NO PASSION, NO MUSIC〜Watusi (COLDFEET) 第12回 オンラインDJ年鑑=Japan DJ.netを作る

f:id:rittor_snrec:20200427102529j:plain

 DMW(Tokyo Dance Music Week)2020*1も無事大円団(のはず)、この連載も1周年。記念すべきこの回にTDMWでも発表した、僕が長い間温めてきたWeb上のDJ年鑑“Japan DJ.net*2の話をその動機から少し細かく記してみたいと思う。

1 感謝を込めて!https://tokyodancemusicweek.com/

2 https://japandjnet.com/

 

 読者の“そこそこキャリア組”は『Musicman』(FBコミュニケーションズ)という音楽業界情報年鑑を覚えていると思う。今では同名のWebサイトとして記事から業界の求人、音楽や防音に特化した不動産情報までを扱っているが、年鑑として日本中の音楽家や事務所、イベンター、レコーディング・スタジオなどをとりまとめて創刊されたときは、随分変わったことをやる人も居るもんだと思っていた。しかし、あっという間に都内中のレコスタから身の回りのアレンジャー/プロデューサーが総出で載るようになり、目にしないレコスタや事務所は無いと言うほどの業界のポピュラリティを得たことにはさらに驚いたものだった。

 

 Japan DJ.netは、言ってみれば『Musicman』に遅れること30年?日本中のDJたちをジャンルや地域で検索できるWeb上のDJ年鑑。プロフィールや連絡先など基本情報からWeb、SNSからYouTube、Mixcloud、Soundcloudはもちろん、使用する機材一覧という項目も作った。多くの方の希望に応え、選択可能なジャンルの数は60を超えた。もちろん自分の街にどんなジャンルのDJが?なんて楽しむもよし、オーガナイザー/イベンターには仕事上の検索に。もちろんDJには営業ツールの一つにというのがシンプル過ぎるほどの作る意味。だがその裏にはさまざまな思いがある。

 

 僕は風営法改正運動の先頭に立ち、あらゆる角度から改正までの表裏を体験してきた。そこから得たことはたくさんあったが、その一つはどんなニッチな業界であっても何かの際に窓口や受け皿となる団体/組織を持つ必要性。逆に規模の大小にかかわらず“業界団体”の代表として動けば政治家は陳情を受け入れるし、警察の担当部署も問題解決に何かしらのアクションをしてくれる。国とはそうした官民が一つとなり恒常的に日々の暮らしを高めていくものだからだ。それがこの国で実践されているかは別問題として、コロナ禍のような有事の際には特にその必要性がクローズアップされる。

 

 されどDJというものは、一般的なミュージシャン以上に交わること、群れることを嫌う一匹狼でもあり、その多くの気質はチンピラでもある。全体の社会的地位の向上のためになんてお題目が一番嫌いな人種が圧倒的だ。

 

 風営法改正のタイミング(2015〜16年)に僕は東京で250名、大阪で100名強のDJ集会というものを個人で開催し、その際にDJ協会なるものがこの国に必要か否かというアンケートを取った。結果は9割超肯定的だった。しかしそれを受けキャリア30年超えの20名ほどと個々でひざを突き合わせ話し合った先に実感したのは、この国ではあと50年はそんなものは到底無理、だった。

f:id:rittor_snrec:20200916144239j:plain

2015年5月、渋谷VisionでのDJ集会。筆者の呼びかけに約250名ものDJが参加してくれた

 それでも業界の窓口がなければDJという職業の社会的な地位向上はおろか、プロフェッショナルと認めてもらうこと自体ハードルがそびえる。風営法改正時にもそこを痛感し全国のつながったDJたちに“Watusi通信”という情報提供メールを不定期に送ってもいた。そんな僕はなんとしても、まずは希望するDJたちにだけでも今何が起きているのか、何が大切か? そんな情報だけでも送り続けられるつながりを作りたいと思っていた。その答えでもあるのが“Japan DJ.net”。

 

 昨年から近しい方々に声をかけ、多種類のソート方法という難題をクリアしたプログラムを作ってもらい、いざ公開というタイミングで、コロナは容赦無くやってきた。DJを検索、どころかDJそのものをできる場所さえ一斉に閉ざされたのだった。そして……(長過ぎるので来月も続く)

 

f:id:rittor_snrec:20200427104129j:plain

Watusi (COLDFEET)

【Profile】Lori FineとのユニットCOLDFEETのプログラマー/ベーシスト/DJとして、国内のみならず欧米やアジア各国でも多くの作品をリリース。国内では中島美嘉、hiro、安室奈美恵、BoAなどの楽曲プロデュースを手掛け、アンダーグラウンドとメジャーとの接続を試みてきた。2015年には“21世紀の正しいディスコ”をキーワードにしたユニット、Tokyo Discotheque Orchestraをスタート。DUBFORCEや“いとうせいこう is the poet”のメンバーとしても活動している。TOKYO DANCE MUSIC WEEK発起人の一人。ライブ・ストリーミング・イベント、MUSIC DON'T LOCK DOWNにもかかわる

 

www.snrec.jp

www.snrec.jp

www.snrec.jp

www.snrec.jp

www.snrec.jp