一部の環境において、会員限定記事の表示がうまくいかない場合が報告されています。その場合、まずはブラウザを最新にアップデートした上、WindowsではCtrl+Shift+R、Macではcommand+shift+Rでの再読み込みをお試しください。また、ほかのブラウザの利用もご検討いただけましたら幸いです。

KEF LS50 Wireless II+KC62 × Shin Sakiura 〜最新技術で迫力あるクリアな音を実現

f:id:rittor_snrec:20210301175303j:plain

 KEFが新しく発売したアンプ内蔵ワイアレス・スピーカーLS50 Wireless II。ドライバー後方の不要音を99%吸収するMAT(Metamaterial Absorption Technology)技術を搭載する優れものだ。サブウーファーKC62には、2つのドライバーを単一のモーター・システムで駆動するUni-Coreテクノロジーを搭載。よりコンパクトな筐体で、迫力ある低音再生が可能になっている。今回はプロデューサー/ギタリストのShin SakiuraにLS50 Wireless IIとKC62を1週間ほど試してもらい、その使用感を詳しく聞いた。

Photo:Chika Suzuki

 

Shin Sakiura:東京を拠点に活動するプロデューサー/ギタリスト。SIRUPや向井太一、TENDRE、iriなどアーティストの楽曲のプロデュース/プログラミングを手掛けている

 

一番の魅力はクリアで真っ直ぐな音色

 Shin Sakiuraの作業部屋は、鉄筋コンクリート造のマンション内にある自宅の一室。4.5畳の限られたスペースでも、LS50 Wireless IIとKC62は能力を発揮すると彼は話す。

 

 「LS50 Wireless IIはワイアレスなので配線が最小限で済みますし、KC62へもケーブルを1本つなぐだけだったのでセッティングがすごく楽でした。また、僕の作業デスクの面積は限られているので、吸音材を張った壁とスピーカーとの距離は近めですが、快適にリスニングできました」

f:id:rittor_snrec:20210301180148j:plain

LS50 Wireless IIカーボン・ブラックのフロント

f:id:rittor_snrec:20210301180214j:plain

LS50 Wireless IIマスターのL側リア。HDMI(eARC)、S/P DIFオプティカル&コアキシャル入力、サブウーファーへの出力端子(RCAピン)などが並ぶ

 リファレンスには、ベースの効いたトラップを多く聴いたというShin Sakiura。LS50 Wireless IIの最大の魅力は“クリアなサウンド”だと語る。

 

 「一番の魅力はクリアで真っ直ぐな音色。EQ補正もやり過ぎてなく、適度な感じが好印象でした。音楽制作していて思うのは、できる限り自分が作ったまま出てきてほしいということ。LS50 Wireless IIは、原音とのギャップが少なく、耳に痛い部分はうまくコントロールしてくれている印象です。深夜1時から朝5時くらいまでLS50 Wireless IIでずっと音楽を聴いていたのに、全く耳疲れしなかったんですよ」

 

 LS50 Wireless IIは周波数特性が40Hz〜47kHz、アンプ出力はツィーターが100Wで、ウーファーが280Wだ。

 

 「全体のレンジが広く高域から低域までしっかりと鳴っていて情報量も多いです。なので、中~中高域に音が集まっているボーカルのニュアンスがはっきりと伝わってきます。R&B系の男性ボーカルは、ジャリッとした成分も心地良く聴かせてくれる印象。低域はファットな響きで再現してくれますし、明りょうに動きが見えるのも魅力です」

 

KC62によって低域に立体感が出る

 次は彼に、自身でミックスした曲も聴いてもらった。

 

 「比較的忠実に出してくれて、ミックスの狙いも感じられます。混ぜたものと際立たせたものが判別しやすいんです。クリアでトラックの分離感も感じられます。個人的に80kHz辺りがブーストされた現代的な出音は好まないのですが、LS50 Wireless IIは全体のバランスが良くてフラット。音量を変えても、全体の帯域のバランスが変わりません」

 

 加えて、定位の良さも魅力だという。

 

 「同軸スピーカーなので、定位がはっきりしています。僕は普段スピーカーでミックスすると集中し過ぎて下向いてるんです。でもミックス後にLS50 Wireless IIで聴くと、縦の周波数も広いしワイドに全体像を見せてくれるので、自然と視線が上がるんですよ。ライブの絵が見えるようです」

 

 サブウーファーKC62は「このコンパクトなサイズで、この力強いパワーが出るのがすごい」と彼は続ける。

 

 「普段はサブウーファーを使っていないですが、KC62をプラスすると低域に立体感が出ます。より動きが感じられる、リッチな低域が出ている感じです。EQを“APARTMENT”に設定したら、低周波が抑えられました」

f:id:rittor_snrec:20210301180442j:plain

KC62カーボン・ブラック。6.5インチ・ドライバーを2つ搭載するが、縦幅と横幅は約25cmとコンパクト

f:id:rittor_snrec:20210301180458j:plain

KC62リアの下段右からライン・アウト(RCAピン)、ライン・イン(RCA)、スピーカー・ターミナルを用意

f:id:rittor_snrec:20210301180617j:plain

KEF Connect アプリでEQ補正が可能。Sakiuraは「Desk modeをオンにすることでスッキリ聴こえる。Sub out low-pass frequencyでサブウーファーから80Hz以下の音を出すようにして、ベース・ラインを見えやすく設定した」と話す

 最後にLS50 Wireless II/KC62は「音楽を良い音質で聴きたいすべての人にお薦めしたい」と彼は言う。

 

 「トラック・メイカーは自分の音楽を、モニターだけではなく、ヘッドフォン/イアフォン、ほかのスピーカーなど環境を変えて多面的にチェックする必要があると思います。LS50 Wireless IIとKC62は、アタックとリリースのあんばいが良くてコンプ感が強いロックを聴いても、音が詰まらず格好良く流してくれる。どのジャンルの音楽を楽しむときも、チェックするときも、万能に活躍すると感じました」 

 

LS50 Wireless II
270,000円/ペア

■ドライバー・ユニット:Uni-Qドライバー・アレイ(HF:25mmMAT搭載ベンテッド・アルミ・ドーム、LF:130mmアルミニウム・コーン) ■入力:Wi-Fi(2.4/5GHzデュアル・バンド)、Bluetooth 4.2、HDMI(eARC)、S/P DIFオプティカル&コアキシャル、アナログ(ステレオ・ミニ)、イーサーネットL/R接続(RJ45)、USB Type-A(サービス用) ■アンプ出力:280W(LF)+100W(HF) ■出力解像度:最高24ビット/384kHz ■最大出力(SPL):108dB ■周波数特性:40Hz〜47kHz ■外形寸法:200(W)×305(H)×311(D)mm ■重量:20.1kg(片側)

 

KC62
170,000円

■ドライバー・ユニット:6.5インチ ■入力:ライン・イン(RCA)、スピーカー・ターミナル ■アンプ出力:1,000W ■最大出力(SPL):105dB ■周波数特性:11〜200Hz ■外形寸法:256(W)×250(H)×248(D)mm ■重量:14kg

 

KEF LS50 Wireless II / KC62 製品情報

jp.kef.com

小型でコンパクトなサブウーファー|KC62 サブウーファー | KEF 日本

関連記事

www.snrec.jp

www.snrec.jp

www.snrec.jp

www.snrec.jp