AVIDから、“ハイブリッド・オーディオ・プロダクション・システム”として新しいオーディオ・インターフェース、Pro Tools|Carbonが発表された。最大のトピックはDSPを内蔵し、AAX DSPプラグインが使用可能な点。HDXカード無しに、遅延の無いエフェクト処理済みのモニタリング環境を実現している点だ。
DSPとCPUネイティブをトラックごとに切り替え
Pro Tools|CarbonはAVB接続のオーディオ・インターフェース。カスタム設計されたFPGAと8つのHDX DSPをコアに持つ。FPGAはオーディオのルーティングを、HDX DSPはAAX DSPでのリアルタイム・プラグイン処理を行い、常に1ms未満の超低レイテンシー・モニタリング環境を保ったままレコーディングを行うことができる。
付属するDAWソフトウェアはもちろんPro Tools。トラック単位でのネイティブ・モードとDSPモードの切り替えが可能となり、DSPモードに設定したトラックは使用プラグインがAAX DSPへと切り替わる。また、録音を終えたトラックはネイティブ・モードに変更することで、逆にプラグインがAAX Nativeへと変更される。このようにDSPとCPUをシームレスにスイッチできるのが、“ハイブリッド”と称されるゆえんだ。トラック単位でサチュレーションを加えられるHEATオプションも付属する。
AVID史上最高を謳うインプット音質
オーディオI/Oとしての性能は、最高32ビット/192kHzに対応。AD変換からPro Tools内部処理に至るまで、すべて32ビットの解像度を保ったままオーディオ信号を扱うことができる。アナログ8イン+トークバック/18アウト(D-Sub 25ピン+ステレオ・メイン+ヘッドフォン×4)で、2系統ADAT入出力(最大16イン/16アウト)を装備。AD変換はチャンネルごとに4基のADCチップを用意し、126dBのダイナミック・レンジを獲得している。また、マイクプリも126dBを誇り、“AVID史上最もクリーンなプリアンプ”を謳うものを8基搭載。うち4系統はインピーダンス可変のバリアブルZ仕様で、リボン・マイクやギター/ベースの直結にも対応する(INST入力端子も別途2系統用意)。
Pro Tools+プラグインをバンドル
Pro Tools|Carbonには、Pro Toolsソフトウェアの年間サブスクリプションを含む、多彩なソフトウェアが付属。もちろんAAX DSP/Native対応のプラグイン・エフェクト、インストゥルメントも多数バンドルされている。プロジェクト・スタジオのシステム・センターとしてはもちろん、ライブ・レコーディングなどでの持ち出し用I/Oとしても魅力的なスペックを備えたPro Tools|Carbonの実力は、サウンド&レコーディング・マガジン2月号で詳しく迫る予定だ。
付属ソフトウェア
Pro Tools 年間サブスクリプション(永続パラシュート版)
AVIDが誇るDAWソフト、Pro Toolsの年間サブスクリプションが付属。DSP/CPUネイティブの切り替えが雷のアイコンのボタンでトラックごとに用意される。Avid Complete Plugin Bundle、アナログのサチュレーションを加えるPro Toolsの追加機能HEAT、ソフト・シンセ/サンプラーUVI Falcon 2、5.4GBサウンド・ライブラリー、スタンダード・サポートが含まれており、115種類のAAXプラグイン(うちAAX DSP対応は70以上)が付属する。
なお、この年間サブスクリプションは永続パラシュート版というもので、Pro Tools+コア・プラグインはサブスクリプションの更新をしなくても、最後にダウンロードしたバージョンを継続して使用できる(バンドル・プラグインはサブスクリプションの更新が必要)。
プレミアム・プラグイン
追加インストゥルメント
製品情報
関連記事