大沢伸一、tamanaramen、岡田拓郎、佐藤優介が本気で惚れた音楽制作ツール

大沢伸一、tamanaramen、岡田拓郎、佐藤優介が本気で惚れた音楽制作ツール

2021年も、音楽制作ツールの世界では個性的な機材やソフトが数多く生み出されました。クリエイターやエンジニアたちは、その中から何を選び活用してきたのでしょう? 総勢30組に“本気で惚れたツール”を紹介していただきましたので、第5弾では大沢伸一、tamanaramen、岡田拓郎、佐藤優介のツールを見ていきます。

大沢伸一

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【Profile】音楽家、DJ、プロデューサー、選曲家。リミックス/プロデュース・ワーク他、広告音楽やサウンド・トラックの制作、ミュージック・バーをプロデュースするなど幅広く活躍。去る11月3日に『MONDO GROSSO OFFICAL BEST』をリリース

 Recent work 

『MONDO GROSSO OFFICIAL BEST』
MONDO GROSSO
(A.S.A.B)

SSL Fusion[Outboard]

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 SSLの方に勧められて購入しました。楽曲の2ミックスをこれに通してバウンスします。本来は完成したミックスの最終タッチやトータル・コンプ/EQのように使うマシンですが、私の場合、楽曲制作時にも通して聴くことが多いです。そのほか、個別トラックに通すと音が生き生きします。DAW中心に制作するクリエイターには音の最終出口としてオススメです。本物のアナログの質感をリミットなく恩恵だけ受けられます。

tamanaramen

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【Profile】Hikamによるアブストラクトな音像とささやく歌声に、肌の質感や留まらない流れを映し出すHanaのビジュアルがフュージョンする、実の姉妹によるオーディオ・ビジュアル・ユニット。音に合わさり浮遊感のある映像で独自の世界を拡張し続け、今の感性を全面に感じる作品を制作

 Recent work 

『The light behind my eyelids』
tamanaramen
(tamanaramen)

FOSTEX PM-Sub 8[Subwoofer]

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 アンビエントを作る上でかなり重要な低音の鳴りを確かめたいと思い、念願のサブウーファーをついに購入しちゃいました! ミックス/マスタリングをお願いしていて、一番信頼しているエンジニアの米津裕二郎さんのお薦めです。6月にリリースした「hazama」で、低音の鳴りをウーファーを使って確かめられたのは大きかったです。

 アンビエントの低音は意外と、どろっとしたものという感覚が自分の中にあって、その部分をいかにさわやかに見せるかみたいな部分が、低音では大事だと思っています。導入して良かったのは、波動を体感できるところ! 家のガラス張りの棚が震える感じ、たまらないです。そのおかげで(?)今年は、かなりダンスを作っちゃいました! アンビエントは面の低音、ダンスは点と線の低音といった感じを意識しています。

岡田拓郎

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【Profile】1991年生まれ。2012年に森は生きているを結成、2015年までに2枚のアルバムを残し、解散。2017年からはソロに転じ、同時に優河、ROTH BART BARONや安藤裕子などの作品に参加。映画音楽制作にも精力的

 Recent work 

『Morning Sun』
岡田拓郎
(Only In Dreams)

音工房Z Z103 音響パネル Bタイプ[Room Tuner]

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 引っ越し祝いとしてお世話になっている方からいただきました。現在制作中のアルバム(逆アングル・フリージャズ!)にて使用。既にミックスを終えていたものの、新しいモニター環境で再度微調整をしています。

 これまで6畳間の宅録環境における音響チューニングは眉唾程度に思っていましたが、実際に使ってみると、スピーカーやアンプを変えるよりも大きな変化があるのでは?と感じました。宅録環境だと反響パネルなどついつい後回しになってしまいますが、6畳間とは言え気付かない内に音が結構反響してしまっていたのを再認識。個人的には楽器ごとの輪郭がくっきり出てくるようになり特に中低域が引き締まってプロセッシングのポイントが当てやすくなりました。吸音されているわけではないので、ナチュラルな響きも感じられ非常に音楽的。コンパクトなので取り回しもよく、制作作業していないときは取り外してレコード部屋にてリスニング用に使っています。

佐藤優介

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【Profile】福島県浪江町生まれ。ミュージシャン。2021年8月にシングル「UTOPIA」をリリース。KID FRESINO、ムーンライダーズ、スカートなどのライブ・サポートや作曲/編曲家としても活動中

 Recent work 

『UTOPIA』
佐藤優介
(Fall Wait Records)

PLUGIN ALLIANCE Lindell Audio 80 Series[Console Emulator Plugin]

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 NEVE 80シリーズのコンソールとそのミックス・バスをエミュレートしたプラグインです。NEVE系のプラグインを幾つか使ってきてこれに落ち着きました。「UTOPIA」という曲では、ほとんどのトラックに使っています。軽いので気軽に挿せるのもうれしいです。

 NEVEのEQは、ポイントの選択肢の少なさが好み。各トラックの大まかなキャラ設定はこれで済ませてしまいます。そして、PLUGIN ALLIANCEならではのTMT機能のおかげで、単調になりがちなソフト音源の音も立体的に聴かせることができます。ランダム機能があるのもうれしく、一般的な使い方ではないかもしれませんが、プレイバック中にTMTを直感でランダマイズして再録音することで、独特なステレオの動きを生み出すこともできます。こういった不確定要素を手軽に得られるプラグインは使っていて楽しいです。

【特集】本気で惚れた音楽制作ツール2021

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