注目の製品をピックアップし、Rock oNのショップ・スタッフとその製品を扱うメーカーや輸入代理店に話を聞くRock oN Monthly Recommend。今回は、Dante、USB、アナログ入出力を備えたハーフ・ラック・サイズのオーディオ・インターフェース、RUio16-Dを紹介する。YAMAHAの花形優一郎氏と橋田裕造氏、メディア・インテグレーションの福山智宏氏に加え、エンジニアの山﨑しんや氏からも話を聞くことができた。
Photo:Takashi Yashima(※メイン画像)
RUio16-D
Dante、USB、アナログ入出力を備える、16イン/16アウトのオーディオ・インターフェース、RUio16-D。付属するソフトウェア、VST Rack Proと組み合わせることで、好みのVST3プラグインを簡単にデジタル・ミキサーやシステムに組み込むことができる。
●まずは、山﨑さんのようにさまざまな現場で活動するエンジニアが、必要としていることについて教えてください。
山﨑 僕は、アーティストのツアーでPAやマニピュレーターを担当するのですが、場所によって規模や卓などの機材が違うので、いろいろな環境に対応しなくてはいけなくて。機材によってセッティングが違うのが大変なところなんです。なので、こういった部分を一気に効率化してくれるんじゃないかと、前々からRUio16-Dには目を付けていました。最近では、マニピュレーターを専門でやっていないエンジニアの方がマニピュレーターの仕事をするというケースも増えてきています。そういう方は、持ち運びできてチャンネル数のあるオーディオ・インターフェースを持っていないことが多いので、この製品は良さそうだなと思っていました。
●Rock oNでもそういったニーズがよくあるのでしょうか?
福山 そうですね。個人で活動されているエンジニアの方が、Dante接続に対応したオーディオI/Oを導入されるという事例は、年々増えている傾向にあると思います。
●RUio16-Dは、まさにそういった方々に向いた製品ですね。製品の概要について簡単に教えていただけますか?
花形 RUio16-Dは、Dante、USB、アナログの入出力を兼ね備えた、16イン/16アウトのオーディオI/Oラックです。
橋田 簡単に言うと、“小さな筐体に大きな可能性を秘めたオーディオI/Oラック”ということになりますね。なので、実際に皆さんに使っていただいて、搭載された機能をどのように応用していただくかがポイントになってくるんです。このコンパクトさでDanteの入出力が標準搭載されているという製品は、恐らくこれが初ではないかと思っております。
山﨑 例えば、全国ツアーを回るときに北海道から沖縄まで行くのですが、北海道は真冬の時期だと車を走らせるのは怖い、沖縄でフェリーを使うには時間もお金もかかるし……ということで、飛行機で機材を運ぶことがあります。物量が多くなってしまったり、持って行ける機材の数に限りがあったりするので、この回線数でこのコンパクトさというのはとても重宝するポイントだと思います。
●VST Rack Proというソフトウェアが付属していて、最大16chの信号へVSTプラグインをかけることができるのも大きな魅力ですね。
花形 これがRUio16-Dの一番のポイントになっております。VST Rack Proと、デジタル・ミキサーを組み合わせることで、柔軟で安定したプラグイン環境を構築することができます。
橋田 STEINBERGやYAMAHAのVSTプラグイン、計33種類がバンドルされています。例えば、PAなどの現場でよく使われるBuss Comp 369や、Dynamic EQなどが含まれております。
山﨑 YAMAHAやSTEINBERGのプラグインを、YAMAHA以外の卓でも使えるというのは良いですね。実際に使った中では、視覚化されたオーディオ情報のモニタリングと分析が行えるツール、SuperVisionが便利でした。さまざまな種類のメーターが付いているので、マイクの音を調整するのにも使えるし、アナライザーとしても使えるし、さまざまな使い方ができるのが魅力的ですね。これを一つ挿しておけば、必要な情報を全部見ることができるんです。
●ヘッドフォン端子は、Danteのモニタリングと、USBからのモニタリングを“DANTE 15-16”スイッチで切り替えることができます。
橋田 Danteのモニタリングは、今まで簡単にできなかった部分でもあるのですが、今回はヘッドフォン端子を搭載することで対応しました。もちろん、VST Rack ProのCueアウトに切り替えることも可能です。
山﨑 僕は、アーティストのツアーでPAやマニピュレーターを担当するのですが、場所によって規模や卓などの機材が違うので、いろいろな環境に対応しなくてはいけなくて。機材によってセッティングが違うのが大変なところなんです。なので、こういった部分を一気に効率化してくれるんじゃないかと、前々からRUio16-Dには目を付けていました。最近では、マニピュレーターを専門でやっていないエンジニアの方がマニピュレーターの仕事をするというケースも増えてきています。そういう方は、持ち運びできてチャンネル数のあるオーディオ・インターフェースを持っていないことが多いので、この製品は良さそうだなと思っていました。
●本体はライブで使用されることが考慮され、安全性の高い作りになっていますね。
橋田 端子はネジロック式を採用し、ケーブルが簡単に抜けないようにしています。VST Rack Proを使用していれば、パソコンにトラブルがあったときに自動で入出力がバイパスされる機能があるので、基本的に音切れすることはありません。フロント・パネルにもBYPASS USBスイッチがあるので、いざというときにこちらを押していただければ、手動でパソコンへの入出力をバイパスすることも可能です。
●RUio16-Dはどのような方にお薦めですか?
山﨑 これを持っていて特に便利だと感じるのは、フリーで活動されているPAエンジニアの方ではないでしょうか。自分で卓を持っていない状態で大小いろいろな会場に行くので、その際に自分のいつもの環境をどこでも再現できるというのはとても良いんじゃないかと思います。常に使い慣れたプラグインが使えますし、マニピュレーターが居なくて、簡単なオケ出しをする場合にも対応できて、音響的な測定をすることも可能です。
福山 山﨑さんがおっしゃったように、全国を回ってライブを展開するPAエンジニアの方が、手軽にシステムを構築する上での選択肢として、RUio-16Dは一番お薦めできる製品かと思います。それ以外ですと、エンジニアの方の帯同なしにライブ・ツアーをされているバンドもいらっしゃるので、そういう方が自分のパソコンから音を出したり、ライブの収録をするのであれば、RUio16-Dを携帯しておくのもありなのかなと思います。
橋田 PAやSRの現場で使っていただきたいというのはもちろん、RUio16-Dはいろいろな入出力を備えているので、配信をする際や、放送局、レコーディングや制作系のシステムにおいても、簡易的に場所を取らずに設置することができます。こういった現場においても、ソフトウェアVST Rack Proでプラグインが使えるという点を活用していただけると思っております。音響測定用のインターフェースとして使用していただくこともできますし、複数台をDante経由でつないでいただいて、各楽器ごとに配置し、キュー・ボックス的な使い方をしていただくことも可能です。
花形 ホールなどの設備にも使っていただけていますし、やはりRUio16-Dは、いろいろな方にいろいろな使い方をしていただける製品だと思っております。
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