見つけてもらうのを待つのではなく自らアプローチしていくことが大切
トラップ・ミュージックを中心に制作する国内ビート・メイカーたちに、音楽制作を始めたきっかけやこだわりを聞いていく「TRAP BEAT MAKERS」。10pmは三重を拠点に活動する現役高校生のヒップホップ/トラップ・ビート・メイカー/プロデューサー。これまで手掛けてきたアーティストは、JP THE WAVYやSHO-SENSEI!!、AMBRなどが居る。トラップにアニメ要素をミックスするスタイルが持ち味だ。
RECENT WORK
「Jet Lag(feat. Benjazzy)」
(『WAVY TAPE 2』収録)
JP THE WAVY
(bpm tokyo/bpm plus asia)
ビート・メイキングを始めたきっかけ
ちょうど2年前、高校1年生のときにリル・ピープを聴いて衝撃を受け、ビート・メイキングを始めました。ほぼ毎日、学校から帰宅したらIMAGE-LINE FL Studioを触っていたと思います。
ビート・メイキングに影響を与えた楽曲
リル・ピープ「Star Shopping」です。ビート自体はシンプルで特に目立つものは無いのですが、ものすごくバイブスが良く、リル・ピープの声ともマッチしています。僕もいつかこの感動を与える側になりたいと思い、日々活動しています。
尊敬するビート・メイカー/プロデューサー
アメリカを拠点に活動するプロデューサーのリオ・レイバ。彼はトラップを軸としながらも、ユニークでオリジナリティあふれるサウンドの持ち主です。「Lemonade feat. ガンナ、ドン・トリヴァー&ナヴ」のヒットで知られるプロデューサー集団=インターネット・マネーのメンバーですが、その中でも彼のプロデュース・スキルは頭一つ抜けていると思います。
TR-808系キック・ベースのこだわり
リオ・レイバのサンプル・パックを使っています。良いTR-808系キック・ベースを作るコツは、エフェクトをかけ過ぎないこと。例えばFL Studio付属のプラグインEQ、Fruity Parametric EQ 2で20Hz付近にローカットを入れたりしているのですが、やり過ぎないようにしています。
ビート・メイキングのコツ
シンプルなアレンジにすること。もしメロディ(上モノ)が10〜20個もあると、ボーカルやラップを乗せるスペースがありません。常にシンプルさを意識することがポイントです。もう一つは考え過ぎないこと。制作中に行き詰まった場合、実はもう既にビートが完成していることが多いからです。
ビート・メイカーとして大切なこと
自分から動くこと、そして最先端のトレンドを知ることだと思います。誰かから見つけてもらうのを待つのではなく、自らアプローチしていくことが大切です。いろいろなプロデューサーにDMしたり、コンタクトを取ることが一番大事。返事をもらえないときもありますが、続けていけば必ず誰かが反応してくれるはずです。そして最先端のトレンドを知ることで、これからどう動いていくのかを考えることができます。
今後の展望
ヒップホップだけでなく、Jポップやロック、アニメのサントラなども作りたいと思っています。目標としては、10代のうちに日本で爆発的にヒットするような曲を手掛けたいですね。