青木征洋 × SanDisk Extreme Pro Portable SSD 〜制作パフォーマンスの要 SANDISKポータブルSSD【第1回】

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大容量サンプルのソフト音源やミキシング用のワーキング・ディスクとして、プロのクリエイター/エンジニアの間で必須のポータブルSSD。外付けSSDとも呼ばれ、現在SATAやNVMeといった通信プロトコルの製品が発売されているが、こうしたフラッシュ・メモリーを使ったストレージの世界において長年の実績を誇るブランドがSANDISKだ。そのポータブルSSDの魅力を6回にわたってお伝えしていく。今月はゲーム音楽の制作などで活躍する作編曲家/プロデューサーの青木征洋にSanDisk Extreme Pro Portable SSDを試していただき、テストの内容や音楽制作における有用性を語ってもらった。

Photo:Chika Suzuki

Product Overview
SanDisk Extreme Pro Portable SSD

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 フラッシュ・ストレージに最適化された通信プロトコル=NVMe採用のポータブルSSD。USB 3.2 Gen 2×2接続で最大2000MB/秒という読み出し/書き込み速度を誇る。鍛造アルミ筐体とシリコン・シェルにより、堅牢性とグリップ感の良さを両立。5年間の限定保証付き。

SPECIFICATIONS
▪接続:USB 3.2 Gen 2×2(USB 3.0/USB 2.0下位互換)
▪転送速度:最大2000MB/秒(読出し/書込み)
▪コネクター:USB Type-C(USB Type-A対応のケーブル同梱)
▪対応OS:Mac/Windows
▪サイズ:57.34(W)×10.22(H)×110.26(D)mm
▪価格:オープン・プライス:市場予想価格30,000円前後(1TB)、オープン・プライス:市場予想価格55,000円前後(2TB)

 

大容量サンプルの読み込み速度で比較

 僕のメイン・マシンはAPPLE iMacなので内蔵ストレージの増設が難しく、オーケストラ音源などの大容量サンプル・ライブラリーを保存するためにポータブルSSDを活用してきました。現在はNVMeのSSDを使っていて、iMacとの接続はThunderbolt 3となっています。

 

 このiMacに新モデルのSanDisk Extreme Pro Portable SSD(NVMe)を接続し、一般的な外付けハード・ディスク2機種と比較してみました。テストの方法は、各ストレージにソフト音源のサンプルをコピーし、STEINBERG Cubaseでサンプル読み込み済みのプロジェクト・テンプレートを作成。それをいったん閉じて、立ち上げ直してからサンプルの読み込みが終わるまでの時間を比べるというものです。

 

 SanDisk Extreme Pro Portable SSDは、USB 3.2 Gen 2×2接続で最大2000MB/秒という読出し/書込み速度を有していますが、現状はMacがUSB 3.2 Gen 2×2に対応していないため、今回はUSB 3.2 Gen2(USB 3.1 Gen2)接続でのテストとなりました。比較対象のハード・ディスクは、USB 3.2 Gen 1接続の製品とUSB 3.0接続のものを用意。早速測定してみると、SPITFIRE AUDIO BBC Symphony Orchestra Professional(総合オーケストラ音源/今回使用したサンプルの容量は10.6GB)のロード時は前者が約5分36秒、後者は9分21秒となりました。他方、SanDisk Extreme Pro Portable SSDについては約1分24秒。プロジェクトは開いてもサンプルの読み込みが終わらなければ作業できないわけですが、その点SanDisk Extreme Pro Portable SSDななかなか快適な印象で、間違いなく音楽制作に使えると思います

 

USBでこれだけの速度が出せるのは利点

 外付けハード・ディスクはやはり厳しく、総じて時間のかかったORCHESTRAL TOOLS Junkie XL Brass(ブラス音源/使用サンプル容量19.8GB)ではSanDisk Extreme Pro Portable SSDの約2分12秒に対し、USB 3.2 Gen 1の方が約21分16秒、USB 3.0の方が約33分45秒となりました。読み込み後にMIDI鍵盤でトリガーしたところ満足に鳴らせなかったので、大容量音源をポータブル・ストレージで扱いたい方は本稿で紹介しているようなSSDが必須と言えます。またデスクトップ型のコンピューターで作ったプロジェクトをポータブルSSDに入れておけば、アプリケーションのみインストールしたノート・パソコンに接続し、出先で作業できるため便利です

 

 SanDisk Extreme Pro Portable SSDの利点としては、そもそもの速度が高いので、サンプルのコピーやバックアップ作成を短時間で終えられることも挙げられます。また、高速SSDを使いたくてもWindowsにThunderbolt端子が備わっていることはまれで、Macでもほかの機器で既に埋まっている場合があるでしょうから、そうした場合にUSBでこれだけのスピードが出せるのはうれしいですね。USB 3.2 Gen 2×2のSSDは現状モデル数が少ないので、探している方は候補に加えてみてはいかがでしょうか。Macユーザーは製品の特長である2000MB/秒の速度を得られないため、USB 3.2 Gen 2で最大1050MB/秒の読出し、1000MB/秒の書込みが行える新モデルのSanDisk Extreme Portable SSD(15,000円前後/500GB、25,000円前後/1TB、45,000円前後/2TB)を選ぶと、価格と性能のバランスがより良いと思います

 

青木征洋
【Profile】カプコンを経て、フリーの作編曲家/プロデューサーに。『ストリートファイターV』の作曲のほか、アジアや欧州のタイトルも手掛ける。ギタリストでもあり、レーベルViViXを主宰しつつギター・インストの流布に努める

 

SanDisk Extreme Pro Portable SSD 製品情報

shop.westerndigital.com

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