大容量サンプルのソフト音源やミックス用のワーキング・メディアとして、クリエイターやエンジニアにも使われている外付けSSD。各社からさまざまな製品が登場しているが、こうしたフラッシュ・メモリー・ストレージの分野で長年の実績を誇るのがSANDISKだ。今回は読み出し1050MB／秒、書き込み1000MB／秒という最大速度のSanDisk Extreme Portable SSD（２TB）をサカナクションの江島啓一がチェック。自身の環境で試した所感を語っていただいた。
撮影：小原啓樹 撮影協力：青葉台スタジオ ヘア＆メイク：根本亜沙美 衣装：ニット（49,500円）、Tシャツ（19,800円）／アンデコレイテッド（03-3794-4037）、パンツ（30,800円）、靴（63,800円）／ホワイトマウンテニアリング（03-6416-5381）
Featured Product
SanDisk Extreme Portable SSD
USB 3.2 Gen 2接続の外付けSSD。最大速度は読み出し1050MB／秒、書き込み1000MB／秒で、「公称値と実際の動作が一致している」と江島。最大２mの高さからの落下保護やIP55の防滴／防塵機能を備えるほか、ボディをシリコン・シェルで覆い耐久性を重視している。256ビットAESハードウェア暗号化によるパスワード保護でセキュリティを強めているのも特長。
PRICE
▪500GB：14,000円前後 ▪1TB：23,800円前後 ▪2TB：39,800円前後 ▪4TB：79,800円前後
※すべてオープン・プライス（市場予想価格／税込）
高速かつ発熱を抑えた設計
以前は外付けストレージにソフト音源のサンプルなどを入れていましたが、ライブ会場の楽屋で曲作りすることもあるので、外付けを持って行き忘れたら作業できなくなってしまうんです。それが嫌で、最近は制作済みの楽曲プロジェクトを外付けに保存し、作業中のプロジェクトやアプリケーション、音源のサンプルはAPPLE MacBook Proの内蔵ストレージに入れています。だから基本的にMacBook Proさえあれば作業できるんですが、今回はSanDisk Extreme Portable SSD上でプロジェクトを立ち上げてみるなど、幾つかの方法でチェックしました。
まずはスピードの測定。MacBook Pro（INTEL CPU）にBLACKMAGIC DESIGNのDisk Speed Testを立ち上げて測ってみたところ、読み出しが約895MB／秒、書き込みは約920MB／秒となりました。“INTEL Macで使うなら、これが一番速い”と聞いて半年ほど前に買った他社のSSDも同様の結果でしたが、ストレージ上でDAWプロジェクトを立ち上げてみたら、SanDisk Extreme Portable SSDの方が軽快に動作してくれて、体感的にはMacの内蔵ストレージで立ち上げるのと変わらないことが分かりました。
熱を持ちにくいのも魅力です。先述の他社SSDが使用中にものすごく熱くなるのに対し、SanDisk Extreme Portable SSDは平熱のままといった感じで。プロジェクトを立ち上げて１時間半ほど作業を続けてみましたが、Macの筐体の方が熱くなっていたくらいで、発熱を抑えた設計であることがうかがえます。
公称スペックと実際の動作がきちんと一致
次に、かなり前から使っているSSDと比較してみました。読み書き共に500MB／秒くらいの機種で、データのコピー速度を比べてみたところ、SanDisk Extreme Portable SSDの方が２倍ほど速いという結果に。“スペックからして当然なのでは？”と思われるかもしれませんが、公称値と実際の動作が一致しないSSDもあるようなので、SANDISKならその辺りの信頼性も高いのではないかと感じます。
こうしたスピードや安定感は、既存曲のプロジェクトから新規プロジェクトにトラックをインポートする際にも役立ちそうです。と言うのも、サカナクションのライブにはエレクトロニクスのみを使う楽曲があり、それらは既存曲の諸要素を組み合わせたリミックスのような作りなので、外付けSSDに入れた過去のプロジェクトからMac上の新規プロジェクトにトラックをインポートするという工程が仕込みの段階で必要になります。SanDisk Extreme Portable SSDを使えば、その時間を短縮できそうですね。
最大２mの落下保護や防滴／防塵性能もありがたいポイント。Macもストレージも身軽に持ち出したいので、いつもかばんに直接入れているんですよ。先ほど話した他社SSDは、自ら組み立てたので耐衝撃の面で心もとなかったのですが、SanDisk Extreme Portable SSDなら安心です。
江島啓一
【Profile】サカナクションのドラマーであり、楽曲アレンジ〜サウンド・プロデュースのキー・マンの一人。DAWなどエレクトロニクスへの造詣が深く、ミニマル・テクノのDJとしても活動。現在、３月30日にリリース予定のサカナクションのコンセプト・アルバム『アダプト』を制作中。
