4ブランドのグランド・ピアノを計240GBにわたって収録

EAST WESTQuantum Leap Pianos
代表的なグランド・ピアノ4機種を収録するライブラリー。サンプル容量は、約270GBとけた外れで、これでもかというほどピアノのさまざまなサウンドが丁寧に録られている。

まず、それぞれのピアノはクローズ(通常のオンマイク)、プレイヤー位置、ルーム(アンビエント)と、3種類のマイク・ポジションを自由にブレンドして使用できる。さらに付属の専用サンプル・プレーヤーでは、ピアノのふたの開け閉めや、アンビエントの付加なども自在に行えるので、非常に近い距離感のドライなサウンドから、大ホールでの演奏まで自由に演出できる。さらに、レガートやスタッカートなどの奏法に応じたサンプルと、それらを切り替える機能も搭載。中でも連打時にサンプルを入れ替えるレピテーション機能の効果は抜群で、ピアノ音源にありがちなマシンガンのような連打を回避し、自然な表現が可能になる。サンプリングも綿密で、ベロシティ・スプリットは最大18段階にも及び、ペダル・サンプルはサステインだけでなくソフト・ペダルも備える。肝心のサウンドも洗練されている。立ち上がりが速く硬質で引き締まった鳴りの"Steinway D"、乾いた木質感が華やかな"Bosendorfer 290"、すっきりと整った響きの"Yamaha C7"など単に良いピアノというだけでなく、機種の特徴もとらえられている。個人的には"Bechstein D-280"の甘く歌う音色がとても気に入った。本製品は、とにかく容量が巨大なので、それなりの環境が必要となる。しかしそのサウンドには、そんな投資が無駄ではないと思わせる説得力がある。たとえ生ピアノを使える環境にあったとしても、4種類のコンサート・グランド、それも極上のコンディションの固体を自由に選択できるのは魅力だ。ピアノを製作の中心にしている人、クオリティの高いピアノを求めている人は、要検討の製品だといえる。

EAST WEST
Quantum Leap Pianos
オープン・プライス(市場予想価格59,800円前後)

■メディア:DVD-ROM 35枚
■容量:240GB
■DATA FORMAT:PLAY