トラックメイカーのYebisu303がTEENAGE ENGINEERING OP-1 fieldの魅力を伝える20日間。DAY13はOP-1 fieldに新しく搭載されたテープ・スタイルについて紹介します!
遊び心にあふれた4つのスタイル
OP-1 fieldは新たに4つのテープスタイルを選べるようになりました(DAY2を参照)。いずれも現実世界で愛された名機がモチーフとなっています。




- スタジオ4トラック:最適な音質でプロフェッショナルなスタジオ・レコーディングを実現
- ビンテージ4トラック:プロの現場でも使用されている、テープ速度の遅いクラシック・モデル
- ポータ4トラック:コンパクト・カセットを使用した民生用高速マルチトラック・マシン
- ディスクミニ:MDを記録媒体としたMTRのシミュレーション。データ圧縮のサウンドも再現
テープ・スタイルとストック選び方
shift+テープ・モードキーでブラウザ画面を表示させて、ブルーとオーカーのエンコーダーで選択します。
- ブルーを回す:テープ・スタイルの選択
- オーカーを回す:テープ・スタイルにひも付いたストックの選択
- オーカーを押す:ストックを開く
それぞれの音質の特長
録音時にどのテープ・スタイルを選ぶかによって、録音の品質が変わります。原音に忠実なのはスタジオ4トラックです。ビンテージ4トラック→ポータ4トラック→ディスクミニの順にローファイな質感になっていきます。
テープの音質は録音した時点で決定されるので、例えば録音するパートごとに質感をコントロールするという目的で、まずポータ4トラックやディスクミニで録音し、最終的なミックスはスタジオ4トラックにコピペしてから行う、といった使い方ができます。
音質だけじゃないテープ・スタイルの特徴
テープ自体の挙動もスタイルごとに異なっています。テープの巻き戻し/早送りやテープ・ストップ(DAY12を参照)を試してみると、大型のスタジオ4トラックではすべての操作がゆっくりと行われるのに対して、ポータ4トラックやディスクミニといった小型のテープではピタッと制動し、早送り時にはテープがスキップされる速度も変わります。
またディスプレイには、テープスタイルごとに細かくアニメーションされ、テープメディアに対する並々ならぬこだわりを感じます!
テープ・スタイルの音質と挙動を動画でチェック!
前モデルの8台分!? 大幅に拡大された記録時間
OP-1では1本しかテープを使えませんでしたが、OP-1 fieldでは最大8本のテープをストックできるようになりました。単純に録音時間が8倍に増えているんです! 100のアップデート内容の中で最も重要なポイントといえます。
また、ストックしたテープ間で自由に録音したデータを切り貼りできます。1トラックのテープへの録音は最大6分まで可能となっているので、1トラック6分 × 4トラック × 8つのストック = 最大192分もの録音を行えるわけですね。
たくさんの音を録り貯めておいて作曲時に一つのトラックへまとめる……といった、DAWでなければ難しいアプローチも実現可能です。
さらに、テープのストックごとに個別のBPM設定を保持できるので、例えば130BPMのテクノ、175BPMのドラムンベース……といった形で、テンポ/ジャンルごとに分けてネタを録り貯めておけます。
Yebisu303(Acid Alliance)
【Profile】アシッドハウス、デトロイトテクノ、エレクトロ、ハードミニマルに強い感銘を受け、20代後半よりトラック制作を開始。 無類のハードウェア機材愛好家でもあり、日々マシンライブや機材デモンストレーション動画の制作を行っている。 また、近年ではKORGやSONICWARE製品のプリセットやTVアニメ「ユーレイデコ」の劇伴・イメージソングを制作するなど、その活動は多岐に渡っている。
bandcamp https://yebisu303.bandcamp.com/
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