現代の音楽制作に無くてはならないソフト音源。オールマイティに使えるものから特定のジャンルを象徴する製品、他者との差別化を図れる斬新な音源までそろい、まさに百花繚乱です。そうした数多くの選択肢の中から、プロの現場でリアルに重宝されているものとは何なのでしょうか? 本特集では、著名クリエイター18名に“マイ定番ソフト音源”を挙げていただき、その活用方法を語ってもらいます。
CHOKKAKU
[CHOKKAKU]アレンジャー/プロデューサー。SMAP、L'Arc~en~Ciel、真心ブラザーズ、KAT-TUN、Kis-My-Ft2、OKAMOTO'S、映画『シン・ゴジラ』など数々のヒット曲やサントラを手掛けてきた
REVEAL SOUND Spire
REVEAL SOUND Spire
(23,000円)
4つのオシレーターを搭載したポリフォニック・シンセ。各オシレーターでは9つのユニゾン・ボイスが設定でき、ユニークなサウンドを生成できます。アナログ・タイプとデジタル・タイプの双方が使える2つのマルチモード・フィルターを採用。マクロ・コントロールやモジュレーション・マトリクスを備えるほか、内蔵エフェクトはディレイやリバーブ、シェイパー、フェイザー、コーラス、フランジャー、マルチバンド・コンプ、3バンドEQなどを用意しています。母音の発声をシミュレートできるVowelモードやシーケンサー/アルペジエイター機能も搭載。
エディットがしやすくユニークな音色を生成できる
ダンス・ミュージックをメインに幅広く使えます
新製品としてWebサイトに紹介されていたのを見て購入してみたのですが、今ではあらゆる楽曲でデモ制作から本チャンまで使用しています。最大の魅力は、音の左右への広がり方が奇麗で素晴らしいことです。サウンドは、ダンス・ミュージックにメインで使える印象ですが、ほかのジャンルにも対応できると思います。
実際に使用してみると、各パラメーターのエディットのしやすさに魅了されました。各オシレーターで最大9つまでそのオシレーターのサウンドを重ねられるユニゾン機能を搭載しており、ユニークな音色を生成することが可能です。具体的には、UNISONと書かれた項目内の数値を変更して音を重ねます。この操作がとてもシンプルで、detuneのノブとVoice数を設定するだけでも音色が劇的に変化します。ユニゾン・ボイスの数を9Voicesに設定し、detuneのノブを振り切ると、ピッチ感は無くなりますが最高の効果音が出来上がるのでお勧めです。
プリセットから音色を選んだ直後にとりあえず行う操作は、オシレーター部分であるWAVE内で波形をVowelに変更してみることです。これでどんな音色もボコーダー系の音に大変身します。それから同じくWAVE内にあるctrlAとctrlBのノブを思いつくままにクニャクニャと動かしていくと何かがしゃべっているような音になります。面白くて遊んでしまうのですが、最終的にこの音色を採用することはありません。REVEAL SOUNDのサイトでは、膨大な量の音色プリセットが販売されていることもポイントでしょう。これは私がアレンジャーという立場上、さまざまなジャンルの曲にかかわることが多いのですごく助かっています。


製品情報
DAWに立ち上がる“マイ名機”の使い方
これが私の定番ソフト音源!
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