CG技術を応用して3D空間内のバーチャル・マイクで音をとらえるSound Particles

 フォーミュラ・オーディオは、ポルトガルSOUND PARTICLESのソフトウェア4製品の取扱いを開始した。同社はCG技術とパワーをサウンドに応用して、さまざまなサウンドの動きを再現する製品をリリースしており、『ゲーム・オブ・スローンズ』『アナと雪の女王2』『スターウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』『アサシン クリード オリジンズ』などの映画をはじめ、ゲーム・サウンドなどでも使用されているという。

 

3D仮想空間の音をキャプチャーするSound Particles

f:id:rittor_snrec:20210309143749j:plain


 Sound Particles(オープン・プライス)は、社名と同じ名前のMac/Windows対応スタンドアローン・ソフトウェア。バーチャルな3D音響空間に無数の音源を”パーティクル”として配置。同じ空間内に設定されるバーチャル・マイクで、すべてのパーティクルの音声を動作を含めてとらえ、2Dまたは3Dで出力する。3D空間内の各オブジェクトを、バーチャルのカメラがキャプチャーするという、CGの仕組みをサウンドに応用したものだ。設置できるマイクは、モノラルからステレオ、サラウンド、Dolby Atmosベッド(7.1.2ch)や22.2chといったイマーシブまで。1つのサウンド・ファイルから複数のパーティクルを生成したり、パーティクルにピッチ・シフトやEQ、グラニュラーで変動要素を加えることもできる。また、パーティクルの速度や回転、加速度も変動要素として設定することが可能だ。

 個人向けのSound Particles Indie(市場予想価格:45,100円前後/税込)は1ユーザー/または1マシンで使用可能。法人向けには、1ユーザーまたは1アカウントのSound Particles Pro(市場予想価格:112,200円前後/税込)と複数ユーザー対象の18カ月ライセンスとなるSound Particles Team(市場予想価格:286,000円前後/税込)が用意されており、これら法人向け版は後述のAirとDopplerが付属する。

formula-audio.co.jp

 

距離感をコントロールするプラグインAir

f:id:rittor_snrec:20210309143823j:plain


 Air(オープン・プライス:市場予想価格7,700円前後/税込)は、高周波帯域の減衰によって、距離感を高精度にシミュレートするプラグイン・エフェクト。科学的に測定した、特性曲線によるフィルターを備えている。温度や湿度の調整も可能で、世界のさまざまな場所の設定を収録。 Mac/Windows対応で、AAX Native/AU/VST2&3に準拠している。

formula-audio.co.jp

 

ドップラー効果を生み出すDoppler

f:id:rittor_snrec:20210309144104j:plain


 Doppler(オープン・プライス:市場予想価格16,500円前後/税込。上述のAirが付属)は、空気中で動作する音声の物理的挙動を高精度でシミュレートするプラグイン・エフェクト。現実の状況でのピッチ、音量、周波数分布の変化を再現し、極めて自然なエミュレートを行う。ドップラー効果がピークとなるタイミングの設定も可能。モノラル〜ステレオ〜サラウンド〜イマーシブ(7.1.2chや3次までのAmbisonics)での出力に対応する。Mac/Windows用で、AAX Native/AU/VST2&3に準拠している。

formula-audio.co.jp

 

サウンドの強弱に合わせて定位を動かすEnergy Panner

f:id:rittor_snrec:20210309144120j:plain

 Energy Pannner(オープン・プライス:市場予想価格5,500円前後)は、サウンドの強弱に合わせてパンニングを行うユニークなプラグイン・エフェクト。ステレオはもちろん、Dolby Atmos用などのマルチチャンネル出力に対応する。開始点と終了点で軌跡を設定可能。信号レベルが下がると開始点に戻るPANモードと、信号レベルが下がっても動いた位置にとどまり、一定のレベルを超えるとそこから移動を開始するSLIDINGモードを使い分けることができる。Mac/Windows対応で、AAX Native/AU/VST2&3に準拠する。

formula-audio.co.jp

 

製品情報

formula-audio.co.jp

 

関連記事

www.snrec.jp

www.snrec.jp

www.snrec.jp