDIO Luna徹底探査

www.snrec.jp

www.snrec.jp

 

UNIVERSAL AUDIO Luna 製品情報

hookup.co.jp

www.uaudio.jp

 

関連記事

www.snrec.jp

www.snrec.jp

www.snrec.jp