FOCALの最新モニター・スピーカー、Alpha Evo発表イベント・レポート

FOCALの最新モニター・スピーカー、Alpha Evo発表イベント・レポート

 

 7月19日〜21日、Rock oN Companyの地下1階に設けられた多目的スペース=LUSH HUBにて、8月発売予定のFOCAL最新モニター・スピーカーAlpha Evoの発表イベントが開催された。

 

 FOCALは1979年にフランスで設立されたオーディオ・ブランド。今回発表されたAlpha Evoシリーズは、5インチのウーファーを持つAlpha Evo 50(オープン・プライス:市場予想価格28,600円前後/1台)と6.5インチのウーファーを持つAlpha Evo 65(オープン・プライス:市場予想価格36,300円前後/1台)というラインナップで、既に発売されているAlphaシリーズ=Alpha 50、Alpha 65、Alpha 80の後継機にあたる。

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発表されたAlpha Evoシリーズ。木目のスピーカー・スタンドには5インチ・ウーファーを備えるAlpha Evo 50、ブラックのスピーカー・スタンドには6.5インチのウーファーを持つAlpha Evo 65を設置

 時間単位で参加者を限定してのプレゼンテーションとなった今回、Alpha Evoを紹介してくれたのは、メディア・インテグレーション サポート・セクションの岡田裕一氏だ。Alpha Evoはコスト・パフォーマンスに優れ、さまざまな環境でのモニタリングに対応できるよう設計されたエントリー・レベルのニアフィールド・モニターとのこと。開発から製造まですべてフランスで行われており、主にホーム・スタジオでDAWを扱うクリエイター/エンジニア/DJなどをターゲットとしている。また1台単位から購入可能なため、イマーシブ・システムで音楽制作を行うプロフェッショナルなコンポーザー/エンジニアにもお薦めだという。

 

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 Alpha Evoの特徴の一つとして、デザイン性の高さが挙げられる。Alpha Evoは前Alphaシリーズの見た目を継承しつつ、堅牢かつモダンな新デザインを採用。またABS樹脂と内部補強を組み合わせた15mm厚のボディの側面にはくさび形の溝があしらわれ、水平方向への回り込みを抑制しているのもポイントだ。

 

 ウーファーには、Alpha Evoのために新開発された“スレート・ファイバー”という素材を使用。再生可能な不繊カーボン・ファイバーとサーモプラスチック・ポリマーを挟み込むような状態で成型されている。このスレート・ファイバーは軽量性、剛性、ダンピング特性に優れているため、非常に幅広いダイナミクスを再現することが可能だ。

 

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 一方、ツィーターの素材にはアルミニウムを使用。“インバーデッド・ドーム”という形状を採用するため高い制動性を持ち、高域のひずみが少なく、広いスウィート・スポットを実現している。また、音の回り込みを抑えるツィーター・バッフルも搭載している。

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アルミニウムを用いたFOCAL独自のインバーデッド・ドーム・ツィーター。上下には音の回り込みを抑えるツィーター・バッフルを備える

 さらにバスレフには、上位機種のSM6シリーズにも採用されている大型のラミナー・ポートを搭載。内部/外部方向へ広がるフレア構造となっているため、大音量での再生時に起きるひずみを抑制することができる。

 

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 リア・パネルには、入力用としてRCAピン、XLR、TRSフォーン端子を装備。さらに0/+6dBで音量調節が可能なSENSITIVITYスイッチのほか、一定時間音声入力が無い場合に自動でスタンバイ・モードに切り替わるAUTO STAND-BYスイッチ、さまざまな設置環境に合わせた補正が可能なローパス/ハイパス・フィルター・ノブも備えている。また、壁面固定用のインサート・ポイントを2つ搭載するため、天吊りや壁付けといった使用にも対応可能だ。

 

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 最後に岡田氏は、Alpha Evo 50とAlpha Evo 65のスペック表を見せてくれた。筐体サイズと重量、ウーファーの大きさ以外は両者共通の仕様となっている。そのため周波数特性に関しては、Alpha Evo 65の方がAlpha Evo 50より5Hz低い低域を再現できるそうだ。FOCALの独自技術を細部に詰め込んだAlpha Evo。エントリー・レベル以上のクオリティに匹敵するほどのモニターだと言えるだろう。

 

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製品情報

www.minet.jp