Puckafall 〜リル・ウージー・ヴァートを目標に海外のラッパーを中心に提供を行うビート/ループ・メイカー【特集】TRAP MAKERS LAB

Puckafall 〜リル・ウージー・ヴァートを目標に海外のラッパーを中心に提供を行うビート/ループ・メイカー【特集】TRAP MAKERS LAB

シンプルなメロディの中に何か一つ衝撃的なスパイスを混ぜるとよい

トラップ・ミュージックを中心に制作する国内ビート・メイカーたちに、音楽制作を始めたきっかけやこだわりを聞いていく「TRAP BEAT MAKERS」。Puckafallは2000年生まれのビート/ループ・メイカー。2020年からビート・メイキングを始め、海外のラッパーを中心に提供を行う。国内ではJP THE WAVYやSound's Deliのメンバー、Tim Pepperoniなどの作品に携わっている。

Instagram@puckafall_tokyo

 RECENT WORK 

「Pick N Choose feat. LEX」
(『WAVY TAPE 2』収録)
JP THE WAVY
(bpm tokyo/bpm plus asia)

 ビート/ループ・メイキングを始めたきっかけ 

 2020年の5月に音楽制作を始めたばかりで、それまでは楽器にも触れたことすらありませんでした。当時は友達も居なくて毎日暇で、とうとう我慢できなくなりIMAGE-LINE FL Studioを購入してビートを作り出したんです。

 

 ビート/ループ・メイキングに影響を与えた楽曲 

 リル・ウージー・ヴァート「Dark Queen」(『Luv Is Rage 2』収録)で、落ち込んだときにこの曲を聴いています。私は、自分と同じような落ち込みやすい人たちが心地良くなる音楽を作りたいと思っていて、この曲はそのお手本のようなもの。プロデューサーはマーリー・ロウで、リル・ウージー・ヴァートの曲をよく手掛けています。

 

 制作/録音環境について 

 普段はFL StudioをAPPLE MacBook Proに立ち上げ、ヘッドフォンのAUDIO-TECHNICA ATH-SX1Aを直挿しして制作しています。友達のスタジオからファミレス、電車の中に至るまで、場所を問わずビート・メイキングできるのが魅力です。たまに自分の声を録るときがありますが、大体APPLE iPhoneのボイスメモで済ませることが多いですね。コンデンサー・マイクのBLUE MICROPHONES Bluebird SLで録るときもあり、こちらの方が断然クリアなサウンドで録れます。しかし、iPhoneの方は味が出るので、それはそれで“良い”と思っているんです。

 

 ループ・メイキングのこだわり 

 音源はソフト・シンセのSPECTRASONICS Omnisphere 2で、聴いたときに不安が和らぐような音色を意識して選んでいます。上モノはたくさん重ね過ぎないようにし、バランスを気にして作ることが大事。一番聴かせたいのは何かを見極め、シンプルなメロディの中に、何か一つ衝撃的なスパイスを混ぜることができればよいのではないでしょうか。

 

 上モノに使用するプラグイン 

 レトロ・サウンドを演出できるXLN AUDIO RC-20 Retro Color。プリセットをいろいろ試すだけでオケにしっくりとなじむサウンドにできたり、アレンジにも一役買ったりと重宝しています。個人的にはDIGITALセクションのエフェクトを強めにかけて、ロボットみたいな音色にするのが好みです。

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ノイズやディストーションなど、6つのエフェクトを組み合わせ、ローファイなサウンドを演出できるプラグイン、XLN AUDIO RC-20 Retro Color。「とりあえずRC-20 Retro Colorがあれば大丈夫!というくらい気に入っています」とPuckafallは話している

 ループ・メイカーとして大切なこと 

 毎日上モノ・ループを著名ビート・メイカーに送り続けたり、日々曲を作ったりすることです。特に私は“誰に届けたいのか”を意識しています。目標はリル・ウージー・ヴァートに使ってもらうことだけなので、数年以内に実現したいです。

 

【特集】TRAP MAKERS LAB