森田良紀(studioforesta)× SANDISK PROFESSIONAL G-Drive ArmorLock SSD 〜制作パフォーマンスの要 SANDISKポータブルSSD【第8回】

森田良紀(studioforesta)× SANDISK PROFESSIONAL G-Drive ArmorLock SSD 〜制作パフォーマンスの要 SANDISKポータブルSSD【第8回】

フラッシュ・メモリー・ストレージの分野で長年の実績があり、音楽や映像、写真などのクリエイターが信頼を置くSANDISK。そのSANDISKを傘下に持つウエスタンデジタルが、より高度なニーズに応えるべく、昨年に新ブランドSANDISK PROFESSIONALを始動させた。製品の一つ、G-Drive ArmorLock SSDをエンジニア/映像クリエイターの森田良紀氏がレビュー。普段からSANDISKの外付けSSDを愛用する氏の目に、どういった部分が“プロフェッショナル用”と映るのか?

撮影:鈴木千佳

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G-Drive ArmorLock SSD

G-Drive ArmorLock SSD

 USB 3.2 Gen 2接続の外付けSSDで、Mac/Windowsに対応。最大読み出し速度は1000MB/秒となっており、256ビットAES-XTS形式のハードウェア暗号化を採用している。独特なのは、専用スマートフォン・アプリで扱えるロック機能。ロックのオン/オフ、複数ユーザーへのアクセス権の付与/管理などが可能で、パスワードに依存しないセキュリティを実現している。IP67対応の防塵/防水性能や購入後5年間の製品保証も魅力だ。

PRICE
▪1TB:38,280円前後 ▪2TB:74,800円前後 ▪4TB:118,800円前後
※すべてオープン・プライス(市場予想価格/税込)

スマホ・アプリで制御するロック機能

 G-Drive ArmorLock SSDはロック機能を搭載した外付けSSDで、アクセス権を持つ人だけが使用できます。パスワード認証ではなく、専用のスマートフォン・アプリWESTERN DIGITAL ArmorLockでロックを解除する仕様なので、そのスマホの持ち主でなければ認証されず、パスワードよりもセキュアと言えるでしょう。また、指紋認証機能を備えたストレージとは違い、指紋リーダー部が故障してしまった!なんてことも無いため安心です。でプロジェクトを立ち上げてみるなど、幾つかの方法でチェックしました。

 使用に際しては、SSD本体をコンピューターに接続。背面のQRコードをアプリでスキャンすると“ロック済み”の表示が現れるので、タップして解除します。この1台目のスマホを“マネージャー”として、複数台のスマホにアクセス権を与えることが可能。2台目以降のスマホでもQRコードをスキャンし、1台目から許可するという要領です。マネージャーはアプリから任意のユーザーを“読み取り専用”にしたり無効にしたりできるため、SSDをチームで共用する場合にも管理しやすいでしょう。無論、こうしたリモート・コントロールには、マネージャーのスマホがインターネットに接続されている必要があります。ネットを活用した機能としては、位置情報の追跡も出色。SSDのロックが最後に解除された場所をアプリ上の地図に表示させることが可能です。

 ArmorLockアプリにはMac版もあります。SSD本体のQRコードの上に書かれた数字を入力してオーソライズをリクエストすれば、マネージャーからの許可が下りた後、Macでロック機能を扱えるようになるのです。“マネージャーが許可しないことにはSSDにアクセスできない”という仕組みが徹底されているため、パスワードが流出して不特定多数の人にさらされてしまうようなリスクがありませんし、パスワードを覚えておく/管理する煩わしさからも解放されます。映像や音楽のクリエイターは、公表される前のデータを外付けストレージに入れて持ち運ぶことが多いと思うので、万が一の場合も安心感が違いますね。セキュリティの仕組みとして、大変よくできていると感じます。

G-Drive ArmorLock SSD専用のiOS/AndroidアプリArmorLock(無償)
G-Drive ArmorLock SSD専用のiOS/AndroidアプリArmorLock(無償)
専用のiOS/AndroidアプリArmorLock(無償)。左の画面に見えるのがロック解除スイッチで、右の画面はSSDにアクセスできるユーザーの一覧だ

1000MB/秒でワーク用途にも対応

 G-Drive ArmorLock SSDは、最大読み出し速度が1000MB/秒なので、ディスク上で映像や音声を編集するようなワーク用途にも対応します。速度が遅ければ中身をコンピューターなどにコピーする必要が出てくるため、セキュリティが甘くなってしまうところですが、本機なら映像のエディターの方にも“ワークとして使ってください”と言えるので安全性が高いですね。また、ハードウェア暗号化を採用しているにもかかわらず、それに気付かないほど速い。この種のストレージは暗号化を行いながら読み書きする分、どうしても速度が低下しがちなので、本機は優秀だと思います。そして比較的大きなヒート・シンクを積んでいるようで、そこも“プロ用だな”と。スピードの低下やエラーの原因になるような発熱が生じにくいでしょう。

 

森田良紀
【Profile】studioforestaを拠点としてレコーディングからミックス、マスタリング、映像撮影、配信まで行う。これまでmoumoon、大森靖子、清春、ビッケブランカ、SEKAI NO OWARI、AIなど、さまざまなアーティストの映像制作や生放送番組の制作に携わっている。

G-Drive ArmorLock SSD 製品情報