松武秀樹 × SPECTRASONICS Omnisphere 2 〜これが私の定番ソフト音源!

 現代の音楽制作に無くてはならないソフト音源。オールマイティに使えるものから特定のジャンルを象徴する製品、他者との差別化を図れる斬新な音源までそろい、まさに百花繚乱です。そうした数多くの選択肢の中から、プロの現場でリアルに重宝されているものとは何なのでしょうか? 本特集では、著名クリエイター18名に“マイ定番ソフト音源”を挙げていただき、その活用方法を語ってもらいます。

松武秀樹

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[松武秀樹]作編曲家/シンセサイザー・プログラマー。JSPA(日本シンセサイザー・プロフェッショナル・アーツ)名誉顧問を務める。シンセサイザーの草創期から活躍し、YMO第4のメンバーとも言われている

SPECTRASONICS Omnisphere 2

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SPECTRASONICS Omnisphere 2
(56,000円)

 8つのパートを持つマルチティンバーで、サウンドは4つのレイヤーから構成されています。オシレーターとして扱えるソースは、生楽器のサンプルから複雑なデジタル波形まで400種類以上。自分が持っているサンプル素材を読み込ませて使うことも可能です。LFOは8基、エンベロープは12基、そしてエフェクトは58種類を搭載。また、28種類のフィルター・アルゴリズムを直列/並列に配置したり、アルペジエイターやモジュレーション・マトリクスももちろん装備しています。先述したように、プリセットは14,000種類以上を収録しているため、ハウスやテクノからアンビエント・ミュージックまで、あらゆる音楽ジャンルの制作に対応することができるでしょう。

 

複数のエフェクトを駆使して作り込まれたサウンドが
新しいイマジネーションを与えてくれます

 新しい作品を作っているときに、これまでと違った“何か”を求めていました。ちょうどそのときにJSPA(日本シンセサイザー・プロフェッショナル・アーツ)からOmnisphere 2を薦められ、使用してみようと思ったんです。

 

 実際Omnisphere 2を開いてみると、14,000種類以上と言われるプリセット数の多さに驚きます。しかし、カテゴリー/タイプ/音楽ジャンルなどで整理されているので分かりやすいです。またプリセットを探す際の方法は画期的。選択した音色をもとに、それに似たものを自動で探してくれるSound Match機能で、ライブラリーから瞬時にプリセットを絞り込むことができます。58種類の内蔵エフェクトも魅力の一つ。単音でグッと来る音もあるのですが、複数のエフェクトを駆使して作り込まれたサウンドも印象深いです。私としては、これらのエフェクトを一つ一つオン/オフしてみて、どのようなシンセの音色にどのようなエフェクトが設定されているのかを、じっくり研究してみることをお勧めします。私はここで学んだエフェクトの使い方を、自分のMOOG IIICに応用してみたいとも考えていますね。皆さんも気に入ったプリセットを見付けたら、ぜひやってみてください。また、しっかり整理されたローエンド・サウンドは素晴らしいです。IIICとOmnisphere 2の音を混ぜれば、どんな再生環境でも迫力のある音を再現できるでしょう。

 

 Omnisphere 2は、私に新しいイマジネーションを与えてくれます。ハードとソフト、両シンセの長所を生かして、さらに良い音楽を作っていきたいと思いますね。

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Omnisphere 2のエフェクト設定画面には、エフェクトがラック式に表示され、それぞれを自由に組み合わせることができます。しかも、各パラメーターにはモジュレーションを設定することも可能。エフェクトの多段がけ+モジュレーションで、一昔前のソフト・シンセには考えられなかったような複雑な音色が作れます

製品情報

www.minet.jp

SPECTRASONICS Omnisphere 2

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DAWに立ち上がる“マイ名機”の使い方
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