TRILL DYNASTY、AFAMoo、鴨田潤、machìnaが本気で惚れた音楽制作ツール

TRILL DYNASTY、AFAMoo、鴨田潤、machìnaが本気で惚れた音楽制作ツール

2021年も、音楽制作ツールの世界では個性的な機材やソフトが数多く生み出されました。クリエイターやエンジニアたちは、その中から何を選び活用してきたのでしょう? 総勢30組に“本気で惚れたツール”を紹介していただきましたので、第2弾ではTRILL DYNASTY、AFAMoo、鴨田潤、machìnaのツールを見ていきます。

TRILL DYNASTY

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【Profile】作曲家。2021年にLil Durk『The Voice』のタイトル曲に携わり、Billboardの全米チャート“Top R&B/Hip-Hop Albums”で1位を獲得。EST Gee『Bigger Than Life Of Death』の収録曲「In Town(feat. Lil Durk)」の楽曲制作では、同チャート2位にランクイン
Photo:Hiroki Obara

 Recent work 

『Pain Diary』
DOWG & TRILL DYNASTY
(DOWG & TRILL DYNASTY)

M-AUDIO Oxygen Pro 61[MIDI Keyboard]

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 MIDIキーボードは5台所有していて、全部M-AUDIOのものです。このOxygen Pro 61は、メーカーからのサポートがあり導入しました。まずは鍵盤の質感がGood。機能も充実しており、アルペジオをボタン1つで作れたり、スケール・モードの設定を行うと任意スケール以外の音が鳴らないようにできたりとビギナーの方にはもってこいです。その反面、多機能が故に覚えることもたくさんあるのですが、使いこなせれば作曲の効率を上げてくれる一台だと思います

 ちなみに、普段の作曲で使用しているMIDIキーボードはOxygen Pro 61とCodeシリーズのものです。Lil Durkの「The Voice」もEST Geeの「In Town(feat. Lil Durk)」も、この2台から生まれました。ギターの鳴りを表現するのにピッチ・ホイールを使うのですが、操作がしやすく最高です。使い過ぎで、1カ月に1台は修理しています(笑)。

AFAMoo

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【Profile】ハウス・ミュージック・プロデューサー。Lobster Theremin傘下のUGONGETIT、Pogo House(以上イギリス)、Nervous(アメリカ)、House Cookin'(ベルギー)、the Basement Disco(スペイン)など海外レーベルからのリリース多数。現在、ベルリンを拠点に活動

 Recent work 

『DW058』
AFAMoo
(Discoweey)

KORG Arp Odyssey[Software Instrument]

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 自分の楽曲にはこれまでサンプリング主体のものが多かったのですが、打ち込みの楽曲にも本格的に取り組んでいきたいと思い、購入しました。ソフトウェア・シンセサイザーにはさまざまな種類のものがありますが、中でも特にサウンドが気に入りました。すべてのサウンドが素晴らしいですが、特にシンセ・リードの音が好きです。ほかのシンセサイザーではなかなか再現できない、骨太で響き渡る音が魅力的。過去にはアナログ・シンセサイザーを使用していたこともありますが、ソフトウェア・シンセサイザーならではの操作性の高さもお薦めポイントです。

 このArp Odysseyは、現在制作中の1stアルバムの楽曲で使用しています。特にシンガーの方を迎えたボーカル・ハウス・トラックの中で多用しており、フックの前で盛り上がりを作るためには最適でした。なお、その楽曲は先行シングルとしてアルバムよりも先にリリース予定です。

鴨田潤

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【Profile】2000年にイルリメとしてアルバム『イるreメ短編座』を発表後、共作含め多数制作。2020年には詩集『言葉の星座』とアルバム『三』を発表。Jun Kamoda名義ではNYのMister Saturday Night、UKのBlack Acre、自身のJUN RECORDSなどからダンス・ミュージックをリリース

 Recent work 

『II』
Jun Kamoda
(JUN RECORDS)

ROLAND Go:Mixer Pro[Mixer & Audio I/O]

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 9イン/2アウトのミキサー/オーディオI/Oで、スマートフォンにUSBやLightningで接続し、カメラ・アプリなどへ音声を取り込めます。Bandcampでライブ配信が可能になったため自分もやってみようと考え、ならば屋外でROLAND SP-404を演奏するライブを録画してみたい、そうなると持ち運びしやすいもの、APPLE iPhoneなどで撮影と録音ができる機材を……と探している際にこのGo:Mixer Proを見付けました。

 電池駆動で軽量。操作性も容易ですが、複数の音をミックスしてからアプリなどに録音できるため、機材での演奏とコンデンサー・マイクからの環境音が一度に録れたりと、さまざまなアイディアを具体化できると思います。インプットからの音割れに少々敏感なので、事前のミキシングに注意が必要ですが、録音したものを後でマスタリングすれば理想の音になるのでうまくカバーしていけば良いかと。アイディアを腐らせず、思い立ったらすぐに行動できる軽さと操作性なので、日記のようにライブ配信がしたい、旅先で演奏動画を撮りたいなど、気分とともに身近に使用できる機材です。

machìna

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【Profile】電子音楽家/シンガー。シンセサイザーなどを駆使した実験的なサウンドが持ち味で、2021年はBicepとの共作を発表したり、ドイツの名門レーベルTresorから作品をリリースするなどさらなる躍進を遂げた。最新アルバム『Compass Point』も好調

 Recent work 

『Compass Point』
machìna

FADERFOX UC4[MIDI Controller]

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 ライブ向きの、軽くてフェーダーの付いたMIDIコントローラーを探していて見つけました。フェーダーが8つも付いていてこんなに小さいものは、ほかに無いと思います。見た目もかわいいし、作りも丈夫。コントローラーとして、ABLETON Liveではエフェクトの操作や、ボリューム・フェーダーとしても使えますし、もちろんハードにも使えます。特にハードのシンセだと、エフェクトやLFOなど機能ごとにページが分かれていることも多く、ライブのときにリアルタイムで調節するのが不便なこともあるのですが、UC4を使えば同時に制御できます。設定も簡単ですよ。既にライブでは何回も使っていますが、バグが起きたり壊れたりしたことは一度もありません。中央の画面にパラメーターのかかり具合を正確に表示してくれるのもとても便利。FADERFOXはハンブルクで、製造/販売を1人で行っているメーカー。ほかにもすごく良いものを作っているので応援していきたいです。

【特集】本気で惚れた音楽制作ツール2021

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